中国共産党と中国人を区別して考えてはならない[Newsweek]

Newsweekによると…

<漢民族はどの民族よりも中国共産党のジェノサイドを支持している。共産党は民族政党に変質した>

中国の民族問題について思索する際に、中国人、すなわち漢民族と中国共産党を分けて考えようとの意見が日本や欧米にある。果たして、そうした区別は有効だろうか。

1950年代初頭、内モンゴル自治区の党書記兼主席だったウラーンフー(ウランフ)はある演説でこのように指摘した。「自治区の首府フフホト市では幼稚園児も一般の農民も、漢民族はみんなモンゴル人を野蛮人だと呼んで差別している」

この事態を問題視して部下に解決を促したウラーンフーは、恐らく自身の経験に即して発言したのだろう。当時のモンゴル人は母語のほかに日本語と中国語、場合によってはロシア語をも操っていた。日本が支配していた満洲国と蒙もうきょう疆政権(モンゴル自治邦時代含め)は教育に力を入れていた結果、現在の内モンゴル自治区は当時、中国で最も教育水準の高い地域だった。

一方、内モンゴルにいた漢民族は教育をほとんど受けておらず、人民解放軍の将校や共産党幹部ですら秘書に署名を代筆してもらうほど無学の人が多かった。にもかかわらず、彼らはモンゴル人を「野蛮で立ち遅れた民族」と差別していた。自ら字が読めなくても、東夷(とうい) ・南蛮・北狄(ほくてき)・西戎(せいじゅう)の地域を中華よりもランクの下の存在と見なす中国人の共通認識の発露である。

いわゆる中華思想だが、その信奉者は読書人もいれば書物と無縁の人々もいる。中華思想に毒された人々は、他民族や他の思想と宗教を異質な存在だと認識し、恐怖心を抱く。そうした感情からか、彼らは異文化との共存共栄を嫌う。他民族を弾圧して肉体的に消滅させるか、少なくとも同化させて自身の中に取り込もうとする。

その結果として表れているのがウイグル人に対するジェノサイド(集団虐殺)と、内モンゴル自治区におけるモンゴル語教育の廃止政策である。前者は肉体的消滅を目的とし、後者は同化を目標に掲げる。ウイグル人は青い目と金髪の人も多いため、身体的にも漢民族との差異が顕著だ。一方のモンゴル人は、言語以外は漢民族と同じく見えるからだろう。

共産党はかつて、「諸民族の独立を支持する。少なくとも漢民族と連邦をつくる」と標榜していた。現在の憲法でも、諸民族はそれぞれの自治地域において独自の言語で教育を施す権利を有すると記されてきたが、今春からは触れられなくなった。

これは共産党の政策変更というよりも、漢民族が抱く他者への恐怖が膨張してきたことを意味しているのではないか。漢民族が他のどの民族よりも中国共産党のジェノサイドを支持している結果、共産党はもはや民族政党に変質した。そのためか、ジェノサイドをやめろと発言する中国人は少ない。

[全文は引用元へ…]

以下,Xより

【田舎暮しの唱悦さんの投稿】

引用元 https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2021/07/post-67.php#goog_rewarded

