アニメをはじめとする日本発のコンテンツは、いまや海外でも大人気だ。とはいえ、国としてコンテンツ産業を上手く支援できているかとなると、どうやら話は異なるようだ。 経済学者の竹中平蔵氏は「日本のドラマや映画よりも、韓国のそれの方が面白いのは当然だ」というーー。みんかぶプレミアム特集「至上のアート」第二回。
竹中平蔵「本物のリーダーこそクリエイティビティを求める」
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ダボス会議などの国際会議では同時にアートイベントが開かれることが多いです。これはなぜかといえば、リーダーにはクリエイティビティが必要で、本物のリーダーこそクリエイティビティを強く求めるからです。 多くの一流・IT企業がテナントに入り、富裕層も住んでいる六本木ヒルズには美術館もあります。「六本木ヒルズにはクリエイティビティの高い人たちが集まる。だから、六本木ヒルズの上に遅い時間までオープンしている美術館を作った」というのが森ビルの故森稔さんの言葉でした。
哲学者ニーチェの偉大な言葉
またニーチェの言葉に「芸術――芸術こそ至上である。それは生きることを可能ならしめる偉大なもの、生への偉大な誘惑者、生の大きな刺激である」というものがあります。アートとは人間を人間らしくするものです。東日本大震災の発災当初に現地入りしたジャーナリストが人々に「今何が欲しいか」と被災者に聞いて回ったところ、1番目の人は水が欲しいと言い、2番目の人は食糧が欲しいといったそうです。そして3番目の人は「歌がほしい」といったようです。すごく過酷の環境の中で、人間が人間らしくあるために、芸術がほしかったのでしょうね。それくらい人間性と密接したものなのです。 私自身も水彩画を少しだけ持っています。故佐原和行さんの作品を数点。大臣時代には執務室にかけておりました。見ると自分を「空っぽ」にしてくれるのです。日々強いプレッシャーのもと、考えないといけないこと、判断しなくてはいけないこと、それが頭の中でグルグルまわっているときに、ふと見ることによって心と体を空っぽにする。そして原点を見つめなおすのです。
竹中平蔵「そもそも私は経済学者ではなく、ミュージシャンになりたかったのです」
そもそも私は経済学者ではなく、ミュージシャンになりたかったのです。高校時代は吹奏楽団でホルンを吹き、大学時代はマンドリンクラブで指揮者をしていました。プロの打楽器奏者に従事することもありました。ただ自分の才能じゃ食っていけないと思い、違う道を選びました。プロでやっている人は本当にすごいと思います。生活が不安定な中でも、美を追求しているわけですから。 経済学者はいなくても経済はありますよね。でもアーティストがいないとアートはないのです。アーティストというのは無から感動を創り出す、偉大な仕事です。だからこそアーティストには敬意を払わないといけないのです。
アートの国・日本だが、フランスや韓国に予算の面で負けている
ただ日本にはアートを巡り大きな問題があります。「日本は素晴らしいアートの国だ」などとは言われるのですが、実は国のアートの予算はとても低いのです。年間1000億円程度ですから、一人当たり900円くらいです。フランスや韓国では一人当たり5000円を突破しています。 そんな日本よりも一人あたりのアート予算がさらに低い国があります。それはアメリカです。アメリカは寄付を認める社会、つまり寄付が税金控除になるのです。これも結局、国からの予算とは別のアーティストの財政負担になります。結局は国が直接出すのか、民間に出させるかの違いなのですが、日本は残念なことにどっちもないのです。アートの国と言われながら、それに対する措置がないということは非常に残念なことです。
なぜ日本のドラマ・映画よりも韓国の方が面白いのか
とはいえ、繰り返しますが、多くの日本人にはアートに対する素養があります。多くの国民が歌や楽器のお稽古に通いますし、中年男性による「親父バンド」もそうです。発展の余地があるのに、それを税金・国が助けていないのです。 つまり今の日本の状況だとアーティストは生まれにくいのです。だからドラマ・映画をとっても韓国の方が面白い。なぜ日本でテレビドラマを制作していた人たちがネットフリックスにうつっているかといえば、使える予算が違うからです。中国もモダンアートにとても力を入れています。
竹中 平蔵
引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/4ab1975cf6846a0dbbc17e18ae02304c52ac9784?page=2
みんなのコメント
- 祖国か
- どっちもつまらん
- この人の何処までが本当なんだか ググると色々出る
- 記事を見れば核心に触れているのに、何故賛同を得られないか?を考えないから叩かれる。 平素の言動から”信頼”を失くしてしまっている為です
- 知らんがな。
コメント