【漬物生産者】70%以上が廃業に…「また一つ大切な物がこの国からなくなりました」道の駅、農産物直売所から聞こえたさみしい声

2024年6月1日から施行された食品衛生法の改正により、各地の店から、“手作り漬物”が消えた。

6月以降、漬物・梅干しを売るには保健所の「営業許可」が必要となり、基準を満たすための設備に投資することができない生産者たちが、続々と廃業を決めたのだ。

食品衛生法の改正で個人生産者が廃業

千葉県南房総市にある道の駅「三芳村」農産物直売所、土のめぐみ館でも人気の漬物・梅干しが6月から姿を消していた。無添加で、野菜のかたちがそのまま残っている、手作り感満載がウリだった個人生産者の漬物たちだ。

直売所の店長・伊勢田誠さんによると、この直売所では22〜23組の生産者がいたのだが、今回の食品衛生法の改正後も生産を続けることになったのは、わずか5、6組ほど。30年以上この直売所で漬物を売り続けてきた人たちですら、これを機に辞めてしまったという。

今回の改正に生産者たちは、一体どんな思いを抱いているのだろうか。

「年齢もあるのでしょうか、生産者の方々は、『国のやることだからしょうがない……』といった感じで、それほど強く訴えてくるような人はいませんでした。もっとたくさんの方が強く訴えたら、市とかに訴え出るほどになったかもしれませんね。
ただ、今回の改正を受けても、なぜか“ゆかりと梅酢”は営業届を出せば、そのまま販売することができるため、『なんで梅干しはダメで、梅干しを作る過程で生まれる副産物のほうはいいんだ』と首をかしげている方は何人かいらっしゃいました」(伊勢田さん)

この、土のめぐみ館では、何人もの生産者が梅干しを販売していたため、それぞれにファンもついていた。生産者のみならず、毎年、梅干しを楽しみにしていた客からも惜しむ声があがっている。

6月からは、今まで個人生産者の漬物を販売していたコーナーで、そのスペースを埋めるべく、地域の漬物卸会社から仕入れることになった。「冷蔵スペースを開けておくのはもったないので、なんとか今までと同じだけの量を置けるように考えています」と伊勢田さんは話す。

今回の食品衛生法の改正について、数々の個人生産者と関わっている伊勢田さんに率直な思いをあらためて聞いた。

「弱い者いじめだと感じました」

「いちばん最初は、“弱い者いじめ”だと感じました。おばあちゃんたちが自由に作れなくなるのか……と。また、干して塩に漬けるだけの梅干しくらいは、もう少し基準を緩くしてもいいのではないかと思いました。ただ一方で、HACCP(ハサップ)やGAP(ギャップ)などができて、この3、4年でルール化が進んだので、おばあちゃんたちも慣れていて大丈夫だとは思いますが、そのままの衛生環境でやっていていいものかと、両方思ったことも確かです」(伊勢田さん)

漬物を卸していた農家の70代後半になる鈴木さん(伊勢田さん提供)
漬物を卸していた農家の70代後半になる鈴木さん(伊勢田さん提供)HACCPとは、「Hazard Analysis and Critical Control Point」(危害要因分析、重要管理点)の頭文字を取った言葉。国際的な食品衛生管理手法であり、これからの漬物を生産・販売する人には、このルールに沿った衛生管理が義務付けられることになった。

「今回の食品衛生法の改正はすぐに施行されたものではなく、3年ほどの猶予期間は与えられていたのですが、それでももう少し、なにかやり方があったのではないかと思ってしまいます。私が知らないだけで、直売所などに調査が入っていたのかもしれませんが、こちらに調査やヒアリングなどもなくての改正だったので、もう少し現状を知ってから考えてほしかったと思います。
時代的に厳しいのかもしれませんが、残念な気持ちですね。改正後の食品衛生法の基準に合わせるために、自宅とは別の場所に施設を作るためには安くても100万円くらいはかかると思います。70〜80代の生産者の方がそれをやるかといわれれば、普通に考えればやらないですよね。また、店の店長という立場でいえば、商品がなくなってしまうのは厳しいし、お客さんにも申し訳ない。『〇〇さんの梅干しがよかった』と言ってくれる方に売れなくなってしまうのは残念です」
今回、廃業を決めたのは、主に70代後半、80代の人たちで、届け出を提出してこれからも作っていく決意をしたのは、60代や70代前半の方など。生産者の中では比較的若い層の人たちが、この改正を乗り越えられたようだ。

「また一つ大切な物がこの国からなくなりました」

「80代の高齢者の方たちは、存続をしようという検討すらしていなかったですね。今回廃業される方の中には、衛生法に合わせて施設を作ることができるくらいの、大きな規模で作っていた方もいましたが、年齢的に80代半ばで足腰もつらかったので、これをちょうどやめるタイミングに選んだ感じもありました。ただ、これまで何十年も続けていた生活のリズムが急に変わってしまうので、気力が挫けたり、体調不良とかがはじまらなければいいなと思います」

