
アセアンポータルによると…
環境省は、遺伝子組換えダイズ及びテンサイの第一種使用等に関する承認に先立っての意見募集(パブリック・コメント)を4月11日から5月10日まで実施していることが明らかになった。
環境省では、カルタヘナ法に基づき、遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認申請があり、生物多様性影響に関して学識経験者から意見を聴取した。結果、申請に係る遺伝子組換え生物等を第一種使用規程に従って使用した場合には、生物多様性影響が生ずるおそれがないと認められたことから、主務大臣である農林水産大臣及び環境大臣が承認することを予定しているが、広く国民の皆様からも意見を募集することとなった。
申請が行われているのは、申請者がアメリカに本社を置くコルテバ・アグリサイエンス日本株式会社の『高オレイン酸含有並びに除草剤アセト乳酸合成酵素阻害剤、アリルオキシアルカノエート系、グリホサート及びグルホシネート耐性ダイズ』と『チョウ目害虫抵抗性ダイズ』、申請者が欧州系のSCC Scientific Consulting Company Japan株式会社の『除草剤グリホサート及びグルホシネート耐性ダイズ』、申請者がドイツ系のバイエルクロップサイエンス株式会社の『除草剤グリホサート、グルホシネート及びジカンバ耐性テンサイ』となる。
なお、遺伝子組み換え農作物の安全性に関しては、人体に害をもたらす、環境に悪影響をおよぼすなどの懸念の声が一部からはあがっている。日本政府としては、食品としての安全性(厚生労働省が担当)、飼料としての安全性(農林水産省が担当)に関しては、それぞれの法律に基づき科学的に評価を行っているとしている。
[全文は引用元へ…]
環境省HP等・要約
- 環境省は、遺伝子組換えダイズ・テンサイの第一種使用等に関する承認に先立ち、パブリックコメントを2025年4月11日~5月10日まで実施中
- 対象はグリホサートなど複数の除草剤耐性を持つダイズ・テンサイ、および害虫抵抗性の品種
- 学識経験者の意見により、生物多様性に悪影響はないと判断
- 意見募集後に、農林水産大臣と環境大臣が承認予定
- 主な申請者は、
- コルテバ・アグリサイエンス日本(アメリカ本社)
- SCC Scientific Consulting Company Japan(欧州系)
- バイエルクロップサイエンス(ドイツ系)
- 承認予定の品種は:
- 除草剤グリホサート・グルホシネート・ジカンバ耐性テンサイ
- 高オレイン酸含有および害虫抵抗性ダイズ
- 一部からは、健康や環境への影響を懸念する声も上がっている
- 食品・飼料としての安全性評価は、厚労省・農水省が科学的に対応中
■ (出典)
- 環境省|遺伝子組換えダイズ・テンサイの第一種使用に関するパブリックコメント実施について
https://www.env.go.jp/press/press_02997.html - e-Gov(電子政府の総合窓口)|意見提出フォーム(環境省:遺伝子組換え生物の使用規程に関する案件)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195240031&Mode=0
分かりやすく解説
- グリホサートは、草をまとめて枯らすための強力な除草剤
- 通常の作物はグリホサートをかけると一緒に枯れてしまう
- そこで「グリホサートをかけても枯れない作物」を作るために、遺伝子を人工的に組み換えた
- これが「グリホサートに耐性を持つ遺伝子組換え作物」
■ なにが便利なの?
- 雑草だけを枯らして、作物は無傷で育てられる
- 農作業の手間やコストを減らせる
■ でも心配されていること
- 除草剤が多く使われすぎて環境に悪影響が出る心配
- グリホサートに強い雑草(スーパー雑草)が出てくる可能性
- グリホサートが健康に悪いのでは?という疑い(発がん性の議論も)
■ 今、何が起きてるの?
