「自衛隊制服は中国製で構わない」←ダメだよね!?

Japan In-depthによると…

自衛隊制服は中国製で構わない

【まとめ】

陸上自衛隊が制服を高額な国産品に変更。

・安価な外国産にすれば、防衛予算への負担も小さく更新ペースも上がる。

制服は儀礼と事務作業でしか着ないが高額で低品質。

(略)

陸上自衛隊が制服を変更した。常装と呼ばれるスーツ型制服を緑色から黒に変更した。これらは儀礼や事務作業等で用いられる被服である。

更新には長い時間を要するという。高額な国産品のため予算的に一挙更新できないからだ。また従来の緑色タイプも大量在庫している。無駄にしないためには一部の隊員にはそれを与えなければならない。

だが、制服は国産でなければならないのだろうか?

別に中国製でも構わない。所詮は事務服である。海外製でも全く問題はない。より工賃が安いベトナムでもカンボジアでもバングラデシュ、北朝鮮で縫製しても構わない。むしろそうすべきである。自衛隊衣服はヨリ安価となる。防衛予算への負担も小さく、更新ペースも上がる。しかも工賃低下により工数も増やせる。縫製もヨリ丁寧となる。

■ 制服で戦争はしない

自衛隊制服は安価な海外縫製とすべきである。その理由の第1は「制服では戦争をしない」ためだ。

自衛官には別に実戦用の被服がある。各種の戦闘服や作業服がそれだ。野戦や基地警備であれば迷彩の戦闘服を着用し、靴も陸戦靴になる。艦船や航空機の整備、物資輸送や土木工事では各種の作業服と安全用の靴となる。艦船のように火災対策が必要なら防火機能、電子整備なら静電加工、寒冷地なら防寒タイプの服を着る。

逆にいえば制服は儀礼と事務作業でしか着ない。スーツ型、あるいは詰襟服やセーラー服、正帽、革靴(自衛隊では短靴という)はその程度のものだ。しかも着るのは概ね幹部(士官)だけである。現場作業をしないため仕方なく着ている。対して曹士(下士官・兵)は儀礼以外は作業服を着ている。着心地がいいからだ。

そのような制服をわざわざ高価な国産品にする必要があるか? そういうことだ。

ある種、どうでもいい服である。それなら海外製でよい。かつて日本でも以前は既製紳士服点が売る北朝鮮製スーツが流行っていた。自衛隊も同じように北朝鮮やカンボジア製制服を与えればよい。

■ 官給制服は高額・低品質

第2の理由は低品質だからだ。

官給制服は「安かろう悪かろう」だ。アイロンの持ちは悪く、生地は限りなく薄く下着の柄が透ける、通気性は悪く、儀式前には毛羽立ちの始末が求められる。

だから制服を常用する幹部は私物を買う。自由経済で作られる私物服は最高だ。ノーアイロン、自宅洗濯機で水洗い可能、ズボンはツータック・アジャスター付、しかも下着透視対策の極薄ナイロンの内張りがある。また機能繊維で通気性が高く、高級長繊維なので毛羽も立たない。

これは帽子も靴も作業服も同じだ。かさばらない折畳タイプ制帽、磨かなくても光る靴、膝痛に優しいクッション靴底、酷暑室内用の絽の半袖作業服やカーハートFR相当の防火繊維採用作業服がある。

これは縫製メーカーが悪いのではない。「どうせ戦争では使わない制服だからとにかく安く」「幹部は私物を買うからそれでよい」と仕様を切下げた結果だ。*1そのような低性能品をわざわざ高額になる国産品として使うべきだろうか?

官給品は海外製でよい。さらにいえば、喪服を作っているような国に発注すれば既存品よりも安い価格で水洗い可能、ノーアイロン、ツータック・アジャスター付きの官給制服が入手できるだろう。

■ 今でも海外製が使われている

第3の理由は「今でも海外製を着ている」ためだ。

海外製採用への反論としてはスパイが持ち出される。「中国製を採用すると中国スパイが紛れ込む」意見だ。自衛隊のやることをはすべて無批判にヨイショするカルト愛国メディアに多い。亜流としては「納棺服となるから日本製」「日本縫製でなければ気品は出ない」といったオカルト発言もある。

だが、その反論は意味はない。

まず出入門チェックは制服ではない。身分証明書やそのICタグで行われる。チェックされるのは服装の乱れだ。それも若手下士官や兵隊が制服・私服で通門する際に、しつけ名目に半分嫌がらせで観るだけだ。

