「トイレットペーパーの寄付をお願いします」防衛予算が大幅増でも自衛隊員に回らない「笑えない現実」

FRIDAYデジタルでは、体を張って国を護る自衛隊員の衣食住が一般の人々が考えるよりずっと粗末な状況で不便な生活を強いられている現状を伝えてきた。最近発生した海上自衛隊の事故も、近年、悩まされてきた人員不足が遠因ではないか、と指摘する声もある。
 
 そんな中、ある一枚の写真が現職自衛隊員から送られてきた。 <各部隊は使用した分のトイレットペーパーの寄付をお願いします。そっと棚に置いてください> この掲示物でトイレットペーパーの補充は寄付に頼らなければならないことがわかる。一時的に消耗品がなくなったのではない。補充は自衛隊内の経費では賄うことができないため、ペーパーの寄付を各部隊の隊員に依頼するしかないということなのだ。 「そもそも、官給品(自衛隊が経費で買った)トイレットペーパーを退職するまで一度も見たことがないわ。毎月、給料日にペーパー代が徴収されていました。あれは官給品じゃないよな」と言う自衛隊OBもいた。
 
「最近、久しぶりにペーパーがない拠点に行きました。また元に戻ってますね」と言う現職隊員もいた。 筆者は自衛隊員が以前から足りなくなった分のトイレットペーパーを自費購入していたレポートを続けていた。その甲斐もあって、’18年11月1日、自衛隊記念日の衆議院予算委員会で立憲民主党の本多平直議員が自衛隊のトイレットペーパー自腹問題を指摘。当時の安倍晋三総理が「直ちに対処したい」と答えた。この後、自衛隊内にトイレットペーパーが充足していた時期があった。 やっと改善された、と思ったが、わずか5年余りで元の木阿弥になってしまったのだろうか。岸田文雄政権になって防衛予算は増えているが、自衛隊員の生活面の改善には回さないようになってしまったとしたら、残念でならない。
 
◆『予算がつかないから仕方がない』 トイレットペーパーだけではない。自衛隊員たちはほかの面でも不便な生活を強いられ続けている。若い独身の隊員が結婚など特別な理由がない限り、2年間の集団生活を義務づけられている「隊舎」内の洗濯機には、ふたの部分に〈無断使用禁止〉とあり、さらに注意書きとして、こんな文言が並ぶ。 〈フタの開閉は優しく行ってください。大変割れやすく修理の効かない部分です。故障や破損してもすぐに更新できる物ではありませんので物品愛護の精神でお願いします〉
 
「このような変な警告のような文言が自衛隊内には溢れており、感覚が麻痺している状況です。故障や事故を起こした車や器材が何年も修理できていないですし、部品が欠品で車検不合格の車もあるんです。 こんな状況が気にならないのでしょうか。そのことが不思議です。だって、『予算がつかないから仕方がない』という感覚なんです」 多くの人が使用する洗濯機などの「物品愛護」の精神は当然のことだが、洗濯機に貼られた張り紙には、故障しても修繕や買い替えができない厳しい台所事情が垣間見れる。だから、許可制での使用となるのだろう。たくさんの隊員が居住している環境下で、洗濯機を使用するために、いちいち許可をとってから洗濯機を使用しなければならないのは、さぞかし不自由だろうと想像できる。
 
さらに、自衛隊内には破損していて使用できないシャワールームや大浴場、エレベーターなどがたくさんある。使えないシャワールームやトイレは、下記の写真に示すように<使用禁止><入室禁止>の張り紙が貼られ、いつまでたっても修理されることはないという。 自衛隊は隊員の応募数不足に苦しんでいる。自衛隊の魅力を伝える広報で応募数を増やそうとしているようだが、まずは、隊員の職場環境を改善するほうが先ではないだろうか?現状のままでは、入隊直後に実情に失望して中途退職する隊員が大量に出てしまう可能性が高く、隊員不足の改善にはならない。 まず、最低限の衛生環境であるトイレットペーパーやトイレ、シャワールーム、洗濯機、寝具など自衛隊員の生活環境の補充環境の改善、壊れた設備の修理などからはじめなければ、人材確保は難しいだろう。
 
 
取材・文・写真提供:小笠原理恵 国防ジャーナリスト。関西外国語大学卒業後、フリーライターとして自衛隊や安全保障問題を中心に活動。19年刊行の著書『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。公益財団法人アパ日本再興財団主催・第十五回「真の近現代史観」懸賞論文で最優秀藤誠志賞を受賞。産経新聞社「新聞に喝!」のコラムを担当

引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/60e270a9fd89e5875d3bfa9925f62d34d783c719

みんなのコメント

  • しかし。。トイレットペーパー寄付って。。移民とか再エネとか要らないことに金を使わず、国のため尽力して下さる自衛隊の処遇改善に大きな予算を割くべきです。
  • 一方、国会議員は 年収4000万!
  • なんだかなぁ~
  • 予算配分がおかしいでございマッスル
  • ひどい話ですね
  • 明らかに回さないといけないのに 寄付行為も解禁した方が良いと思う。 つけなければいけない予算をつけないのなら仕方ないよね 寄付行為。
  • :(((;゚Д゚)))アリエヘン!! 予算を増やせ!
  • 回ってはいけなところにお金がいかない事を祈るだけ。製紙メーカーの篤志を募りたい。御協力お願い致します。
  • もうこんなことで自衛隊の皆さんに御苦労をかけるのは終わりにしましょう予算の項目として立派に成立する案件です
  • 自衛隊の皆様に感謝します

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