- 外国の企業が「日本でもこの作物を使わせて」と申請
- 政府は「生物多様性に影響はなさそう」として承認予定
- でも、国民の意見を募集するためにパブリックコメントを実施中(4月11日〜5月10日)
グリホサートの海外での禁止・規制状況まとめ
- ドイツ
公共の場や家庭用での使用を禁止。農地での使用も段階的に制限。2024年から本格的な規制開始。 - フランス
公共の場所での使用を禁止。家庭用も販売規制。農業現場でも段階的な削減が進行中。 - メキシコ
2020年に「2024年までに全面禁止」を発表したが、2024年に入り禁止は延期された。 - ベトナム
2019年に全面禁止を決定。健康・環境への影響を理由に厳しい措置。 - ルクセンブルク
2020年に禁止を発表したが、EU法の影響により撤回。現在は制限付き使用。
世界的に見ると、グリホサートの使用に対して慎重・規制強化の流れが進んでいます。
一方で、日本では今回、こうした成分に耐性を持つ作物の国内導入が検討されているため、逆行する動きと捉える声も出ています。
以下,Xより
【アセアンポータルさんの投稿】
外資系による日本での遺伝子組換え農作物が進む、危険との声には安全性は評価しているとhttps://t.co/HmY7mTOZMC
— アセアンポータル (@portal_worlds) April 16, 2025
引用元 https://portal-worlds.com/news/asean/36387
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japannewsnavi編集部Bの見解
グリホサート耐性作物の拡大と日本の農業への懸念
環境省が現在実施しているパブリックコメントの対象となっている「グリホサート等耐性の遺伝子組換え作物」の国内承認に向けた動きは、今後の日本の農業に大きな影響を与える可能性をはらんでいる。除草剤に強い遺伝子組換えダイズやテンサイの導入が進めば、耕作地の管理は効率的になる一方で、その背後には外資系企業による市場支配の懸念や、環境・健康面での長期的なリスクが存在する。
特に今回申請している企業は、いずれも海外に本拠地を置くグローバル農薬・種子企業であり、コルテバ・アグリサイエンス(米国)、SCC Scientific Consulting(欧州)、バイエルクロップサイエンス(ドイツ)の3社となっている。こうした企業が日本の法制度のもとで使用承認を得ようとしているという事実は、単なる技術導入という枠を超え、外資による日本の農業インフラへの深い関与とも言えるだろう。
遺伝子組換え技術そのものの是非についてはさまざまな意見があるが、グリホサートのような強力な除草剤との組み合わせは、やはり慎重に見極めるべきではないかと私は感じる。日本はこれまで、土壌や水、自然との共存を重んじて農業を続けてきた国だ。その文化や価値観を、利便性や短期的な経済効果だけで簡単に変えてしまってよいのか、国民全体で考える時期に来ているように思える。
世界で進むグリホサート規制と日本の現状
グリホサートは、その効力の強さから世界中で使われてきた除草剤だが、その一方で発がん性や生態系への悪影響が疑われるとして、多くの国が使用を制限または禁止する流れにある。たとえば、ドイツでは公共の場や家庭用での使用を原則禁止としており、農業での利用も段階的に減らしていく方針を取っている。フランスでも同様に家庭用の販売は制限されており、メキシコでは一度全面禁止を打ち出したものの、その後延期されるという経緯がある。
このようにグリホサートの扱いについては、各国が「将来的には使わない方向」で模索しているのが実情だ。しかし、日本はその流れに逆行するかのように、今まさに耐性作物の承認に向けて動いている。これは外資系企業の申請だからという理由だけではなく、農薬と作物がセットで輸入・普及されるという構造そのものが、国内農業の自主性を損なう恐れがあるからだ。
しかも、今回の申請作物には、グリホサートだけでなく、ジカンバ、グルホシネートといった複数の除草剤への耐性が組み込まれている。これは一見すると農業の効率化に資するように見えるが、現場では薬剤使用量の増加や、耐性雑草の発生といった副作用が報告されている。仮にこうした作物が普及すれば、より強力な薬剤を求める悪循環に陥る危険性も否定できない。
私たちが守るべき“食の独立”
私がこの問題で強く危機感を持っているのは、「食の独立性」が危うくなるという点にある。種子法の廃止以降、日本では公的な種子の保護が薄れ、民間企業、特に外資に依存する構図が進んでいる。今回のような遺伝子組換え技術と農薬が一体化した製品が普及すれば、農家は企業が提供する特定の資材に頼らざるを得なくなり、栽培の自由度は低下していくだろう。
また、消費者にとっても「知らないうちに遺伝子組換え食品を口にしている」状態が広がることへの不安は根強い。表示義務やトレーサビリティの制度が不十分なまま流通が拡大すれば、透明性が損なわれる可能性がある。国民の健康と環境、そして農業の未来に関わるこうした重大な問題を、企業の申請と行政の承認だけで進めてよいはずがない。
現在行われているパブリックコメントは、一般国民の意見が国の意思決定に反映される貴重な機会である。多くの人にこの問題を知ってもらい、声を届けていくことが必要だと強く思う。食料安全保障や持続可能な農業の観点からも、今回の遺伝子組換え作物の承認が日本にとって本当に必要なのか、しっかりと見極めなければならない。
執筆:編集部B



























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