
お話を聞いた、岩手県国際交流協会 主幹の川村央隆さん
外国人患者受入れ情報サイトによると…
このサイトは外国人患者を受入れる医療機関の質の確保をはかるため、厚生労働省の補助事業の一つとしてメディフォン株式会社が運営しています。
好事例インタビュー
多くの産業で技能実習生を招く岩手県 ICT活用で効率的に言葉の壁=医療の壁を取り除く
岩手県/岩手県国際交流協会
日本の都道府県の中で、北海道に次いで2番目の面積を持つ岩手県。その広大で肥沃な大地は、海や山からの計り知れない恩恵にあふれています。観光客からは、世界遺産登録されている平泉の中尊寺を筆頭とした「平泉文化」を物語る史跡が特に人気。花巻温泉をはじめ、旅の疲れを癒してくれる温泉郷、東北有数の桜の名所として知られる北上展勝地など、見どころ満載です。また、複雑に入り組んだリアス式海岸がもたらす牡蠣をはじめとする新鮮な魚介類が人気で、他にも盛岡冷麺、わんこそば、前沢牛といったグルメも味わえます。このような観光地としての側面もありながら、岩手県は外国人観光客よりも技能実習生が多いのが特徴。日ごろから国際交流、外国人居住者のサポートを行う岩手県国際交流協会 主幹の川村央隆さんにお話を聞きました。
岩手県国際交流協会とは
1989年に設立され、2011年に公益財団法人に移行。2006年からは県の委託により、国際交流・協力活動の拠点施設として「国際交流センター」の業務運営を行っている。目標は、県民の国際理解を深め国際協力思想を高めるとともに、地域の活性化を図り、物心とともに豊かな郷土岩手の建設に寄与すること。2020年度から電話医療通訳サービスを導入し、外国人居住者に対する医療の質の向上にも尽力している。
観光客よりも外国人居住者が多いのが岩手の特徴
(略)
ベトナム人の技能実習生が中国を抜いて第1位に
一方で、全国的に見るとまだまだ少ないものの、当県の外国人居住者はほぼ右肩上がりで増えていて、その多くを技能実習生が占めています。宮古市をはじめとする沿岸部の水産業、北上市や一関市の製造業、それから養鶏場やアパレル関連の工場などで働く技能実習生が多いのが特徴です。在留外国人数の推移を見ると、全国的には2011年の東日本大震災から数年間は停滞していますが、当県は2011年に落ち込んだものの、その後はまたすぐに増加し始めました。一時的に当県を離れた技能実習生が、また戻ってきたからだと推測されます。当時は被災地に対する風評被害が多く見られた中、復興途上の当県にたくさんの技能実習生が戻ってきてくれたのは、本当に喜ばしいことですね。
[在留外国人数の推移(岩手県)]

[在留外国人数の推移(全国)]

※法務省「在留外国人統計 2019年」より(各年12月末現在)
2020年 12月末現在、全国の国籍・地域別の在留外国人数のトップ5は中国、韓国・朝鮮、ベトナム、フィリピン、ブラジル(出入国在留管理庁統計より)であるのに対して、岩手県はベトナム、中国、フィリピン、韓国・朝鮮、ミャンマーの順です。特に近年、全国的にベトナム人の増加が非常に目立ちますが、当県ではついにベトナムが中国を抜いて1位に躍り出ました。これは当県の産業とベトナム人が必要としている技能が合致したからなのでしょうね。
[在留外国人数の推移(岩手県/上位4か国)]

