備蓄米が消えていく…「コメの値段は下がらない」備蓄米の9割を”国内屈指の利益団体JA”に流す農水省の愚策

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PRESIDENT Onlineによると…

国民はJA農協が「儲かる値段」で買わされ続ける

山下 一仁
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

石破茂首相が政府備蓄米を追加放出するように農林水産省に指示した。放出は7月まで毎月実施する。今度こそコメの値段は下がるのか。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「政府備蓄米の売り先はJA農協だ。JA農協が卸売業者に販売する相対価格を決めている。この相対価格が下がらない限り、小売価格は下がらない」という――。

備蓄米放出後も価格上昇が止まらないワケ

 備蓄米を21万トン放出しても、コメの値段は下がるどころか上昇している。  

農水省の調査でも13週連続して値上がりして3月末には5キログラムで4206円に高騰している。1年前の2000円程度の水準から倍増である。とうとう石破総理の指示で、農水省は7月まで10万トンずつ備蓄米の放出を行うことを決めた。私にはマスコミからこれでコメの値段は下がるのかという問い合わせが来ている。  

私の答えは、「3400円くらいには下がるが、それ以下にはならないだろう」というものだ。エコノミストの株価や為替の予想と同じで当たるかどうか分からないが、根拠を示しておこう。  

私は昨年から、今回の米価上昇は、24年産米を昨年8〜9月に40万トン先食いした結果、本来同年産が供給される24年10月から今年9月までの供給がその分減少したからだと説明してきた。  

現に今年の2月まで民間の在庫は前年同月比で40万トン程度減少している。政府が既に放出した21万トンに加え、4月、5月に10万トンずつ放出すれば、40万トンの不足は解消される。消費者が購入するコメの値段は1年前の2000円程度まで下がるはずである。  

しかし、既に21万トン放出したのにコメの値段は逆に上昇している。備蓄米を追加放出してもコメの値段は下がりそうにない。

それは、農水省の備蓄米放出に米価を下げないカラクリが巧妙に用意されているからだ(「この人に任せればコメ価格は下げられる…農政の専門家が名前をあげるJA農協にメスを入れられる唯一の人物」参照)。

JAの「仕入れ値」と「売値」

一つは、消費者に近い卸売業者や大手スーパーではなく、米価を低下させたくないJA農協(全農)に備蓄米を売り渡したことである。その量は、放出された備蓄米の9割を超える

米価は需要と供給で決まる。備蓄米を放出しても、その分JA農協が卸売業者への販売を減らせば、市場への供給量は増えない。また、JA農協が備蓄米を落札した値段は60キログラム当たり2万1000円である。これより安く売ると損失を被るので、これ以上の価格で卸売業者に販売する。

もう一つは、1年後に買い戻すという前代未聞の条件を設定したたことである。米価の上昇によって、農家は25年産の主食用米の作付けを増加させることが予想される。しかし、7月まで売り渡す予定の備蓄米61万トンと同量を市場から買い上げ隔離すれば、1年後も米価は下がらない。そもそも、放出して買い戻すのであれば、市場への供給量は増えない。備蓄米の放出には、米価を下げないという農水省の意図が隠されているのだ。

[全文は引用元へ…]

以下,Xより

POTECOさんの投稿】

引用元 https://president.jp/articles/-/94313

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みんなのコメント

  • 令和6年の米の生産量 679万トン JAの買った備蓄米の量 13万トン こんな微量で米全体が高くなる訳ないよね
  • 仕入れと販売価格がいまいちわからないですが、そもそもの意味から変わってしまってますよね。 保険とか金融で大きくなりすぎで米がぞんざいに扱われているというか。
  • 見返りが・・・😅あるとか、ないとか・・・😡
  • 備蓄米って今年の新米で補充するから、もう一生下がらないんじゃないか?
  • 国内最大の食料系転売ヤー
  • 落札に国民も出来るようにすれば良い。 我が家は取り敢えず50kg。送料は負担します。
  • そりゃそうだよ。農水省もJAも米価を引き上げたいんだから…、米価を引き下げないように備蓄米も放出をギリギリまで拒んでたし、放出時にも米価を引き下げないように放出してる。
  • JAが価格上げて中抜きしてるんやろ‼️😡
  • ヤッパリ、JAだよな。
  • つまり、JAがピンハネしてるってことなん?
  • お米、売られていないですか? 今年の田植えはまだです 次の稲刈り(集荷)までお米を切らすわけにはいかないのです 昨年は稲刈り前に米不足との話が出回り、農家からの直買いや買いだめのせいでJAの集荷量が少なかったようなので 出荷調整をされていると思います
  • 農林中金が米債の評価損でダメージ負ったから米の価格アップや!
  • 地元の農家さんが嘆いていました…農業が持っていってしまうと…
  • JAも利権団体なのね。
  • そりゃ、自分とこの組合員が作った米を買い戻してるだけなんだから、問題ないでしょ。そもそも保管してる倉庫はJA倉庫である事が多いし。
  • 米が高いのは堂島の米先物相場を操作するため店頭に出荷制限かけて価格を釣り上げてるから
  • JAって転売ヤーでしょ?
  • 流す農水省が流す鼻水省に見えた😳やっぱ疲れてるな、わたし。
  • JAと取引してない中間業者は分けてもらえないんだから、値段が安定に安くなることないわな。
  • そりゃ天下り先で、もうズブズブなんだろ ピンハネしたの全部ポケットに入れてる