その上でいえば今でも海外縫製品は普及している。

私物制服はおそらく海外縫製である。ごく一部、例えば横須賀の銘店、安藤洋服店のさらに英国生地を使った手縫い品でもなければそうだろう。それ以外の制服店なら青山やコナカと同じ工場と見ている。なんせ青山やコナカでかったズボンを実混用してもわからない。

米軍向けや英軍向けをそのまま着ている自衛官もいる。例えば、海自の夏制服でボタンが透明なタイプは米海軍用の制服である。どうやってもアイロンがかからないほど素晴らしいノーアイロンである。また陸海空とも肩章ワイシャツや肩章セーターはその手が多い。米英ほかの軍隊採用品をそのまま着ている。*2

これが問題となるか?ならない。その判断をする指揮官級の高級幹部が率先して着ている。留学先で折畳み正帽を入手するともう手放せないという。出張は背広姿であり制服一式を携行する。なにより正帽は始末に困るのだ。

この状況で「国産制服でなければスパイが紛れ込む」は馬鹿な話である。

ちなみに、国産制服にしてもスパイは紛れ込める。制服仕様は公開されている。どこでも作れるし誰でも買える。これは戦前からそうだ。「海軍省にコスプレしたマニアが室内まで入り込んだ。でも何の実害もなかった」といった笑い話があった。国産制服でも結局は同じなのだ。

この点でも、官給制服を国産しなければならない理由は立たない。

制服は海外製にすべきである。そして、それで余った金で本当に必要な迷彩服や陸戦靴、作業服の高性能化し、あるいは貸与数を増加させたほうがよい

*1 短靴の品質は最悪だった。軽作業は短靴で行うが全く向いていない。筆者の記憶でも壁梯子で屋上に登るには滑って危険であり、除雪指揮で融氷材が掛かったら翌日にはバラバラになった。幹部用のストレート・チップ短靴は糊づけだったのだ。以降、ハシゴは地下足袋で、除雪立ち会いは軽登山用の厚革チロリアンを使っていた。

*2 筆者が聞いた面白い話は「タイ海軍の制服を転用する」アイデアだ。衣替えは6月1日(地域で違う)だが、4月5月まで黒制服は暑すぎる。同期のタイ海軍留学生が着ていた、反対側が透けて見えるほど通風性のよい黒制服を入手しようといった話だ。

また最初の部隊で部下だった准尉さん(実質は准尉さんのほうが上)はスニーカーだった。「革靴は蒸れるから」と黒系のエアーマックスのようなスニーカーを買い、目立つ部分をマジックで黒塗りして履いていた。*3

*3 准尉サンはとてもとてもエライ。昔の軍隊の階級でいうと海軍兵曹長や海軍少佐と同じくらいにエライので何をしてもOKなのである。

[全文は引用元へ…]

以下,Xより

meguさんの投稿】

引用元 https://japan-indepth.jp/?p=40071

みんなのコメント

  • 自衛隊の制服を海外製にするなんて、日本の安全保障意識が低すぎる。コスト削減も大事だが、何よりも国の防衛を最優先に考えるべきだ。
  • 国産品が高額なのは分かるが、それを理由に外国製に頼るのは危険だ。情報漏洩のリスクを考えれば、国内製造にこだわるのが当然だと思う。
  • 制服が戦争に使われるわけではないとはいえ、自衛官の士気にも関わる問題だ。日本の自衛隊員が誇りを持てるよう、質の高い国産品を提供すべきだ。
  • 制服の更新ペースが遅いのは、そもそも計画の立て方に問題があるのではないか。安易に外国製に切り替える前に、コストの見直しを徹底すべきだ。
  • 安価な外国製品を採用した結果、すぐにほつれたり破損したりすれば、結局余計なコストがかかる。品質管理が徹底できる国産が最適だ。
  • 防衛に関わる物資は全て国内調達を基本とすべき。予算の都合を理由に安全保障をおろそかにしてはならない。
  • 制服を外国製にしてコスト削減をするくらいなら、他の無駄遣いを見直して予算を確保すべきだ。国防費は削るべきではない。
  • 海外製の制服を採用すれば、自衛隊員の信頼感も揺らぐ。国産を維持することで、安心して任務に臨める環境を整えるべきだ。
  • これまで海外製品の品質に関する問題が数多く報告されている。自衛隊の制服も同様のリスクがあることを忘れてはいけない。
  • 制服だけでなく、装備全般の調達についても国内企業との協力を深めるべきだ。長期的な国益を考えれば、安易な外注は避けるべきだ。
  • 外国製に頼ることで、日本の防衛産業が衰退し、技術力の低下を招く恐れがある。産業基盤を守ることも国防の一環だ。
  • 日本の防衛力を強化するためには、国内製品の品質向上を目指し、持続可能な生産体制を整えることが必要だ。
  • 現場の自衛隊員は、安価な外国製よりも品質の高い制服を望んでいる。現場の声を無視してコスト削減だけを優先すべきではない。
  • 安さを求めるなら、まずは中間業者の無駄を排除し、コストを見直すことから始めるべきだ。外国製の導入は最終手段にすべきだ。
  • 中国製や他国製の制服を導入すれば、安全保障上の問題だけでなく、日本のイメージにも悪影響を与える。
  • 自衛隊の装備は、日本の技術力の結晶であるべきだ。安易なコスト削減で、その信頼を損なうべきではない。
  • 過去に外国製品を導入して失敗した例はいくつもある。それを教訓に、慎重に判断するべきだ。
  • 制服は単なる事務服ではなく、自衛官の誇りや士気を高める役割もある。国産にこだわるべき理由はそこにある。
  • 外国製の制服を採用することで、国民の信頼を失うことになりかねない。自衛隊は国民の税金で支えられていることを忘れてはならない。
  • 自衛隊の制服を含む装備の調達は、日本の安全を守るための大事な判断であり、安易にコスト削減を優先すべきではない。

