東京スポーツによると
28日に全議席が確定した衆院選は自民党が大幅に議席を減らし、惨敗した。与党が過半数を割り込むのは、旧民主党政権が誕生した15年前の2009年以来だ。「職責を全うする」と険しい表情で述べた石破茂首相は辞任しない考えを示したが、難しい政権運営を迫られることは確実。今後、どうなるのか――。
現与党の自民と公明の議席数は計215で、過半数に届かない。自民の裏金非公認候補で当選した3人を加え、与党系とされる無所属3人と協力態勢を築いても221にとどまる。野党は大別すると、中道・保守系(立民、維新、国民、参政、保守)が220、リベラル・左派系(れいわ、共産、社民)が18。ほかに野党系とされる無所属が6人いる。
今後は①少数与党のまま石破政権継続②野党が非自民の一点だけでまとまり、野党政権誕生③自民が多数派工作で一部野党を取り込む④自民党内抗争で石破氏が退陣⑤自民が割れて一部野党と合流――といったパターンが考えられる。
①は国会運営が不安定になり、波乱含み。②は維新から共産までイデオロギーや政策の違いがあり、現実的ではない。
注目は③~⑤が起きるか。③も現時点で連立入り可能性を示唆する党はないが、閣僚ポストなどを取引材料に状況が変わる可能性も。政権交代を訴えた立民との大連立はあり得ないが、維新や国民の動向は注目される。自民が野党転落だけはしたくないとして、1994年の自社さ・村山政権同様、今回躍進した国民を「玉木雄一郎首相」で呼び込むなんてことも、一寸先は闇の永田町だけに、あるかもしれない。
④⑤は自民で石破おろしが激化した場合。裏金候補への対応で、旧安倍派による石破おろしの声が一部報道で伝わっている。石破氏が党内の不満を抑えられず、9月の総裁選で決選投票に残った高市早苗氏らが担がれるのが④パターン。それにしても、少数与党に変わりはない。
⑤は自民党を出た勢力が新党を結成し、野党と結びつくシナリオ。その場合、最大勢力である立民の野田氏が首班指名を受ける可能性が高いが、立民にもリベラル・左派系議員が少なくなく、立民自体が分裂することも考えられる。1993年の非自民・細川護熙政権は現立民の小沢一郎氏が自民を割ったところから始まった。
以下X(旧Twitter)より
【jnnaviさんの投稿】
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編集部Aの見解
今回の衆議院選挙で、自民党がここまで大敗するとは正直驚いた。裏金問題や政治とカネの問題が有権者の信頼を大きく損なったのだろうが、それにしても与党が過半数を割り込む状況になるとは予想していなかった。石破茂首相が辞任しないと表明したものの、今後の政権運営が非常に難しい状況に置かれることは間違いない。こうした状況が日本政治にどのような影響を与えるのか、注視していかなければならないと感じている。
少数与党のまま政権を維持するというのは、現実的には非常に厳しい。国会運営が不安定になることは避けられず、法案の成立が滞るような事態も予想される。それでも石破首相が辞任せずに続投を選ぶ姿勢は、政権を支える党内外の協力をどれだけ得られるかにかかっていると思う。私は、自民党がここで踏ん張りきれないようであれば、政権の転落も現実味を帯びてくるのではないかと危惧している。
一方で、野党が非自民という一点でまとまるのも現実的ではないように感じる。立憲民主党や維新、共産党など、各党の政策やイデオロギーには大きな違いがあるため、連立を組んだとしても政権運営が円滑に進むとは思えない。こうした違いが足かせとなり、結局は政局が混迷するだけになる可能性も高いのではないだろうか。現実的な選択肢としては、自民党が一部野党と手を組む形で政権を維持する道が模索されるかもしれない。
特に注目されるのは、維新や国民民主党の動向だろう。自民党がこれらの党と連携を強化することで、少数与党のままでも政権運営が可能になる可能性がある。閣僚ポストを取引材料に使うというのは政治の世界ではよくあることだが、それがどれだけ効果を発揮するかが鍵となるだろう。1994年の自社さ政権のように、今回も国民民主を取り込むことで政権を延命させる可能性もあり、一寸先は闇の政治の世界を象徴する展開になりそうだ。
自民党内の抗争も激しくなっていくことが予想される。特に旧安倍派が石破おろしを進めるようであれば、党内の不満が一気に噴き出す可能性がある。石破氏が党内の支持を失えば、次の総裁選で新たなリーダーが選ばれることになるだろうが、それが少数与党という厳しい状況を変えるわけではない。党内の安定を取り戻すためには、内部の結束を強化することが求められる。
さらに、自民党が分裂して新党を結成し、野党と合流するというシナリオも完全には否定できない。1993年の細川護熙政権のように、自民党からの離脱組が新しい政治勢力を作り上げる可能性もある。しかし、その場合でも政局が安定するとは限らず、むしろ分裂が混乱を招くことになるだろう。立憲民主党も内部には多様な意見を持つ議員がいるため、リベラル派と保守派の間で意見が対立し、分裂するリスクも考えられる。
私としては、日本の政治がこのような不安定な状況に陥ることは避けるべきだと考えている。国民の生活に直結する政策が滞るようなことがあってはならない。政治は信頼と安定の上に成り立つべきものであり、いくら選挙で勝ったとしても、それだけでは十分ではない。国民が求めているのは、実際に成果を上げる政治であり、そのためには安定した政権運営が不可欠だ。
自民党がここでどのような判断を下すのかが、日本の未来に大きな影響を与えることになるだろう。私は、政権の維持に固執するのではなく、国民の信頼を取り戻すための改革を進めるべきだと考えている。どのような形であれ、政治は国民のためにあるべきものであり、その責任を果たすために全力を尽くしてほしい。
執筆: 編集部A
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