訴状などによると、シアウさんは2015年に来日。日本語学校を卒業後、パン製造の仕事をしていたが、慢性腎不全を発病し、19年から透析治療を開始した。週3回の透析が必要で、治療を受けられないと死亡する恐れがあるが、母国のガーナでは透析治療は富裕層しか受けることができない。

 現在は支援団体の働きかけで国民健康保険に加入し、無料で医療行為を受けられる。在留資格も治療のための「特定活動」に変わった。ただ、就労が許可されず、賃金を得ることが難しく、生活苦に悩んでいる。21年11月、同市に生活保護申請をし、同12月に却下された。

 判決後、シアウさんと代理人の及川智志弁護士(58)は記者会見し、控訴する方針を示した。及川弁護士は「非常に残念な判決。生活保護は生きる権利だから、全ての人に認められてしかるべき」と主張。シアウさんは「この裁判は自分のためだけじゃない。日本にいる障害のある外国人や日本人のためにも絶対に諦めない」と話した。