※法務省「在留外国人統計 2020年」より(各年12月末現在)
2019年から本格的に外国人患者受入れ事業を開始
外国人居住者のサポートを行う岩手県国際交流協会
岩手県国際交流協会は1989年に、岩手県、各市町村、企業の支援によって設立されました。2006年からは県の委託によって「国際交流センター」の業務運営を開始し、2011年に公益財団法人に移行。主に「日本語サポーター養成研修」「災害時多言語サポート研修会」といった国際交流・理解・協力につながるイベント、生活相談、入国・在留資格相談などの外国人支援を行ってきました。現在のコロナ禍においては国際交流センターの利用は休止されていますが、ほとんどの業務がオンラインに移行して滞りなく進んでいます。例えば、以前は講師やゲストと外国人居住者の皆さんに集まっていただいて文化の紹介や言語の研修を行っていたものを、現在はオンライン上のサロンのような形で同じように実施しているんですよ。
2020年に岩手県によって策定された「岩手県多文化共生推進プラン(2020~2024)」の中で、日本人と外国人が共に生活できる地域づくりとして、「防災・医療支援体制の構築支援」が挙げられています。私たちはこのプランにおける実働部隊として、個々の外国人住民のサポートを行っているというイメージですね。
[全文は引用元へ…]インタビュー実施日:2021.8.26
以下,Xより
【【公式】一般社団法人 日本医療法人協会さんの投稿】
● 医療機関向け
— 【公式】一般社団法人 日本医療法人協会 (@iryouhouzin) September 28, 2023
外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル
<https://t.co/rVgd5X6YqQ>
訪日外国人の診療価格算定方法マニュアル
<https://t.co/jHyYpnUh2v>
外国人向け多言語説明資料
<https://t.co/6bO3RYdUDV>
医療機関のための外国人患者受け入れ情報サイト
<https://t.co/Vc51RByMog>
引用元
[外国人患者受入れ情報サイト]https://internationalpatients.jp/interviews/2021_005/
みんなのコメント
japannewsnavi編集部の見解
岩手県で進む外国人患者受入れの取り組み
岩手県では、外国人患者の受入れ体制を整えるため、2019年から本格的に事業を開始しました。背景には、県内の多くの産業が技能実習生を招き、外国人労働者の存在が地域社会において重要な役割を果たすようになっている現状があります。水産業や製造業、農業などで働く実習生は年々増加しており、生活の中で医療を利用する機会も当然ながら高まります。そのため、医療機関における通訳体制の不足や言語の壁をどう乗り越えるかが課題となっていました。
そこで岩手県国際交流協会は、厚生労働省の補助事業の一環として、オンライン医療通訳を導入しました。これは、タブレットや電話を通じて複数言語に対応した通訳を提供する仕組みであり、英語や中国語に加え、ベトナム語やフィリピン語、さらにミャンマー語など、技能実習生の出身国に合わせた多言語対応が可能です。患者は母国語で医師や看護師と意思疎通できるため、治療の不安を減らす効果が期待されています。導入当初は利用件数こそ限られていましたが、医療現場にとって「いざという時に使える」という安心感が大きな意味を持ちました。
一方で、この取り組みが地域社会においてどのように受け止められているのかは、まだ十分に明らかになっていません。外国人労働者やその家族にとっては必要不可欠な制度ですが、地域住民にとっても納得のいく形で浸透していくことが求められます。国際化が進む現代においては、誰もが医療を等しく受けられる環境を整えることが社会の安定につながると言われていますが、地元住民の理解を得ながら進めることが欠かせません。
技能実習生と地域社会
岩手県は、北海道に次ぐ広大な面積を持ち、農業や水産業、製造業といった一次・二次産業が盛んです。そのため、外国人技能実習生が多く働いており、在留外国人の数も増加傾向にあります。特に、近年はベトナム人の実習生が中国を抜いて最も多くなり、県内の産業を支える存在となっている、と言われています。
技能実習生は、地元の経済にとって欠かせない存在であると言われる一方、言葉や文化の違いから生活上の不便や孤立感を抱えることもあります。例えば病院での診察時に日本語で症状を説明できない場合、診断に誤解が生じる可能性もあります。こうした問題を解消するため、オンライン医療通訳の導入は一定の意義を持っています。
しかしながら、この仕組みが恒常的に利用され、県内に定着していくには、住民の理解と協力が必要です。外国人材の存在を前提とした施策は、国の人口減少を背景に全国各地で広がりを見せていますが、それぞれの地域社会でどう受け止められるかによって成果は変わってきます。岩手の場合も、制度の整備そのものよりも、地域の人々が納得できるかどうかが今後の課題になるでしょう。
今後の展望と課題
医療通訳の導入は、岩手県における多文化共生の一環として進められています。制度の枠組みがあることは評価できますが、地域住民にとっての理解促進や、制度を利用する外国人患者が本当に安心して医療を受けられる環境を整えることが重要です。例えば、医療通訳サービスの存在を知らない人も多く、情報の周知不足は今後の課題といえます。また、利用件数が少ない現状をどう改善していくかも問われています。
さらに、医療だけではなく、教育や生活支援の分野においても外国人住民の増加に対応する必要があります。技能実習生が定住化して家族を呼び寄せるケースも増えており、子どもの教育や生活習慣へのサポートも求められています。岩手県が策定した「多文化共生推進プラン」と連動しながら、医療通訳を含む外国人支援が全体として機能するように調整していくことが欠かせません。
結局のところ、制度が整っていること自体よりも、住民が納得しているかどうかが重要な点です。地域に住む日本人と外国人の双方が安心できる社会を築くには、一方的な施策ではなく、対話や情報共有を通じた理解の積み重ねが必要です。医療通訳の取り組みはその一歩に過ぎませんが、住民の声を反映しながら進められることで、真の意味で地域に根付くものになるでしょう。
執筆::japannewsnavi編集部
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