関西万博、学校の不参加相次ぐ

朝日新聞によると…

4月開幕の大阪・関西万博で大阪府や近隣自治体が実施する学校単位での無料招待事業をめぐって、来場を取りやめる学校や自治体が相次いでいる。引率を担うことになる教員らからは不安の声が漏れる。何が課題になっているのか。

 「教育的意義があり、課題についても克服を今進めている」。大阪府の吉村洋文知事は1月30日の会見で、自治体側が懸念する会場の熱中症対策などを強調してみせた。

 この会見の同日。府教委は、無料招待した府内の小中高校と支援学校の児童生徒計約88万人(計1841校)のうち、学校単位の来場希望は約58万人(1388校、1月時点)だったとする調査結果を発表。昨年7月時点では約68万人(1526校)が来場を希望しており、約半年で約10万人減った。会場の安全対策への懸念などを理由に吹田、交野、熊取、島本の府内4市町も同日までに学校単位での参加見送りを表明していた。

 参加が低調なのは、大阪だけではない。兵庫県京都府など大阪近郊の自治体も学校単位の無料招待事業をするが、滋賀県では招待した小中高生15万8千人(407校)のうち、参加予定は1万5千人(57校)にとどまる。2023年11月の調査では220校が活用を予定または活用を検討するとしたが、そこから7割以上も減った計算で、担当者は「ここまで少なくなったのは驚きだ」と漏らす。

 大阪と同じく、学校単位で参加しない場合は個別に無料招待するが、実際に会場に行けるかは家庭の事情などに左右されるため、「体験の格差を生まないためには学校で行ってもらうのが一番だ。学校の希望にできる限り寄り添いたい」と担当者は語る。

 奈良県では昨年10月の意向調査で県内の小中高363校中、86校が無料招待事業を利用予定、144校が検討中、51校が利用しないと回答したが、対象となる小中高校生12万7千人全員が行く想定で、1億7千万円を新年度予算案に計上する。今後、参加を希望する学校が増えた場合にも対応できるようにするためだという。

 なぜ不参加が相次ぐのか。多くの学校があげるのが熱中症などの安全面のリスクだ。万博協会は、会場に学校向けの休憩所を3800席分用意したり、バス乗降場から最寄りのゲートまでの850メートルの通路にミスト付き扇風機を設置したりといった対策を予定する。しかし、市立小中全54校の学校単位での参加を見送った大阪府吹田市の後藤圭二市長は「何とかして行かせてあげたいと思っていた。ただ、真夏の暑さはドライミストでは対応できない」などと先月10日の会見で指摘。「災害時の対応、救護所の状況についても満足できる回答はなく、安全面の確認が出来なかった」と話した。同府豊中市も熱中症のリスクを理由に市立小学校39校(義務教育学校を含む)のうち、32校は低学年の児童は参加しない。

[全文は引用元へ…]

以下,Xより

Yahoo!ニュースさんの投稿】

引用元 https://www.asahi.com/articles/AST3231YCT32OXIE01CM.html?iref=pc_ss_date_article

みんなのコメント

  • 学校単位での参加が段階的に見送られているのは、万博の運営に根本的な問題があるのではないか。安全面を軽視して強行するのは無責任すぎる。
  • 猛暑の中で小学生を長く歩ける計画自体に無理がある。 熱中症のリスクを考えれば、学校が参加を見送るのは当然の判断だ。
  • 「教育的意義がある」と言うなら、具体的に何を理解できるのか説明すべきだ。 現場の負担を考えずにただ参加するだけでは納得できない。
  • ドライミストやミスト付き扇風機で暑さ対策ができるというのは甘すぎる。 夏の大阪の気温を考えれば、ここ安全が確保できるとは思えない。
  • 大阪府や万博協会は、学校や教員の負担を本当に理解しているのか。率にする側の安全や努力を考えれば、軽く考えて「無料招待」と言うべきではない。
  • 学校で万博に行くが「平等な機会」だと言うが、暑さや移動の負担を考えれば、それは多少なりとも不公平になる可能性もある。
  • 家庭の判断に任せるというが、結局は交通費や時間の問題で行ける子と行けない子が出る。
  • 10万人のもの児童・生徒が参加をやめたという事実を、万博側はもっと重く受け止めるべきだ。これは純粋に「一部の学校の判断」ではない。
  • 万博を盛り上げたい気持ちはわかるが、それを子どもたちに負担させるのはおかしい。成功するかどうかは、子どもをしっかりすることで決まるわけではない。
  • 学校の参加が珍しいことを「もったいない」と言うのではなく、なぜ起こっているのかをしっかり分析し、運営を見直すべきだ。
  • 安全対策に関しては「十分」というのは簡単だが、実際に言うことに責任を取るのは学校と教員。
  • 真夏の屋外イベントで子どもたちを長く楽しむこと自体がナンセンスだ。これが教育的な配慮に基づいた計画なのか疑問しかない。
  • 招待事業に予算をつける前に、学校の設備や教育環境を改善することにお金を使うべきではない。本当に優先すべきことを考え直してほしい。
  • 会場の設計段階で、子どもたちの参加を前提として安全対策をもっと考えた。
  • 「学校が行かないなら個別で」という対応も無責任ではないのか。保護者に負担を考えるようになれば、ますます参加者が考えだろう。
  • 自治体ごとに判断が分かれているのも問題だ。大阪は参加が多いが、滋賀や京都は減少している。この違いをどう説明するのか。
  • 吹田市の判断は正しい。暑さ対策が十分に不可能な中で参加させるより、私たちの安全を最優先するべきだ。
  • 「万博を子どもたちに体験させたい」という気持ちは決まっているが、そのために危険を冒すのは違う。無理に参加させることが教育ではない。
  • 万博の成功を子どもたちの参加に依存しているのなら、それ自体が失敗の兆しではないか。参加者を増やす前に、コンテンツの充実を優先すべきだ。
  • これからが先にと参加を取りやめる中で、しばらく強行しようとする姿勢が不信感を生む。万博を本当に成功させたいなら、まずは信頼を得る努力をするべきだ。

