フェンタニル密輸、「ボス」が執着した日本 見えてきた偽装のしかけ

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日本経済新聞によると…

フェンタニル密輸  「ボス」が執着した日本 見えてきた偽装のしかけ 米中「新アヘン戦争」の裏側 狙われた日本㊥

2025年6月27日 2:00

実行犯は「若い平凡な女性」

「私は無実です」。判事から罪状認否を迫られると、中国籍の陳依依(Chen Yiyi)は短く答えた。最後まで言葉少なだった。

陳は中国・武漢の化学品メーカー「Hubei Amarvel Biotech(湖北精奥生物科技)」の元幹部だ。

上司である王慶周(Wang Qingzhou)の通訳を務め、違法薬物の販売サイト設計も担っていた。数週間前に米当局が南太平洋のフィジーで王ともども身柄を押さえ、フェンタニル原料を米国に違法流入させた罪で起訴した。

(略)

「100%ステルス配送」保証

米国に対する新アヘン戦争で、Amarvel Biotechは決定的な役割を果たした。米当局はそうみて、関係者の摘発に動いた。

実際、ネット上に残るAmarvelの活動履歴からは巧妙な手口が浮かぶ。

「100%ステルス配送で、お手元まで安全にお届けすることを保証します」

Amarvelは複数の専門通販サイトを通じて危険薬物を扱っていた。過去のページ記録やSNSには、営業だけで少なくとも10人の担当者がいた形跡がある。英語やスペイン語など複数の言語を使って、積極的に禁制品であるフェンタニル原料をすすめていた。

(略)

フェンタニルを水面下でやり取りするため、Amarvelは日本、中国、米国に多くの兄弟会社を持っていた――。

(略)

無視できないのが日本との深いつながりだ。名古屋に法人登記する「FIRSKY株式会社」という企業が組織の司令塔だった可能性が浮かんできた。

(略)

ニューヨークで裁判がはじまり、そのボスの具体的な名前が明らかになる。「(日本にいる)Xia氏が責任者」「Fengzhi Xiaが投資するAmarvelなど4社で働いていた」。陳がこう証言したのだ。

取材班はフェイスブックや微信(ウィーチャット)など大量のSNS情報を分析にかけた。そして漢字で「夏(Xia)」姓の「Fengzhi Xia」という中国人男性を探し当てる。

(略)

武漢にある「富仕凱貿易」には100%出資し、法定代表者にもなっている。24年7月にはこの会社の監査役だった「王慶周」が突然退任した。米国で有罪になったAmarvelの王と同姓同名で、ニューヨークで裁判が進んでいた時期と重なる。

富仕凱は王が辞めると同時に、会社の事業内容も大きく変えている。それまで「貨物の輸出入、輸出入の代理、化学製品の販売」を掲げていたが、薬物の取り扱いをにおわすような一切の文言を消した。

(略)

FIRSKYが日本にこだわった理由が見えてきた。

日本製品の品質は世界でも折り紙つきだ。営業面で日本の持つ信用力やブランド力を利用しようとしていた形跡がある。

さらに日本はフェンタニルに関連した犯罪がほとんど確認されていない。原料の生産地として知られる中国、麻薬カルテルが暗躍するメキシコと違い、各国の捜査当局からも警戒されにくい。日本から送れば、税関が通りやすいとの指摘もある。

「日本は外国人が出入りしやすく、密売買ネットワークの拠点とするには最適な場所だ」

メキシコの「シナロア・カルテル」元幹部で、現在はDEAに協力するマルガリート・フロレスは指摘する。中国で麻薬犯罪は厳罰の対象だ。米国も当然厳しく取り締まっている。

だからノーマークで安全圏の日本へ。夏は名古屋のFIRSKYを通して、危険薬物の集配送や資金管理を指示していたとみられる。

[全文は引用元へ…]

以下,Xより

日本経済新聞 電子版さんの投稿】

引用元 https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00016320U5A600C2000000/

