中国企業ロゴ問題「閣僚や審議会メンバーもチェックを」国民・玉木雄一郎氏、徹底究明訴え
再生可能エネルギーに関する規制見直しを目指す内閣府のタスクフォースに中国の国営電力会社「国家電網公司」のロゴマークが入った資料が提出された問題を巡っては、資料を提出した公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事業局長がタスクフォースの民間構成員を辞任する形となった。早期に問題視していた国民民主党の玉木雄一郎代表が産経新聞のインタビューに応じ「外国勢力の影響を受けた団体や個人が国のエネルギー政策の決定に不当な形で関与した疑いがある」と述べ、背景を徹底的に調査するよう訴えた。
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エネルギーの中露依存高める
大林氏は2016~19年に財団のシンポジウムで国家電網公司の資料を入手し、それが自身の(プレゼンテーション資料作成ソフトの)パワーポイントのデータに紛れ込んだといった主張をしているが、説得力に欠ける。
大林氏らが使った資料は国家電網公司が作ったもので、大林氏らはそれを加筆修正して、国の会議体(タスクフォース)に提出していたと考えるのが自然だ。財団は国家電網公司との関わりについて「20年以降はまれになっている」と説明しているが、実態は分からない。
財団の主張は再エネを進めると同時に原発や火力発電はだめだというものだ。中国やロシアを含めた東アジアで国際送電網を整備する「アジアスーパーグリッド(ASG)構想」を掲げ、日本の電力が足りなくなれば中国やロシアから融通すればいいと提言している。ASG構想はエネルギー版の(中国の巨大経済圏構想)「一帯一路」といえ、エネルギーの中露依存を高める役割を果たしているのが財団だということだ。河野太郎規制改革担当相は大林氏ら財団を使い、本来所管ではないエネルギー基本計画などに影響を与えようとしたのではないか。河野氏は外相時代の平成30年1月、外務省に発足した「気候変動に関する有識者会合」に大林氏を登用した。同年3月に国民民主の浜野喜史参院議員は有識者会合について「9人中3人が自然エネルギー財団の執行メンバーだ。非常に隔たった構成だ」と指摘している。
再エネ以上に安全保障
河野氏は防衛相時代の令和元年には全ての防衛省・自衛隊施設の電力調達で再エネ比率100%を掲げ、基地によっては100%が達成された。ある基地ではタイ資本のエネルギー小売り事業者から再エネが供給され、その経営者は華僑系だ。自衛隊の電力使用状況を、相手は手に取るように分かるだろう。
自衛隊など安全保障に関する施設への電力供給については国内事業者に限るべきだ。再エネ化は大事だが、それ以上に大事なのは国家安全保障であることは言うまでもない。電力を自国で調達せず中国やロシアに依存すれば、有事が起きれば中露に生殺与奪を握られることになる。天然ガスの供給をロシアに頼るドイツも、ウクライナ侵攻後にロシア対応を巡って初動が遅れた。
衆院で審議されている経済安全保障上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る「セキュリティー・クリアランス(SC、適格性評価)」制度案は閣僚や副大臣、政務官の「政務三役」が適用除外になっている。今回の問題を踏まえれば、閣僚に対するチェックは必要だろう。安全保障やエネルギー政策に関わるタスクフォースや審議会のメンバーについてもチェックの仕組みが必要だ。
立民や維新との関係は
国民民主は結党以来、現実的なエネルギー政策を掲げていると自負している。立憲民主党と最も大きな違いがエネルギー政策といっていい。
なぜか立民の党幹部が大林氏と対談したページが、党ホームページから削除されていた。日本維新の会も東京電力第1原発事故後、大林氏からエネルギー政策を聴取したことがある。与党も野党も政策に外国政府の影響がなかったどうかチェックすべきだ。
不幸中の幸いは(国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示す)エネルギー基本計画が改定される前に、一連の問題が発覚したことだ。
まっとうなエネルギー政策に転換する契機にするためにも、政府は河野氏と大林氏が各省庁でどのような影響を与えたのか、国家電網公司がエネルギー政策に影響を与えたのかを徹底検証すべきだ。検証なくして財団や大林氏を使うことはあってはならない。(聞き手 奥原慎平)
引用元 https://www.sankei.com/article/20240331-EGASRUZ7LNC2HA4WBJXY6U527Q/
みんなのコメント
- セキュリティクリアランスの徹底が必要!
- これに関しては賛同します。 内藤先生や江崎先生も仰っていますが、手続きや、法と証拠に基づいて、徹底的な追求をお願い致します。
- 入札条件的に中国製しか入らないような入札条件もあったらしいのでその辺調査してほしいですね
- 玉木さん、乙武の支援だけはやめてください玉木さんのポストの内容はいちいちごもっともで、国民民主党は代替の法案を提示することも多く、期待して見守っていたのですが、乙武指示に回ることがもし本当なら、政党にも党首にも信頼を置くことは絶対にできません
- セキュリティクリアランスのレベルアップを
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