japannewsnavi編集部Aの見解

大阪・関西万博の学校招待事業で、不参加の学校が相次いでいるというニュースを見て、やはりこうなるかと感じた。教育的意義があるという建前のもと、大阪府や周辺自治体は多くの児童・生徒を無料招待しようとしているが、学校や保護者の間では安全面や運営の問題が懸念されている。結果として、大阪府内では約半年で10万人もの参加予定者が減り、近隣の自治体でも同様の傾向が見られる。

まず、最も大きな問題となっているのが「熱中症リスク」だ。大阪の夏は異常な暑さになりやすく、特に2024年の夏も猛暑が予想されている。万博会場は人工的に整備された空間であり、木陰も少なく、コンクリートやアスファルトが熱を蓄えるため、暑さがより厳しくなることは明らかだ。万博協会側は、ドライミストやミスト付き扇風機を設置する対策を講じるとしているが、それで真夏の炎天下を乗り切れるのかは疑問が残る。

吹田市や豊中市のように、学校単位での参加を見送る判断を下した自治体があるのは当然だろう。熱中症のリスクがある場所に児童を長時間滞在させることは、教育的な観点からも適切とは言い難い。万が一、子どもが体調を崩せば、学校や引率の教員に責任がのしかかる。そう考えれば、万全な安全対策が確立されるまでは、参加を見送るのが最も合理的な判断だ。

さらに、会場の運営そのものに不安を抱く声も多い。学校単位での参加には、事前の調整や引率の負担が伴う。特に小学校低学年の児童を引率する場合、炎天下の中で長距離を歩かせることが現実的ではない。バス乗降場から最寄りのゲートまでの距離が850メートルもあるという点も、多くの学校が懸念する要因の一つだ。

学校単位で参加しない場合、個別に無料招待を行うというが、それでは結局、家庭ごとの判断に委ねられることになる。そうなれば、交通手段の確保や引率の問題から、参加できる児童とできない児童の「体験の格差」が生まれてしまう。こうした状況を考えると、「学校単位での参加が望ましい」とする自治体の意向は理解できるが、それを強行するには多くの課題が残されている。

大阪府の吉村知事は、「教育的意義がある」と強調しているが、実際にどれほどの教育効果があるのかも疑問だ。確かに、万博は新しい技術や国際交流を学ぶ場にはなるだろうが、それが学校単位での強制参加に値するものなのかは別の話だ。そもそも、教育的意義があるのであれば、学校の授業時間を削ってまで行く価値があるのかどうか、もう少し議論されるべきではないか。

また、予算の面でも疑問が残る。大阪府や奈良県では、新年度予算として億単位の資金を計上し、学校の万博参加を支援しようとしている。しかし、その費用は結局、税金から出ているわけであり、教育機関が本当に優先すべき支出なのかを冷静に判断する必要がある。例えば、学校の設備改善や教員の待遇改善に使うべき予算を、万博のために割り当てることが本当に妥当なのか、慎重に検討するべきではないか。

そもそも、大阪・関西万博自体が多くの問題を抱えている。開催まであと数カ月となっているが、準備の遅れや予算の増加など、不安要素が多い。メイン施設である「巨大木造リング」に巨額の費用が投じられる一方で、実際にどれだけの来場者が期待できるのかは不透明なままだ。

万博は日本の国際的なプレゼンスを示す場として期待されているが、参加する企業や団体も減少傾向にあり、目玉となる展示がどれほどあるのかも疑問視されている。このような状況で、学校単位での参加を促すことが、本当に万博の成功につながるのかは疑問だ。

さらに、学校現場の負担を考えると、単に「無料だから」といって安易に参加させるべきではない。引率する教員の負担は大きく、特に夏場のイベントでは体調管理や安全対策に細心の注意を払わなければならない。教員の負担が増えれば、教育現場の疲弊につながり、結果として児童・生徒の学習環境にも悪影響を及ぼす可能性がある。

これらの課題を踏まえると、現時点で学校が万博への参加を見送るのは、合理的な判断といえる。万博協会や自治体は、参加を促すために単に「無料招待」を打ち出すのではなく、もっと現場の声を反映した対応策を講じるべきだ。例えば、猛暑のリスクを考慮して、秋以降の参加枠を増やす、学校ごとの判断を尊重するなど、柔軟な対応が求められる。

万博は「未来の日本を示す場」と言われるが、その未来を担う子どもたちを無理に連れて行くことが、本当に日本の発展につながるのかを考える必要がある。教育的意義があるのであれば、その意義をきちんと説明し、学校や家庭が納得できる形で実施するべきだ。

最終的に、大阪・関西万博が成功するかどうかは、運営側の対応次第だ。学校の参加が減ることを単なる「数字の問題」として捉えるのではなく、なぜ減少しているのかを真剣に分析し、現実的な対応を取るべきだろう。教育現場の負担を無視した万博運営は、結局のところ誰のためにもならない。

執筆:編集部A

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