外国人の収容・送還ルールを見直す改正入管難民法が10日、施行された。
難民認定申請中は強制送還を一律に停止する規定に例外を設け、3回目以降の申請者は強制退去を可能とすることが柱。不法滞在などの外国人を迅速に送り返す狙いがあり、昨年の通常国会で成立した。
従来は難民認定の申請回数に上限がなく、退去回避目的で繰り返し申し立てる「乱用」事例があると指摘されていた。出入国在留管理庁によると、難民認定を申請中の「送還忌避者」は2021年末時点で1629人に上った。
政府は申請の乱用が入管施設の収容長期化につながっていると判断。3回目以降の申請者について、難民と認定すべき「相当の理由」がない限り送還可能とした。
入管施設への収容に代わる「監理措置」制度も新たにスタート。親族や支援者ら「監理人」の監督の下、対象者を施設外で生活させながら退去手続きを進める。施設収容の場合、入管庁は3カ月ごとに必要性を見直し、監理措置への移行を検討する。
改正法を巡っては、「保護すべき難民を迫害の恐れがある母国に送り返すことになりかねない」との懸念も根強い。小泉龍司法相は7日の記者会見で、「ルールに違反した者に厳正に対処すると同時に保護すべき者を保護し、共生社会を実現する」と強調し、「その趣旨が生かされる執行を心していきたい」と述べた。
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