改正を受けて、ネット上では〈工場で作った漬物より近所のおばちゃんが作った漬物が好き。また一つ大切な物がこの国からなくなりました〉〈インボイスと地方の零細の人々にトドメをさして衰退させる国の役人たち。ほんまくそ〉〈弱いものや少数者を潰しても多くの日本人は他人事で気にしないが、いつか自分に回ってくる〉といった悲しみや怒りの声があがっている。

日本の食の安全を守るために必要という指摘ももちろんある。しかし、昔から馴染みの食べ物が消えてしまうことは、やはり残念としかいいようがない。

消えてしまった手作り漬物(伊勢田さん提供)
消えてしまった手作り漬物(伊勢田さん提供)

引用元 https://shueisha.online/articles/-/250747

みんなのコメント

  • 無視してそのまま売り続けて欲しいですね
  • 手間隙かけた天然の漬け物は身体に良い スーパー等で売られてる時間短縮添加物てんこ盛りの人工漬け物梅干は毒になる 出来ることなら続けていただきたい
  • 近所の漬物屋さんのおっちゃん大丈夫…
  • 体に良いものや自給自足につながるものが消えていく
  • 皆で声を出して国民運動にもって行こう
  • 麻薬取引は不起訴で漬物取引が起訴になる日本
  • ほんっとに酷い! 私たちが政権潰ししましょう!
  • 今直ぐにでも政腐をどうにかしないといけませんね
  • 日本の伝統を潰していく今の政府は、やっぱり日本人じゃないんだろうか?
  • こんなの許せない!
  • 添加物まみれの食品だらけになっている日本…
  • こういうのはすぐに強行突破されてしまうんよね。。。悔しい

編集部の声

編集部A: えっと、この漬物生産者の廃業率が高いって話、本当なの?正直なところ、まったく知らなかったんだけど。どういう状況なの?教えてほしいな。

編集部B: ああ、その話は知らないんだね。実は最近、漬物業界の中で非常に深刻な事態が起きているんだよ。生産者の廃業率が急激に高まっているんだ。

編集部A: 深刻な事態ってどういうこと?具体的にはどのくらい生産者が廃業しているの?数字で教えてくれる?

編集部B: うーん、数字を言うと、本当に驚くと思うけど。最新のデータを見ると、過去5年間で約30%もの生産者が廃業に追い込まれているんだ。ほとんど3分の1近くが辞めちゃっているわけだ。

編集部A: (あきれ)30%って、マジなの!? そんなに極端に減ってるの!? 一体何が原因で、こんなに生産者が辞めていっているの?

編集部B: その背景にはいくつかの大きな要因が重なっているみたいだね。まず、原材料価格の高騰が大きな痛手を与えているんだ。加えて、人手不足の問題も深刻化しており、人件費の高騰にもつながっている。さらに、消費者の嗜好の変化によって、漬物の需要自体が減ってきているのも大きいんだよ。

編集部A: なるほど、そういった経営環境の悪化が重なって、生産者の方々が廃業に追い込まれているんだね。本当に大変な状況なんだな。

編集部B: そうなんだ。そして、これには政府の政策も大きく関わっているんだよ。政府は日本の伝統と文化を守るどころか、破壊していると言っても過言じゃない。

編集部A: 政府が日本の伝統と文化を破壊しているって、どういうこと?

編集部B: 例えば、最近の食品衛生法の改正が大きな影響を与えているんだ。この改正によって、個人生産者が厳しい規制にさらされるようになったんだよ。その結果、伝統的な手法で漬物を作っていた小規模な生産者が廃業に追い込まれているんだ。

編集部A: それは本当に深刻な問題だね。政府の政策が原因で、日本の伝統文化が危機に瀕しているなんて。

編集部B: そうなんだ。まさに漬物生産者を取り巻く環境は極端に厳しい状況に陥っていて、これ以上この高い廃業率が続くことが危惧されているわけ。業界全体が危機的な状態にあると言っても過言ではないんじゃないかと思うよ。

編集部A: えっ、そこまで深刻なの!? 業界全体が危機的な状況に置かれているなんて、本当に deep な問題だね。これって、私たち編集部でも取り上げていく必要がありそうだな。

編集部B: その通りだと思う。この問題は看過できない重要な課題だからね。生産者の方々の置かれた状況をしっかりと取材して、広く伝えていくことが私たちの責務だと考えている。

編集部A: そうだね、その発想は正解だと思う。この漬物生産者の廃業問題、一過性の話じゃなさそうだし、しっかりと深掘りしていかないとダメだね。できるだけ早く取り組み始めましょう。

編集部B: そうですね。この課題に対しては、私たち編集部が全力で取り組んでいく必要があります。生産者の方々の生の声を聞いて、その実態を丁寧に報道していくことで、何か前に進めるきっかけが見つかるかもしれません。一緒に頑張っていきましょう。

編集部A: 分かった。これからは漬物生産者の皆さんに寄り添いながら、このタフな問題に取り組んでいきたいと思います。一緒に、少しずつでも前に進んでいきましょう。よろしくお願いします!

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