みんなのコメント

  • いいえ、政治と国民は区別しないといけない。 というのが私の考えです。 支持している≠支持せざるを得ない環境状況 これは中国にも北朝鮮にもいえること。
  • 中国には50以上の民族がいるそうだ。漢民族以外はどうなっているのか?
  • 飽くまで個人と国家は分けて捉えねばならない。とはいえ中共を漢人の権力機構という認識は正しい…なお現在ある漢人/漢民族とは、中原に発した民族が周囲を征服し、#民族浄化 によって同化した結果であり。既に同化された人々の子孫は、#チベット #ウイグル に対する同化政策を当然のように支持する。
  • 2500年も続いてきた中華思想を変えることは難しい。漢民族を優れた民族として自認し、国内の異民族を抑圧する姿はあの頃のドイツと重なって見える
  • 建前は別にあるとして、別と本気で信じていたら対応を間違えるということかと
  • 恐ろしい国だ。日本も侵略、迫害されませんように
  • 日本人はまあ。。。 香港の周庭さんたちの件で 「ああ、みんな助けたり話し合いしたりしないんだ。」 「みんな、同じ考え方に染まってしまったんだな」 と認識しているよ。 言論の自由はある!って中国なのに微信ではなくTwitterで私に声をかけてくるひとは 謎だと思ってる
  • NHKに行って全職員の前で講演して欲しい。(いや無理か!)そんなことしたら講演会場から無事に出てこれないかもしれない。今のNHKならそれぐらい中国人がいると思う。(知らんけど)
  • 中国共産党=中国人だ 反日教育で日本の神仏、伝統文化、道徳や法律、日本人そのものを否定! 海外に住む中国人も「国防動員法」「国家情報法」に適用されてるし! はっきり言って、日本から出て行ってほしい
  • そもそもなぜ「中華思想」という言葉があるかを考えれば自明の理だと思います。確かに今の中国の行動を中国共産党の行動と単純に捉えるだけだと中国への見方そのものを誤ると思います
  • 中国共産党へ忠誠を誓うよう幼少時から徹底した教育の結果です。天皇陛下を現人神とした戦前の教育同様、中止すれば人々は目を覚まします
  • 単純な人種差別に陥れば中国共産党の思惑通り。中国共産党の犯罪と中国人を分けて考える必要がある。深い戦略ある話。敵がどのような攻撃をしてきているかを良く分析せねばならない。

japannewsnavi編集部Bの見解

このテーマは極めて重要であり、日本だけでなく世界全体が考えるべき問題だ。中国共産党と漢民族を区別して考えるべきだという意見はよく聞かれるが、果たしてその区別はどれほど意味があるのだろうか。

現在の中国では、共産党と国民の関係は単なる「支配者と被支配者」ではない。むしろ、漢民族の多くが中国共産党を支持し、それを守る役割を担っているというのが実態だ。これは、中国共産党が教育を通じて徹底的に国民を洗脳し、体制維持のための強固な基盤を築いてきた結果でもある。

その証拠に、中国国内で共産党に対する批判を公然と述べることは極めて危険だ。一般の中国人の前で「共産党に反対する」と言えば、即座に通報され、場合によっては殴られ、公安に連行されることすらある。これは、中国人自身が共産党を支える「鋼鉄の長城」となっていることを示している。共産党の支配体制が維持されているのは、単に武力や監視システムのせいだけではない。漢民族自身がこの体制を支持し、守っているからこそ成り立っているのだ。

歴史を振り返っても、中国共産党の政策が常に漢民族の利益を最優先してきたことは明白だ。1950年代の内モンゴル自治区においても、漢民族はモンゴル人を「野蛮人」と見下し、差別していた。当時のモンゴル人は日本語や中国語、場合によってはロシア語まで話せる高い教育水準を持っていたが、それでも漢民族は「モンゴル人は劣った民族」と考えていた。これは中華思想に根ざした民族意識が染みついていたからにほかならない。

このような民族差別の思想は、ウイグル人に対するジェノサイドや、内モンゴル自治区でのモンゴル語教育の廃止にもつながっている。中国共産党の政策変更というよりも、漢民族が他民族を恐れ、抹殺または同化しようとする思考がより強まった結果と見るべきだろう。

「中国共産党と中国人を区別して考えよう」という意見は、一見すると理性的な主張のように聞こえるかもしれない。しかし、現実問題として、共産党と漢民族の関係はあまりにも密接であり、両者を完全に分けることはできない。共産党は漢民族によって支えられ、漢民族もまた共産党の下で利益を享受している。この関係は単なる政治体制の話ではなく、文化や歴史に根ざしたものなのだ。

もちろん、すべての中国人が共産党を支持しているわけではない。疑問を抱いている人々も一定数いるだろう。しかし、それが決定的な変革につながることは考えにくい。なぜなら、幼少期からの教育と社会構造によって、多くの中国人が「共産党こそが中国を守る存在」という意識を持たされているからだ。

結局のところ、中国の問題を考える際には、共産党と漢民族を一体のものとして捉える視点が不可欠だ。共産党の暴虐は漢民族の支持なしには実現しなかったし、現在もその関係は変わっていない。もし本当に中国の未来を考えるなら、共産党だけでなく、漢民族自身の意識や行動にも目を向けるべきだろう。

執筆:編集部B

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