知られざる中国語プログラミング言語「易語言」、マルウェア開発に悪用される事例が発覚

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ZDNET Japanによると…

知られざる中国のプログラミング言語「易語言」とは–マルウェア開発に悪用も

 「Mind」「なでしこ」「プロデル」といった日本語プログラミング言語が存在するように、「易語言(Easy Programming Language、EPL)」という、命令や変数に中国語を用いるオブジェクト指向プログラミング言語も存在する。中国語の「易」の発音は英語の「E」と同じであり、元々は「E語言」、つまり日本語で「E言語」と称されていた。

 中国は、海外製品に頼らず自立できる体制を築くため、これまで多様なインターネットサービスやハードウェアを開発・提供してきた。

(略)

2025年4月、易語言に関するあるニュースがひっそりと報じられたのだ。セキュリティ会社の火絨セキュリティセンターによると、中国でインターネット検閲を回避するために用いられるプロクシツール「Clash」を装ったマルウェアが拡散しており、そのプログラムの作成に易語言が利用されていたという。

 同センターによると、このマルウェアはインストール時にコマンド&コントロール(C2)サーバーとの通信を行い、機密情報を窃取するための永続的なバックドアを仕込むという。ちなみに、2023年11月には、Clashや関連ツールが配布されていたGitHubリポジトリーから、それらのツールが削除されている。このように、不穏な出来事の背景にも、懐かしのプログラミング言語が関わっていたのである。

[全文は引用元へ…]

以下,Xより

山谷剛史さんの投稿】

引用元 https://japan.zdnet.com/article/35233418/

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japannewsnavi編集部Aの見解

中国独自のプログラミング言語「易語言」とは何か

私は今回、「易語言(Easy Programming Language、EPL)」という中国のプログラミング言語について初めて知り、非常に興味深く感じました。これまで日本語プログラミング言語としては「なでしこ」や「プロデル」などの存在は耳にしたことがありましたが、中国でも同様に母語をベースにした言語が存在するとは思っていませんでした。

「易語言」は、変数名や命令文などが中国語で記述できる仕様になっており、中国語話者にとっては学習のハードルが低いという利点があります。そもそも「易」の字は英語の「E」と同じ発音で、当初は「E言語」と呼ばれていたという経緯も面白いと感じました。背景には、中国が海外技術に依存しない体制を築こうとする国家戦略があり、ソフトウェア開発の分野でも自主路線を強めていることが伺えます。

中国では検索エンジンに百度(バイドゥ)、SNSに微博(Weibo)、そして動画配信にBilibiliと、自国製のサービスが多く存在しています。さらに最近では、スマートフォンに搭載する自社製OSや独自開発のCPUなど、アメリカの製品に依存せずに技術基盤を固めようという動きが加速しています。プログラミング言語という根幹技術も例外ではなく、「易語言」はまさにその象徴と言えるでしょう。

マルウェアとの関係が示すもう一つの側面

しかしながら、易語言について調べていくうちに、私の中で少し心配になる出来事も見つかりました。それは、2025年4月に報じられたマルウェアに関するニュースです。セキュリティ会社の火絨セキュリティセンターによると、「Clash」というプロクシツールを偽装したマルウェアが中国国内で拡散しており、その開発にこの易語言が使用されていたとのことです。

そのマルウェアは、インストール時にC2(コマンド&コントロール)サーバーと通信を行い、ユーザーの情報を不正に取得するというもので、永続的なバックドアまで仕込まれていたとされます。このような悪用例を知ると、いくら国産技術であっても、その使い方次第で大きなリスクになりうるのだということを改めて実感させられます。

サイバーセキュリティという観点から考えても、これは見過ごせない問題です。実際に、このマルウェアはGitHubなどのプラットフォームを通じて配布されていたツールを装っていたため、信頼できる情報源からしかソフトウェアを入手しないという基本原則の重要性を再確認する機会にもなりました。個人的には、開発言語の存在自体が問題なのではなく、それがどのように利用されているのか、その運用の在り方が問われるべきだと考えています。

言語の独自性と国家戦略の裏に潜む課題

最後に、易語言の存在から垣間見える国家の思惑について、私はもう一歩踏み込んで考えてみたいと思います。言語というのは単なるツールではなく、文化や思想の表現手段でもあります。自国語をベースにしたプログラミング言語を普及させることで、教育の現場でも英語に依存せずに開発スキルを身につけることが可能となり、技術的な自立が加速します。これ自体はある種の理想形と言えるかもしれません。

ただ、その一方で、国際社会との技術的な接続性、すなわち互換性や透明性の観点からは、やや閉鎖的になってしまう懸念もあります。特に今回のように、その技術が悪用される例が出てくると、国産技術のイメージにも影響を与えてしまう恐れがあります。これは中国だけでなく、どの国においても同様のリスクがあり、技術と倫理のバランスをどのように保つかが問われてくるのだと思います。

また、開発者が自由に使える言語であっても、ダウンロードの際に中国国内の電話番号が求められるなど、利用に一定の制限があるという点にも注目しました。技術の民主化が謳われる中で、こうした制約は利用者の幅を狭めてしまうことにもつながります。利便性と統制、この両者のバランスをどのように取るのかというのも、今後の重要な論点になるでしょう。

今回、私は初めて易語言という存在を知り、そこから中国の技術政策やサイバーセキュリティの現状、そして開発環境の多様性に至るまで、さまざまな視点で考えることができました。特定の技術を評価する際には、その背景や使われ方、そして倫理的な側面までも含めて、広い視野で判断する姿勢が求められていると感じます。技術はあくまで道具であり、それをどのように扱うかこそが、私たちの未来を左右する大きな鍵になるのではないでしょうか。

執筆:編集部A

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