【いま酪農が危ない】26年度10万トン減、「298万トン」の衝撃[農協]

農業協同組合新聞の記事によると…

26年度生乳生産】5年連続減産、初の都府県300万トン割れか 

■26年度10万トン減、「298万トン」の衝撃

Jミルクの都府県生乳生産見通しでは、25年度308万6000トンが26年度は298万4000トンと約10万トンも減産となる。

都府県は経営規模が小さく、生乳生産の縮小が進んできた。これを大型経営が多い北海道がある程度補い、国産生乳の安定的な供給を支える構図だった。それが崩れてきた。26年度は都府県、北海道ともに減産となる。しかも、都府県は「298万トン」とついに300万トンの大台割れが予測される事態だ。

[中略]

■2歳以上搾乳牛が6000頭も減少

Jミルクが26年度都府県300万トン割れを見通す理由の一つが、生乳生産の源となる雌牛頭数の減少だ。

生乳生産は、酪農家戸数とともに、実際に飼養する乳牛頭数の動向が増減に直結する。特に実際に乳を出す搾乳牛の頭数が今後の生産を大きく左右する。戸数が減っても規模拡大し頭数を増やせば生産を維持できるからだ。

そこで乳用雌牛の今後の増減予測が生乳生産見通しの重要指標となる。Jミルク見通しでは、肝心の搾乳牛となる2歳以上(24カ月齢以上)の乳用雌牛が北海道で47万4000頭と前年度比2000頭増える一方で、都府県では34万1000頭と前年度比6000頭も減る見通し。離農が止まらず、生乳生産の”原資”となる搾乳牛も減少するダブルパンチが、都府県の生産現場では起きていることが分かる。

[全文は引用元へ…]2026年2月13日

Xより

【JAcom農業協同組合新聞さんの投稿】

引用元:https://www.jacom.or.jp/niku/news/2026/02/260213-87484.php

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japannewsnavi編集部の見解

300万トン割れが示す酪農現場の現実

Jミルクが示した26年度の生乳生産見通しは、私にとって小さくない衝撃でした。都府県の生乳生産量が298万4000トンと予測され、ついに300万トンの大台を割り込む可能性があるという事実は、日本の酪農の構造的な変化をはっきりと映し出しているように感じます。25年度の308万6000トンから約10万トンの減少という数字は、単なる統計上の上下ではなく、現場の厳しさの積み重ねの結果でしょう。

全国計でも25年度7389千トンから26年度は7258千トンへと減少する見通しです。これまで都府県の生産減を北海道が補い、全体としての需給バランスを保つ構図が続いてきました。しかし今回は北海道も減産予測となり、その前提が揺らいでいます。酪農経営は飼料価格、資材費、エネルギーコストなど多くの要素に左右されますが、近年の負担増は相当なものだったと推察します。とりわけ中小規模経営の多い地域では影響が大きいはずです。

食料安全保障の観点から見ても、国産の生乳生産が縮小する傾向は軽視できません。輸入依存度が高まれば、国際情勢や為替の影響を受けやすくなります。乳製品は日常的な食品であり、学校給食や家庭の食卓に欠かせない存在です。その供給基盤が弱まることは、消費者にとっても無関係ではないと感じます。今回の「298万トン」という数字は、単なる節目ではなく、日本の酪農が転換点に差しかかっていることを示す象徴のように思えます。

搾乳牛減少という重い現実

生乳生産を左右する最も直接的な要因は、実際に乳を出す搾乳牛の頭数です。Jミルクの見通しでは、2歳以上の乳用雌牛が北海道で前年度比2000頭増の47万4000頭となる一方、都府県では6000頭減の34万1000頭と予測されています。この差は決して小さくありません。離農が続くなかで、戸数の減少と頭数の減少が同時に進む状況は、まさに二重の負担といえます。

酪農経営では、戸数が減っても一戸あたりの飼養頭数を増やすことで総生産量を維持することが可能です。ところが、都府県ではその拡大余地が限られています。土地条件や環境規制、後継者問題など、複数の要因が絡み合っているためです。特に後継者不足は深刻であり、高齢化が進む中で経営の継続を断念する例も少なくないと聞きます。

さらに、乳牛はすぐに増やせるものではありません。子牛が成長し搾乳牛になるまでには時間がかかります。そのため、現在の頭数減少は将来の生産量に直結します。私はこの点に、より大きな不安を覚えました。数字の背後には、日々の労働や投資判断、そして家族の将来設計が存在しています。統計上の6000頭減という表現の裏側には、地域経済や雇用への影響も含まれているはずです。

長命連産への期待と課題

一方で、明るい材料も示されています。農水省が推進する長命連産の取り組みです。乳牛の淘汰サイクルを延ばし、できるだけ長く搾乳牛として活躍してもらうことでコスト削減を図る考え方です。5歳以上の乳用雌牛が都府県で増加見通しとなっている点は、その効果が徐々に表れている証左かもしれません。

また、2歳未満の若雌牛が前年度より数千頭増えていることも、将来への備えとして前向きに受け止められます。即効性はありませんが、時間をかけて生産基盤を立て直すための芽といえるでしょう。酪農は一朝一夕で結果が出る産業ではありません。長期的な視点と安定した政策支援が欠かせない分野です。

もっとも、これらの取り組みが十分に機能するかどうかは、経営環境の改善にかかっています。飼料価格の安定、適正な乳価、担い手確保など、解決すべき課題は多岐にわたります。私は今回の見通しを通じて、日本の酪農がいま岐路に立っていることを強く感じました。数字は厳しい現実を示していますが、同時に再生への可能性も含んでいます。現場の努力と政策の後押しがかみ合うことで、再び安定した生乳生産が実現することを期待したいと思います。

執筆::japannewsnavi編集部

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