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みんなのコメント

  • 日経新聞でこの記事関わってる人達、マジでボディーガードつけてくれ!自宅で寝てる時も油断してはいけない!記事出せても安心しちゃいけない!日本政府が公式会見してアメリカが乗り込んでくるまで命大事にしてくれ!
  • 日本の官僚もがっつり絡んで、大捕物になりそうやな…。
  • これは日経お手柄w 文章から調査中の取材陣の興奮が伝わってくる
  • 日経でこんなに気合の入った社会派ルポルタージュを過去に読んだ記憶がない。米国で麻薬蔓延と聞いただけでは「そんなの日常運転でしょ」という感想しかないが、この記事では米中対立の大きな軸としてフェンタニルが位置づけられており、日本にとっても他人事ではないことが示されている。続報も期待。
  • 当然、CCPが関与していると疑うべきで、それを外して書いていれば、読む価値はない。超限戦の一つと分析する視点こそ重要。
  • 日本は世界の敵になっちまったな、 [中国]の僕の薬の売人💊、情けない
  • おーおー最終警告ですかね?
  • 日本なら捕まってもどうせ不起訴だと高をくくってたのかな。日本舐められすぎ。嘆かわしい。
  • これがザルだとこっちも危ないね。排外主義ではないが治安や国防上、スタッフは日本人限定(帰化人不可)にすべき。
  • これが以前トランプが投稿した「日本は全てを変えなければいけない。特にチャイナに関しては!」の意味だろう。関税の武器化と安全保障(主に対中共)はセットなのに石破政権は理解せず、関税率の枝葉末節議論のみだからヒラ大臣が何回渡米しても埒があかない。
  • 今年2月に麻薬密輸容疑者の氏名文書が紛失されたニュースが有りました。輸出なんて税関の関わる犯罪を財務省が知らないワケがない
  • 「日本は外国人の出入りがしやすく密売買の拠点にするには最適」「ノーマークで安全圏の日本」➞舐められてますねー。外国人の法人登記や経営・管理ビザ取得には厳格を極めるべきですね。
  • 私見…厳しい状況に
  • 有意義なニュースありがとうございます 国やメディアがガン無視出来ない状況になるまで、続報・詳細の公報よろしくお願い致します
  • 日経は最近二流以下の記事しかなかったのに急に覚醒したな。
  • 「日本は外国人が出入りしやすく、密売買ネットワークの拠点とするには最適な場所だ」。すごい国になったものだ。
  • 民放では全然報道しない これ絶対どこかの議員関わっているだろう なあ自民党!岩屋!!
  • 日本から送れば、税関が通りやすいの一文。日本のパスポートであれば海外への入国もスムーズであった。(過去形) 日本人が築き上げてきた世界への信頼はヤツらによってズタズタにされている。
  • 人権よりも、悪を討伐する方を優先させないとダメよね。敵国特亜の対策も…日本が世界の敵になってるもの( ºωº ;):
  • これ輸出だけなのかな?ドッグフードとか日本国内は大丈夫?さらに輸出に絞るなら輸出還付金とか貰ってるのでは? 多重構造の組織化も非常に悪質だし、「密売買に最適な場所」と思われる時点でかなり薬物に対して甘いんだろな。密売外国人不起訴にしてて大丈夫なの? 色々問題だわ

japannewsnavi編集部Aの見解

見逃されていた「日本経由」という構図

私はこの報道を読み、改めて日本が国際犯罪の「抜け道」として狙われていた現実に戦慄を覚えました。米中の対立構造の中で起きている「新アヘン戦争」と称されるフェンタニル密輸。これまでは主にアメリカと中国、あるいはメキシコといった国々が関係するとされてきましたが、今回の件ではっきりと「日本」がその中継地として組み込まれていたことが明らかになったのです。

中心にいたとされるのは、中国・武漢の化学企業Amarvel Biotech。そして、驚くべきことにその活動の拠点のひとつが名古屋に登記されていた「FIRSKY株式会社」だったという事実。SNS上の情報、米国での裁判証言、企業の変遷、そして王慶周と夏氏という実名がつながる形で浮かび上がる構造は、ただの憶測ではなく、明確な証拠に基づいたものです。

しかもこのFIRSKYという企業が、フェンタニル原料を扱っていたAmarvelの指揮系統に位置していた可能性があるというのですから、これはもはや「偶然」や「一部の不心得者の犯罪」では済まされない次元の話だと思います。

日本の制度とイメージを逆手に取る手口

私がとくに問題だと感じたのは、フェンタニル密輸ネットワークが日本を利用した理由です。それは、日本という国が持つ「信頼性」や「製品品質」といったイメージが逆に悪用されたこと、そして犯罪組織がそれを冷静に計算していたことです。

フェンタニルは極めて危険性の高い薬物であり、アメリカでは年間10万人規模の死者を出す麻薬危機の中心にあります。それにもかかわらず、日本ではこの問題への危機感が極めて薄く、制度的にも取り締まりが後手に回っているように感じます。たとえば、日本から発送された荷物に対しては他国の税関が油断しがちであるという指摘は、事実であれば重大な国家的盲点です。

また、日本に住む中国人ネットワークを活用し、日本法人を登記し、表向きは無害な化学製品会社を装うやり口も悪質です。こうした“表と裏の使い分け”が容易にできてしまう環境が日本にあることは、フェンタニルのような犯罪を誘発する土壌が整ってしまっていることを意味します。企業登記制度の見直し、外国人による法人設立の実態調査、薬品取引の透明化など、対策を講じるべき点は多岐にわたります。

加えて、報道にあるようにFIRSKYは事業内容を「輸出入・化学製品販売」から突然変更しています。これは取り締まりを避ける意図があるとしか思えず、組織的に行動している証左ではないでしょうか。

日本が甘すぎると世界に知られた日

私が最も重く受け止めたのは、犯罪組織が「日本はノーマーク」「出入りしやすい」「拠点に最適」と明確に判断していたことです。これは裏を返せば、私たちの国の管理体制が甘く見られているということです。しかもそれが国際的な犯罪に利用されてしまったとなれば、もはや看過できる問題ではありません。

メキシコの元カルテル幹部が語った「日本は密売ネットワークの拠点に最適」という言葉は非常に重く、日本政府はこれを“警告”として真摯に受け止めるべきです。観光立国や経済開放という政策が進む中で、治安や制度が外国勢力の活動に無防備な状態で開かれていることは、長期的に見て国益を著しく損なうことになります。

今こそ、日本が“安全で清潔な国”という幻想の上に胡坐をかく時代は終わらせるべきです。海外の犯罪組織は、日本が「安全」なのではなく、「反応が鈍い」ことを理解しているのです。国家としての安全保障は、軍事だけではなく、経済・医療・薬物・情報すべてに通じています。フェンタニルのような毒性の強い薬物が日本を経由して流通している現実を目の前にした今、私たちは対岸の火事として傍観するわけにはいきません。

報道によって明らかになった事実は重く、そして何より「日本が選ばれていた」ということの意味を深く噛みしめるべきだと感じました。

執筆:編集部A

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