編集部Aの見解

自衛隊の制服問題が再び話題となっている。特に、制服を国産品に限定せず、コストを抑えるために海外製品を採用すべきだという意見が出ている。確かに、制服は実戦で使用する装備ではなく、主に儀礼や事務作業時に着用するため、機能性よりもコストや利便性が重視されるべきだという考えには一理ある。しかし、自衛隊という組織の性質を考えると、単純にコスト面だけで判断するのは危険ではないかと感じる。

まず、安全保障の観点から、自衛隊の装備や制服は極めて機密性の高いものだ。たとえ制服が事務作業用であっても、素材やデザインの仕様が流出する可能性がある。例えば、中国製の制服が採用された場合、製造工程において情報が外部に漏洩し、自衛隊の運用に悪影響を及ぼすリスクが考えられる。特に、近年では国際的なサイバー攻撃が増えており、防衛に関する情報管理がますます重要になっている。このような状況を踏まえれば、少なくとも制服に関しては国内製造を基本とするべきではないかと思う。

また、国産制服の品質が低いという指摘もあるが、これは製造側の問題というより、仕様や発注プロセスに原因があるのではないか。過去においても、コスト削減を優先しすぎた結果、品質が二の次になり、結果的に現場の不満を招いた例は少なくない。民間企業であれば、価格と品質のバランスを取ることが重要とされるが、国防に関わる自衛隊の装備については、価格のみに依存する選択肢は慎重に検討すべきである。

さらに、国産品を使用することで得られる経済的メリットもある。国内の縫製業界の維持や雇用創出の観点からも、自衛隊のような大口の需要があることは、産業の活性化につながる。特に、地方の中小企業にとっては安定した仕事の確保となり、地域経済の発展にも寄与する可能性がある。コスト削減ばかりが重視されがちだが、長期的な視点で見れば、国内の技術力維持や安全保障の観点から、国産を選択することの意義は大きいと考えられる。

一方で、現場の声を無視することもできない。幹部クラスが私物の制服を選ぶほど、官給品に不満があるという現状を放置してはならない。官給品の品質向上を目指すためには、現場の意見を反映した改良が必要だろう。例えば、耐久性や通気性、メンテナンスのしやすさなど、細かな点を見直し、実用的な製品を提供することで、無駄な私費の支出を防ぐことができる。

また、海外製品の導入を検討する際には、信頼できる国を選ぶべきだ。コスト面だけを重視するのではなく、日本と安全保障上の協力関係にある国との連携を強化する形で、品質管理を徹底した上で調達を進めることが重要である。例えば、米国や欧州の同盟国からの供給を視野に入れ、品質と安全性を両立させる方法も検討すべきだろう。

結果として、制服を国産にすべきかどうかは単純なコスト比較では決められない問題であり、長期的な視点で日本の防衛産業や安全保障にどのような影響を与えるかを総合的に考える必要がある。目先のコスト削減に走るのではなく、安全保障、経済、安全性といった要素をバランス良く考慮しながら最適な方法を模索するべきだ。

自衛隊の装備は、日本の防衛に直結する重要な要素であり、安易な決定は将来のリスクにつながる可能性がある。今回の制服問題をきっかけに、装備調達に関する議論を深め、国民が納得できる形での結論を導き出すことが求められる。

執筆:編集部A

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