米新興が錬金術を発見か 核融合反応使い「水銀から金を生成」と主張 [日経]

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日本経済新聞の記事によると…

米新興が錬金術を発見か 核融合反応使い「水銀から金を生成」と主張

【ヒューストン=大平祐嗣】未来のエネルギーとされる核融合発電の開発を手がける米国のスタートアップ、マラソン・フュージョンは22日までに、核融合のプロセスを応用して、水銀から金を生み出す方法についての論文を公表した。論文は専門家による査読を受けていない状態だが、会社は「錬金術をみつけた」と主張し、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じるなど話題を集めている。

マラソン社は2023年設立でカリフォルニア州に本社を置くスタートアップ。米エネルギー省も核融合関連の技術開発で363万ドル(約5億3千万円)を支援している。

一般の金属などを金といった貴金属に変える錬金術は古くから研究されてきた。マラソン社は論文のなかで、「古典的な錬金術の目標は今、実践的な工学技術によって実現可能なものとなった」と記した。

マラソン社によると、核融合反応で生じる高エネルギーの中性子を使って水銀の原子核から中性子の数を変化させることなどで金が生じる。現在核融合開発で主流となる「トカマク型」での反応過程で生産できる。発電時に副次的に金を製造できれば核融合の損益分岐点を大きく下げられるという。

FTによると、出力100万キロワットの核融合発電で年間5000キログラムの金が生み出せるという。発電事業の収益が倍増する可能性があるとしている。一方、中性子の数が安定していない金を生み出すといった可能性も指摘している。

金取引を担う三菱マテリアルによると、年間の金の採掘量は3000〜4000トンで推移している。

[全文は引用元へ…]2025年7月23日

以下,Xより

【日本経済新聞さんの投稿】

引用元 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN22CSR0S5A720C2000000/

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みんなのコメント

  • >出力100万キロワットの核融合発電で年間5000キログラムの金が生み出せるという。発電事業の収益が倍増する可能性があるとしている。一方、中性子の数が安定していない金を生み出すといった可能性も指摘している。 夢のある話やな(^o^)
  • 最近日本経済新聞の記事は偏っているようだ、新聞の記事を読むよりAiと推論に時間費やすほうがもっと正しい結論に至る事ができる
  • やめろや 金さがるやろ
  • 仮に可能になったとて世界を牛耳ってる国々が何千トンも持って未だに買い増してるのに許すはずがないだろうw
  • これは何十年も前からそういう事が理論的に可能だと言われてたやつだと思いますが なぜ今さら発見という見出しになるのか?
  • 大昔の欧州で錬金術師が水銀から金を作ると言って、人々を惑わしていたのとは違うのかな?
  • 金相場で儲ける為のニュースでしょ。 寝言は核融合発電の目処がついてからな。(*´Д`)
  • 家を燃やしてスープを作って販売するくらいコスト的に見合わないけどな
  • 石炭でダイヤモンドを作ろうみたいな話だな どうせ現実的には作れない(作る価値が無い)ってオチだろ
  • アジア対策?
  • 金を量産できれば電子回路のコストが下がってスマホが安くなりそうですね 金の量産は資産家が困るくらいで、人類全体にとってメリットしかないと思いますけど、何かデメリットはあるのかな?
  • 2040年に実験炉で生成できたとして、2050年ぐらいで金価格ピーク、そこから金価格に影響出るぐらいかな
  • 掘るよりコストかかるんちゃうか?

japannewsnavi編集部の見解

「水銀から金」への挑戦が意味するもの

米国のスタートアップ企業・マラソン・フュージョンが、核融合反応を応用して水銀から金を生成するという論文を発表したという報道には、科学的興味と疑念が交錯する複雑な感情を抱きました。まるで現代に蘇った「錬金術」のような話ですが、これは単なるロマンの域を超えているのでしょうか。

まず前提として、核融合発電そのものがまだ実用化されていないことを忘れてはなりません。世界中で研究が進められているとはいえ、大規模な商用運転が行われるには、今後も膨大な時間と資金が必要とされています。現段階では「夢の技術」であり、確立されたインフラではありません。

そのうえで、マラソン社の論文は査読前の状態にとどまり、科学的な検証がまだ一切行われていないという点も重要です。つまり現時点では、同社の発表内容は「仮説」に過ぎないということです。特に「年間5000キログラムの金が得られる」という試算も、根拠となる実験データがないまま語られているのであれば、話半分で聞くべきだと思います。

一方、科学的プロセスそのものは理論上は可能とされています。中性子照射によって水銀の同位体が金-197へと変化するという核反応は、過去にも研究されたことがある技術です。だとしても、現実には放射性物質を経由しなければならず、実際に安定した金として使えるようになるまで14年〜18年程度の保存期間が必要だとも指摘されています。そうした複雑なプロセスを経て得られる金が、はたして商業的に意味を持つのか、私には疑問が残ります。

金の価値と核融合の収益構造

もし仮に、核融合発電の副産物として純粋な金を安定的に生産できるようになったならば、それは産業界に大きなインパクトを与えることになるでしょう。特に、金は通貨の代替としての価値を持つだけでなく、電子部品や医療分野などで広く使われる貴金属です。その供給が核融合によってまかなえるようになれば、世界経済の構造に変化が起こるかもしれません。

しかし、そう簡単にはいかないのが現実です。金を大量に製造すれば、当然ながらその市場価格に影響が出ます。金の希少性に価値があるという事実を考えれば、供給が過剰になれば価格は下落し、発電事業の「収益が倍増する」といった予測は絵に描いた餅に終わる可能性もあります。

さらに問題なのは、核融合で生成される金がすべて安定同位体である保証がないという点です。中性子のフラックス(流束)が不安定な場合、金-198や水銀-198といった別の元素に再転換されるリスクがあり、計画的な金の収穫が困難になる可能性も否定できません。そうなれば、「金の製造」は単なる副産物にすぎず、発電の本質とはかけ離れた存在となるでしょう。

ここであらためて思うのは、科学の進歩とは地道な実証の積み重ねによってのみ信頼を得られるということです。奇抜な発想は人々の関心を引きつけますが、それが真実であるかどうかを見極めるのは、常に冷静な目と時間を要する検証作業なのです。

「現代の錬金術」に期待と不安

私個人としては、こうしたニュースには夢を感じつつも、冷静に現実を見つめる姿勢を大切にしています。科学の歴史を振り返れば、不可能とされたことが実現した例は数多くあります。飛行機、コンピュータ、宇宙開発――すべては最初「夢物語」から始まりました。だからこそ、今回のようなニュースにも一定の敬意を払うべきだとは思っています。

一方で、こうした技術が一部の企業の宣伝材料として利用されることにも注意が必要です。核融合は国家プロジェクトレベルで取り組まれるべき重要技術であり、研究開発の信頼性が損なわれれば、全体の信用を揺るがす結果になりかねません。未査読の論文を過大に報じること自体が、科学的な誤解を招く危険を孕んでいます。

現段階では、「核融合発電で金をつくる」技術は夢と現実の狭間にあると言えるでしょう。実用化には莫大な資金、緻密な設計、安全性の確保、そして長い時間が必要です。研究自体は歓迎されるべきことですが、それが「近未来に収益化される」といったような期待を煽るのは、やや性急すぎるようにも感じます。

この話に心を踊らせる人もいれば、胡散臭さを感じる人もいるでしょう。そのどちらの反応も自然であり、正解はありません。ただ一つ言えるのは、こうした話題が科学の関心を高める一助となるのであれば、それ自体には一定の価値があると私は考えています。

執筆:japannewsnavi編集部

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