小池知事、都民の税金3,000億円超投入で脱炭素アピール 環境団体は称賛、肝心の効果は不明

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アセアンポータルによると…

環境でビジネスの団体が小池知事を称賛、知事は都民税負担等で脱炭素に3,000億円投入

東京都の小池百合子知事は、都民らの税負担により3,000億円を投入し世界のモデルとなる脱炭素都市を目指しているが、環境をビジネスとしている環境非営利団体CDPが小池知事を称賛していることが明らかになった。

国際的な環境非営利団体CDPは、環境分野を対象としてビジネスを行っている団体である。CDPでは、投資家の要請によって企業への質問書を送るが、企業が質問への回答を行う場合、回答事務費用がかかる。日本における2025年の6月17日時点での回答レベルと費用は、「Foundation fee」が31万円「Enhanced fee」が74万円となっている。そのため、一部の企業では回答費用と手間がかかることから、敬遠されている状況でもある。

今回は、CDPのシェリー・マデーラ最高経営責任者が6月5日に小池知事を表敬訪問した。小池知事は、「世界は気候危機に直面しており、脱炭素化は急務。自治体は最前線に立っており、最も影響を受ける。また、都民・国民・市民の命と健康、財産を守るのは大変重要。2050年のゼロエミ達成に向け、2035年までにGHG(温室効果ガス)を2000年比60%以上削減する新しい目標を掲げている。CDPシティへの参加、日本支部との協力を継続し、あらゆる取組を戦略的に進める。そして、世界のモデルとなる脱炭素都市を目指す」との旨を述べた。

マデーラ氏は、「Aリストのステータス取得おめでとうございます。CDPのAリスト取得は大変難しく、東京都は4年連続で達成。小池知事は常にイノベーションの方法を考えていることを知っている。今後もより良いパートナーシップをお願いしたい」との旨を述べている。

なお、東京都の令和7年度予算では、「世界のモデルとなる脱炭素都市」を実現するとして、約3,011億円を投入するとしている。しかしながら、この様な脱炭素事業を実施しても、具体的には何度温度が下がるかは、東京都議議会で上田令子議員が都職員に質問しても具体的には答えていない状況である。

[全文は引用元へ…]

広報東京都によると…

7年度予算案の主な事業

世界のモデルとなる脱炭素都市 3,011億円

〈拡充〉次世代型ソーラーセルの普及拡大

日本発の軽量・柔軟な次世代型ソーラーセルの社会実装を促進するため、開発支援に加え、都有施設への先行導入や民間事業者に対する集中支援を行い、量産化に向けた需要創出を推進するとともに、普及啓発を推進する広報を実施

次世代型ソーラーセルの一例の画像
次世代型ソーラーセルの一例(フィルム型)
画像提供:積水化学工業株式会社

〈新規〉島しょ地域における再エネ導入促進事業

再エネ設備の輸送費などの初期費用が割高な島しょ地域において、発電量に応じて補助を実施することで、再エネ利用の割合を向上(補助単価:12円/キロワットアワー)

〈新規〉グリーン水素【注1】の産業利用促進事業

化粧品等化学分野で東京都産グリーン水素を原料として利用するパイロット事業を実施し、取り組みや成果を発信するほか、肥料製造等の分野での利用可能性を調査

【注1】再生可能エネルギー由来の電力を利用して、水を電気分解し生成される水素

〈新規〉ゼロエミ住宅・報告書制度推進事業

省エネ効果の高い「東京ゼロエミ住宅」の基準を満たす新築住宅の整備促進(戸建住宅の場合:最大240万円を補助)や、住宅供給事業者(中小企業者)への開発支援、地域工務店等への技術向上支援等を実施

〈新規〉賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業

省エネ性能の診断キャンペーン展開(診断に係る経費:補助率10分の10、上限120万円/棟)や、コンシェルジュによる賃貸オーナー向けの伴走型支援に加え、断熱改修(窓の場合:補助率3分の2、上限30万円/戸)までを切れ目なく支援し、賃貸住宅の断熱化を加速

〈新規〉グローバルサウス 【注2】のGX促進プロジェクト

GX関連の優れた技術やビジネスモデルを持つ都内企業と、グローバルサウスの企業とのマッチングや現地での事業展開を伴走支援することで、グローバルサウスの脱炭素化に貢献するとともに、都内企業の成長も推進

【注2】アジア・アフリカ・中南米などの新興国や発展途上国の総称

以下,Xより

アセアンポータルさんの投稿】

引用元 https://portal-worlds.com/news/asean/36895
    https://www.koho.metro.tokyo.lg.jp/2025/03/03_05.html?utm_source=chatgpt.com

