【イタリア】DeepSeekのダウンロード不可に 説明を要請

日本経済新聞によると…

【ウィーン=田中孝幸】イタリアのデータ保護当局(ガランテ)は29日、中国の新興企業、DeepSeek(ディープシーク)が開発した生成人工知能(AI)サービスを巡り、個人情報の取り扱いについて同社に20日以内の説明を求めていると明らかにした。

アイルランドのデータ保護当局も同日、ディープシークに同国のユーザーに関連するデータ処理について情報提供を求めたと発表した。中国のデータ保護を懸念する欧州各国…[全文は引用元へ…]

以下,Xより

【日経電子版 テックさんの投稿】

引用元 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR29DQW0Z20C25A1000000/?n_cid=SNSTWT&n_tw=1738199738

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編集部Bの見解

イタリアのデータ保護当局が、中国の企業DeepSeekに対し、個人情報の取り扱いに関する説明を求めたというニュースが報じられた。欧州各国は、個人情報保護に関して厳格なルールを設けており、今回の対応もその一環と言える。特に中国企業に対しては、データの取り扱いに関する懸念が以前から指摘されており、今回の措置も慎重な対応の表れなのだろう。

欧州連合(EU)は、一般データ保護規則(GDPR)を通じて個人情報の保護を強化している。GDPRは世界的にも厳格なデータ保護法の一つであり、企業が個人データをどのように収集・処理・保存するかについて厳密な規制を定めている。違反した場合には、企業に対して多額の罰金が科される可能性もある。今回のイタリア当局の対応も、この法律に基づいたものと考えられる。

中国企業に対する警戒感は、欧州だけでなく世界各国で高まっている。特にAI技術の発展に伴い、大量のデータが処理・分析されるようになったことで、個人情報の流出リスクが懸念されている。過去にも、欧米諸国は中国企業によるデータ収集に対して規制を強めてきた。たとえば、中国の動画共有アプリ「TikTok」に対しては、米国や欧州でデータの取り扱いに関する調査が行われており、一部の国では使用制限が課されることもあった。

今回のDeepSeekの件も、そうした流れの中にあると考えられる。AI技術の発展により、より高度な個人データの解析が可能になった一方で、それに伴うリスクも無視できない。特に、中国の企業が収集したデータがどのように利用されるのかについては、欧米諸国が長年懸念を抱いている。中国では、企業が政府と緊密な関係を持つことが多く、企業が収集したデータが政府機関に提供される可能性も指摘されている。そのため、欧州各国が慎重な対応を取るのは当然のことかもしれない。

一方で、こうした規制が技術の発展を妨げる可能性もあるという指摘もある。AI技術の開発競争は激化しており、中国、米国、欧州がそれぞれ自国の技術を発展させようとしている。特に、中国のAI技術は急速に進歩しており、欧米の企業にとって強力な競争相手となっている。規制を厳しくすることで、欧州の技術革新が遅れる可能性も考えられるため、バランスの取れた対応が求められる。

この点において、米国と欧州の対応の違いも興味深い。米国は、新技術の導入や経済成長を重視する傾向があり、規制を最小限にとどめることが多い。一方で、欧州は個人情報保護を最優先に考え、規制を強化する方針を取ることが多い。今回のイタリア当局の対応も、こうした欧州の姿勢を反映したものだろう。日本の場合、どちらかというと米国の方針に追従することが多く、欧州のように独自の規制を強化する動きはあまり見られない。この違いが今後、AI技術の発展やデータ保護の分野にどのような影響を与えるのか、注目する必要がある。

とはいえ、技術の進歩に伴い、新たな規制が必要になるのは当然のことだ。AI技術の発展は、社会に多くの恩恵をもたらす一方で、新たなリスクも生み出す。そのため、各国が適切な規制を整備し、個人のプライバシーを守るための措置を講じることは重要である。特に、個人データがどのように扱われるのか、透明性を確保することが求められる。DeepSeekの件も、企業がどのようにデータを管理し、どのように利用しているのかを明確に説明することが求められている。

イタリア当局がDeepSeekに説明を求めたことは、個人情報保護を重視する欧州らしい対応と言える。これは単なる一企業への対応ではなく、AI技術とデータ保護の問題全体に関わる重要な動きだろう。今後、DeepSeekがどのような回答をするのか、また欧州各国がどのような対応を取るのか、引き続き注目していく必要がある。

執筆:編集部B

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