4日の衆院予算委員会で、石破茂首相が野党議員の質問中に自席から反論し、安住淳委員長から注意を受ける場面があった。自民党旧安倍派の元会計責任者が参考人招致に応じないことなどを巡り批判にさらされ、いら立ちをあらわに。この日は68歳の誕生日だったが、“ハッピー”とはほど遠い心境だったようだ。
立憲民主党の米山隆一氏から「自民党総裁として元会計責任者に出席を促すべきだ」と迫られた首相は「国会のことで行政府(の長)として言及しかねる」などと拒否した。
米山氏の「つまり何もやる気がないのですね」との突き放しに「何もしないとは言っていない」と自席から色をなし反論。「違うんですか。それじゃあ、ちゃんと対応してくださいよ」と質問を遮られ怒る米山氏との間で言い争いとなったが、安住委員長が「自席からの不規則発言はやめてください」と制した。
首相はその後、官邸に戻り記者団から誕生日を迎えた感想を問われ「予算委のさ中で全身全霊を尽くしている」と説明。「学生時代から試験とかあって慌ただしい時期。『おめでとう』みたいな感じにならない」と話した。
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【47NEWSさんの投稿】
引用元 https://www.kanaloco.jp/news/government/article-1145623.html
石破茂首相が衆院予算委員会で自席から反論し、注意を受ける場面があった。野党からの厳しい追及にいら立ちを隠せなかったのだろうが、こうした対応は冷静さを欠く印象を与えてしまう。特に、「何もしないとは言っていない」と感情的に反論した姿は、落ち着いた政治家としての振る舞いとは言えない。
そもそも、旧安倍派の問題について政府のトップとしてどう向き合うのか、国民が注視している中での答弁だった。ここで適切な対応を示せなかったことは、今後の政権運営に影響を与える可能性がある。自席からの発言は、感情的になった結果なのかもしれないが、国会の場では冷静な態度が求められる。それができなかったことは、首相としての資質を疑われかねない。
このやりとりの中で印象的だったのは、立憲民主党の米山隆一議員の「つまり何もやる気がないのですね」という挑発的な発言だった。この言葉に過剰に反応してしまったのは、石破首相にとって痛手だったのではないか。政治家であれば、こうした攻撃を冷静に受け流すくらいの余裕が必要だろう。ここで感情をあらわにしたことで、野党に「効いている」と思われてしまったのではないか。
また、誕生日という個人的な事情を持ち出したのも適切とは言えない。確かに、予算委員会の真っ只中で祝うような雰囲気ではなかったかもしれないが、首相としての立場を考えれば、そんなことは当然のことだ。公の場での発言は慎重にすべきだっただろう。
今回の出来事は、石破首相の政治姿勢を象徴しているようにも思える。冷静で論理的なイメージを持たれることが多い石破氏だが、実際には感情的な部分もあることが露呈した。こうした対応が続けば、今後の政権運営に悪影響を及ぼすかもしれない。
一方で、野党の追及が単なる揚げ足取りに見えるのも事実だ。旧安倍派の問題を問いただすことは重要だが、政策論争とは程遠い印象を受けた。結局、国会の場が政争の道具にされてしまっている現状は、国民にとって不利益でしかない。政治家は、本来の役割を見失わずに議論を進めるべきだろう。
石破首相にとって今回のやりとりは試練のひとつに過ぎない。だが、今後の国会運営を考えると、冷静さを取り戻し、適切な対応を心がける必要がある。そうでなければ、国民の信頼を失うことになりかねない。野党の攻撃に対しても、一歩引いて冷静に対応する姿勢を見せることが、政治家としての器の大きさを示すことになるのではないか。
執筆:編集部A