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japannewsnavi編集部Aの見解

脱炭素都市への挑戦は意義深いが、都民への説明は不可欠

東京都の小池百合子知事が推進する「脱炭素都市」政策に対し、環境非営利団体CDPからの評価が高まっているという報道を見て、まず私が感じたのは、東京が国際都市として世界の先頭を走ろうとしている姿勢自体には一定の意義があるということです。特に、気候変動対策や温室効果ガス削減は、もはや一部の国や業界だけの課題ではなく、私たち全員が無関係ではいられない問題となっています。

小池知事が掲げた「2035年までにGHGを2000年比で60%削減」という目標は、確かに野心的ですし、それを可能にするために約3,000億円の予算を投入するという判断も、国際社会の一員としての姿勢としては一見評価できます。CDPのような国際団体から4年連続で最高評価のAリスト入りを果たしたという事実も、都の取り組みが一定の成果として評価されている証といえるでしょう。

しかしながら、その一方で、「ではその3,000億円がどのように使われ、どれほどの効果をもたらすのか」という根本的な問いに対して、都の答えがあまりにも曖昧であることには、大きな不安を感じざるを得ませんでした。都議会での上田令子議員による「気温が何度下がるのか」という質問に、都の職員が具体的に答えられなかったという指摘は、まさに都民の感覚に直結する部分です。

いくら高尚な理念を掲げても、それが現実の生活や経済にどう関わってくるのかが見えなければ、都民の理解と納得は得られません。特に、都民税などの負担を背景にした事業であればなおさらです。脱炭素という大義が先行し、具体的な成果や検証が後回しになっているとすれば、慎重に見直す必要があると感じています。

環境対策を“ビジネス”とする仕組みにも懸念

CDPという団体自体についても、私は今回の報道で改めて関心を持ちました。企業や自治体に対して「環境対応」を評価し、A〜Dなどのランク付けを行う一方で、質問への回答には数十万円単位の費用がかかるという点は、いわば「環境認証ビジネス」とも言える性格を持っています。

確かに、企業や自治体の環境対応が可視化されることには意味があります。しかし、評価の前提となる仕組みそのものが“費用を支払って参加するもの”であり、さらにそのステータスが国際的な「ブランド」のような価値を持つとなれば、逆に言えば“環境対応にもお金が物を言う時代”に突入しているようにも思えてしまいます。

東京都の政策が、純粋に環境を良くするための施策であればよいのですが、仮にCDPのような団体の評価を獲得すること自体が目的化してしまえば、本末転倒です。「Aリスト入りしました、だから成功です」という論法では、都民の理解を得るのは難しいと思います。

また、CDPは国際的には企業のESG投資の文脈でよく語られますが、日本ではまだ一般に広く知られているわけではありません。その評価基準や透明性について、都民にきちんと説明されていないまま、「国際評価機関が誉めているからすごい」という方向に話が流れてしまうと、民主的な合意形成の手続きを無視した行政運営につながる恐れがあります。

「世界のモデル都市」ではなく、「都民のための東京」に

私が最も強く感じるのは、脱炭素化やGX(グリーントランスフォーメーション)といった大きなキーワードが飛び交うなかで、「誰のための政策なのか」が見えにくくなっていることです。もちろん、気候変動はグローバルな課題であり、世界に先駆けた都市モデルを示すことには意味があります。ただ、それを支えているのが都民の税金である以上、最優先されるべきは「東京に住む人々の暮らし」であるべきです。

仮に脱炭素に成功したとしても、それによって電気代が上がったり、事業者に過度な負担が生じたりすれば、本末転倒です。また、太陽光パネルの設置義務化なども含め、過度に規制的な手法が取られると、都市の自由な経済活動や建築の多様性を損なうことにもつながりかねません。

私は、環境対策は「急進的」ではなく「現実的」であるべきだと思います。たとえば、建物の断熱改修への補助、エネルギー効率の良い設備の導入支援、都市型再生可能エネルギーの研究促進など、小さな積み重ねこそが持続可能性につながります。そのような実効性のある施策が、3,000億円の中身として語られるのであれば、もっと説得力があるのではないでしょうか。

「世界のモデル都市」になるという言葉は確かに響きが良いですが、私はそれよりも「都民が安心して暮らせる東京」であってほしいと願っています。国際社会に向けたメッセージよりも、足元の市民の声に耳を傾けてほしい。脱炭素を看板に据えた大規模予算の投入に、今こそ透明性と説明責任が求められていると強く感じました。

執筆:編集部A

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