japannewsnavi編集部Aの見解

コメの値段が下がらない本当の理由とは

私は最近のコメ価格の高騰について、非常に強い疑問を感じています。政府が備蓄米を21万トンも放出したという報道を受け、当然ながら「これで米価は下がるだろう」と思ったのですが、現実には逆に価格が上昇し続けている。なぜこのようなことが起きるのか、その背景を知れば知るほど、納得のいかない仕組みに怒りすら覚えました。

「備蓄米放出」のカラクリ──国民に届かない政策

政府が米価抑制のために放出したという備蓄米のうち、実に9割以上がJA農協に売られていたという事実は衝撃でした。国民のための備蓄米が、なぜ消費者に直接届かず、国内最大の利益団体に集中するのでしょうか。結果として、小売店に並ぶコメの価格は下がるどころか上昇。この構図はどう見ても、国民ではなく特定組織の利益を優先した政策としか思えません。

さらに驚くのは、その米が実質的に市場へ供給されないまま、再び買い戻すという前提で取引されている点です。表向きは「放出」でも、実際には市場流通量は増えず、価格を支えるための在庫調整が行われているだけ。これではコメの値段が下がるわけがありません。

JA農協が握る「価格決定権」の影響

今回の件で私が改めて考えさせられたのは、JA農協の持つ「相対価格」の支配力です。卸売業者に販売する価格が固定され、それをベースに小売価格が決まる以上、JAが価格を下げない限り、どれだけ備蓄米を放出しても意味はありません。

この仕組みは、まるで市場経済ではなく、閉じたサークルの中で価格が決められているように思えます。かつての「全農あきた事件」や、相対価格制度の導入など、公正な価格形成を避けるような過去の動きも含めて見直すべき時期に来ているのではないでしょうか。

「農家のため」は本当か?誰が恩恵を受けているのか

農水省やJAの発言では、米価の高止まりは農家のためだと言われています。しかし実際のところ、農家が受け取っている概算金は低く、価格上昇分は後から調整される仕組みになっているため、農家自身も「価格が上がった実感がない」と語っています。つまり、この仕組みで最も利益を得ているのは流通を押さえている団体側なのです。

私は、農家を守るという言葉が、既得権を守るための方便として使われていないか疑っています。本当に農家のためを思うのであれば、より競争的な市場環境を整え、価格操作ができないようにする方が健全だと考えます。

本当に必要なのは「自由な流通」と「価格の透明性」

今回の備蓄米追加放出は、7月までに61万トンに及ぶ予定ですが、その多くがまたしてもJA農協の在庫となる可能性が高いと言われています。これは事実上の「救済」であり、消費者や農家よりも特定組織の利益を守るための施策に見えてなりません。

さらに問題なのは、今後1年以内にこの備蓄米が買い戻されるという前提がある点です。市場に出回るはずのコメが、結局は再び政府の倉庫に戻る。これでは、いくら供給量を増やしたと説明しても、消費者の手元には届かない。価格が下がるわけがありません。

私は、市場原理をもっと信じるべきだと思います。さまざまな事業者が自由に参入し、競争を通じて価格が決まる。その透明性こそが、消費者と生産者の双方にとって最善の仕組みなのではないでしょうか。

「古古米」の放出は根本的解決にならない

さらに今回放出される備蓄米の内容にも疑問があります。6〜7月に予定されているのは、22年産の古古米。確かに現在は保管技術も進んでいるとは言え、品質や食味の問題は避けられないでしょう。私自身も、コメに関しては味に敏感で、少しでも風味の落ちたものは避ける傾向にあります。

古古米のような品質の低いコメを大量に放出しても、消費者がそれを買わなければ意味がありません。これでは価格が下がるどころか、消費者離れを招くだけです。

政策転換が必要な時期にきている

私は今回の一連の流れを見て、「改革の時期が来ている」と強く感じました。既得権に縛られた構造を温存し続ける限り、私たち国民が納得できる価格で安全なコメを手に入れる日は来ません。

政治の役割は、特定の組織の利益ではなく、国民全体の利益を守ることにあるはずです。石破総理が本気で価格を下げる覚悟を持っているのであれば、ミニマムアクセス米の輸入量拡大や、関税の見直しといった抜本的な政策を検討すべきです。

消費者と生産者を本当に守るためには、「価格の透明性」と「自由な市場競争」の確保こそが必要だと私は思います。

執筆:編集部A

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