【ロンドン=黒瀬悦成】英外務省は14日、中国の鄭沢光駐英大使を召喚し、中国が英国に対する諜報活動とサイバー攻撃を活発化させているとして「容認できない」と抗議した。英警察当局は13日、香港情報機関のために活動していたとして37~63歳の男3人を国家治安法違反の罪で起訴。鄭氏は事件を「英国のでっち上げだ」と反論したとされ、関係が悪化の一途をたどる両国の対立に拍車がかかるのは必至な情勢だ。
ロンドン警視庁や英メディア報道によると3人は、移民関連の業務を担当する英内務省職員(37)と元海兵隊所属の国境警備隊員(38)、ロンドンにある香港の出先機関、香港経済貿易代表部(HKETO)の幹部(63)。
3人は昨年12月から今年5月にかけて英国在住の香港民主活動家らを監視し、情報を収集していたとみられ、有罪となれば最大で禁錮14年を科せられる。
香港の旧宗主国である英国は、中国を後ろ盾とする香港当局による民主派弾圧に強く抗議。2020年に香港で国家安全維持法(国安法)が施行されて以降は、香港人の英国移住を容易にする特別査証(ビザ)を発給して民主活動家らを含む10万人以上の香港市民を受け入れてきた。
香港警察は昨年、海外に活動拠点を移した民主活動家ら13人に対して100万香港ドル(約1990万円)の懸賞金をかけ、逮捕につながる情報を求めている。13人のうち少なくとも3人が英国にいるとされる。
香港からの報道では、代表部の幹部が組織の銀行口座を使って他の2人に資金提供していたとされ、主要国を中心に世界14カ所に展開する代表部が経済・貿易活動を隠れみのに、海外の民主派を追跡・監視するための出張所と化している実態も浮かび上がってきた。
一方、英情報機関「政府通信本部」(GCHQ)のキーストバトラー長官は今月14日、「中国による対英サイバー攻撃のリスクが本格的に高まっている」と指摘し、最優先課題として対処していくと表明した。
英国では7日、国防省が利用している給与システムに何者かが侵入し、多数の英軍関係者の個人情報が不正にアクセスされていたことが判明。今年3月には英選挙管理委員会へのサイバー攻撃に関与したとして中国企業とハッカー2人が英国の制裁対象に指定された。選管への攻撃では、有権者名簿に記載された数千万人の個人情報が中国に渡ったと指摘されている。
スナク首相は今月13日、「英国はロシアやイラン、北朝鮮、中国という専制主義の枢軸の脅威にさらされている」と訴え、中国による一連の「悪意ある行動」に全面的に対決していく姿勢を打ち出した。
引用元 https://www.sankei.com/article/20240514-QZY54BSZDJJ55HSZ3K5ATZOWUM/
みんなのコメント
- 日本は政権にスパイがいるような
- 『スナク首相は今月13日、「英国はロシアやイラン、北朝鮮、中国という専制主義の枢軸の脅威にさらされている」と訴え、中国による一連の「悪意ある行動」に全面的に対決していく姿勢を打ち出した』 この外患を看過したら静かに侵略されるもんね…
- 頼もしいですね。 GCHQ政府通信本部は5アイズの一角。 日本のカウンターパートだと防衛省情報本部になるのかな? でも法の裏付けと予算人員では桁違いに異なる存在。 いつか将来肩を並べる存在になって欲しいと強く願う。 しかし諜報に対する認識は英国人とは我々日本人は明らかに違いすぎる。
- 英国では国防省が利用している給与システムに何者かが侵入 多数の英軍関係者の個人情報が不正にアクセス 英選挙管理委員会へのサイバー攻撃に関与したとして中国企業とハッカー2人が英国の制裁対象に指定 有権者名簿に記載された数千万人の個人情報が中国に 日本では河野シナ太郎の手引でとっくに
- いよいよ経済に関係なく、強気に動き出してきた 一気に来るぞ。中国関連の投資や中国に浸かっている企業への投資を見直すとき
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