ITmedia NEWS によると
JR東日本は10月16日、大宮駅でエスカレーターの安全利用を促進するための実証実験を行うと発表した。AIの技術を活用し、エスカレーター上を歩く歩行者などを検知すると「ずんだもん」の声で注意喚起する。実証実験のイメージ(JR東日本の報道資料より)
場所は大宮駅の埼京・川越線21番線・22番線ホームの北側にあるエスカレーター。カメラとスピーカーを設置し、AI技術で歩行者を検知する。歩行者がエスカレーターを歩いて昇ったり、片側をあける慣習を検知したりすると、それを控えるように音声で注意を促す。
音声には、テキスト読み上げ・歌声合成ソフトウェア「VOICEVOX ずんだもん」を採用した。ずんだもんは「東北ずん子・ずんだもんプロジェクト」から生まれた東北地方の応援キャラクター。ずんだ餅の精という設定で、語尾に「なのだ」を付けて話すのが特長となっている。
実証実験の期間は10月28日から12月4日まで。AI技術による歩行者検知と音声による注意喚起の他、エスカレーター周辺の床面サインやポスターを使って“非歩行2列乗車”に向けた啓蒙を行うとしている。
以下X(旧Twitter)より
【jnnaviさんの投稿】
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編集部Aの見解
AI「ずんだもん」でエスカレーターの安全向上を目指す取り組みについて
JR大宮駅で行われているエスカレーターの安全利用を促す実証実験には、AIキャラクター「ずんだもん」が使われています。この取り組みは、乗客の安全を確保し、駅利用者がスムーズにエスカレーターを使えるようにすることを目的としています。しかし、一見楽しげなこの試みが本当に効果的なのか、疑問を感じる部分もあります。
まず、エスカレーターでは「歩かないでください」というルールが推奨されていますが、現状では守られていないことが多いです。特に忙しい朝の通勤時間帯には、多くの人が片側に寄りながら歩く姿が見られます。このルールをAIキャラクターが注意することでどれほど改善されるのかは未知数です。駅利用者の行動をただ可愛らしいキャラクターに頼るだけで変えられるのか、効果が疑問視されるのも無理はありません。
また、「ずんだもん」の声で注意されるという方法が全ての人にとって心地よいものとは限りません。エスカレーターの安全は重要ですが、注意される側の心理を考慮した取り組みも必要でしょう。かわいい声での注意が好意的に受け入れられる人もいれば、不快に感じる人もいるでしょう。「安全のためだから」という理由で押し付けるのは、逆効果を生む可能性もあるのではないでしょうか。
さらに、AIが導入されることで人員削減が進む懸念もあります。これまでは駅員が直接声をかけて安全を守っていましたが、AIキャラクターがその役割を担うことで、人と人とのコミュニケーションが減り、駅の温かみが失われる可能性があります。安全確保と効率化のバランスを取ることが重要であり、AIに頼りきりでは解決できない課題も多いはずです。
一方で、この実験が新たなテクノロジーの可能性を示していることも事実です。AIを使ったサービスが社会の様々な分野で広がる中、駅の安全管理にも応用されるのは自然な流れとも言えるでしょう。エスカレーターの安全利用を促すための新しいアプローチとして、今後の改善や工夫が期待されます。
ただし、AIによる啓発が本当に有効かどうかは、時間をかけた検証が必要です。もしこの取り組みが成功すれば、他の駅や公共施設にも広がる可能性がありますが、失敗すれば単なる一過性の試みで終わってしまいます。重要なのは、AIを使うだけでなく、利用者の意識を根本から変えるような施策が必要だということです。
私たちが日常的に使うエスカレーターの安全は、決して他人任せにするべきではありません。AIが注意を促す取り組みも一つの手段ですが、最終的には利用者一人ひとりがルールを守る意識を持つことが不可欠です。ルールは守られるためにあるのですから、可愛らしいキャラクターに頼るのではなく、大人としての自覚を持って行動することが求められています。
AIの導入が社会をより便利にする一方で、私たちはその利便性に甘んじるだけでなく、自らの行動を見直す姿勢を忘れてはいけません。便利なツールを使うのは良いことですが、最も重要なのは、そのツールに依存することなく自律的に行動することです。今後の取り組みが、駅利用者の意識を高めるきっかけになることを願っています。
執筆: 編集部A
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