任期満了に伴う沖縄県議選(定数48)は16日投開票され、玉城デニー知事を支える県政与党が改選前から4議席減の20議席にとどまり、半数を大きく割り込んだ。
9月に2期目の折り返しを迎える玉城知事は、政府が進める米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画に反対を貫く考えだが、少数与党となり、今後は極めて厳しい県政運営を迫られる。県政野党の自民は2年後の知事選での県政奪還に向けて弾みがつく形となり、中立会派の公明などと連携して県議会での攻勢を強める。
玉城知事は17日未明、那覇市で報道陣の取材に対し、「結果を真摯(しんし)に受け止めたい。非常に厳しい県政運営を余儀なくされるだろうが、丁寧に説明し、理解を得られるよう努力していきたい」としたうえで、辺野古移設への反対は「揺るぎない思いだ」と強調した。
県政野党の自民は2増の20議席、野党系無所属が1議席。中立は公明4議席、日本維新の会2議席、無所属1議席で、野党・中立を合わせると28議席となり、与党を大きく上回った。
改選前の県議会構成は、共産、立憲民主、社民などの県政与党が24人。野党は自民が18人で、自民と同調することの多い維新系の中立会派3人と公明2人、野党系無所属1人を合わせると計24人で与党と同数だった。中立会派所属の議長が採決に加わらないため、与党がかろうじて主導権を握っていた。
少数与党となる今後の県議会では、基地問題を米国政府関係者や連邦議会議員らに訴える足場としてきた米ワシントンの県事務所の維持費予算などが認められない可能性がある。玉城知事が公約に掲げる政策の実現にも大きく影響しそうだ。
県議選は13選挙区に75人が立候補。石垣市選挙区(定数2)は告示された7日に与野党1人ずつの無投票当選が決まり、16日は残る12選挙区で投開票された。
玉城知事は与党系候補の応援に駆け回り、低所得世帯の通学バス無料化など子育て支援策の実績をアピール。告示前には中学生の学校給食費を2025年度から無償化する事業案を打ち出した。立憲や共産などの党幹部も次々と沖縄入りし、派閥の政治資金パーティー裏金問題で自民批判を繰り返した。しかし、近年の選挙で重要な争点となってきた辺野古移設計画では、玉城知事に埋め立て工事を止める対抗策がない状況で、支持の広がりを欠いた。
一方、自民側は裏金問題を受け、政党色を薄めようと苦心。党幹部は前面に出ず、企業や経済団体回りに注力し、立候補者は政府や市町村と連携した地域振興を訴えたことが功を奏した。
引用元 https://mainichi.jp/articles/20240616/k00/00m/040/033000c?fm=line
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