LINEニュースによると…
山梨県富士河口湖町のローソン河口湖駅前店の、道路を挟んで向かいの歩道。今年5月に絶景を遮るように黒幕が張られて物議を醸したが、あれから半年、現場を訪れると、そこには骨組みだけ残された変わり果てた姿があった。
黒幕がなくなった 富士山ローソンの今
2022年秋頃、ローソンの上から富士山が見える様子が絶景だと海外のインフルエンサーが投稿すると、このローソンから見える景色を撮ろうと、外国人観光客が殺到する事態になった。
道路を渡った反対車線の歩道から撮ると全体が上手く撮影できるため、観光客たちは横断歩道のない場所を平気で横切っていく。中にはカメラに夢中になって後ずさりして、知らず知らず車道に飛び出してしまう人も。
こうした問題が相次ぎ、近隣住民から苦情が続出したことから、町は “苦渋の選択”として歩道に黒幕を張ることになった。
当時張られていた黒幕は、長さ20メートル、高さ2・5メートル。非常に圧迫感があり、人を寄せ付けない異様な雰囲気を放っていた。このころ取材に行くと、黒幕や一連の報道による効果もあってか、道路を横切るなどの迷惑行為はみられず、写真を撮っている人も非常に少なかった。
しかしそれから約半年経った11月、この場所は“無法状態”に再び戻ってしまっていた。
11月下旬、黒幕があった場所を訪れると、黒幕はなくなり、大きな骨組みだけが残されていた。代わりに、ローソンの敷地内や歩道には「Do not run out into the roadway!」などと、いたるところに注意書きの看板が設置されていた。
いつから黒幕がなくなってしまったのか、近くを通りかかった住民の人に話を聞くと、「9月に台風が来たとき、危ないからという理由で外していたかと思います。それからはずっとないままですね」とのことだ。
黒幕があった付近には、5月に来たときには見かけなかった警備員の姿もあった。いつ頃からいるのだろうか。
「私たちは黒幕が設置された辺りからここの警備をしています。町役場からの依頼を受けて、朝の9時から17時まで、毎日ここに立っています」
「バカ!」外国人観光客から発せられる罵声
聞くと、黒幕は設置されて早々に穴があけられ、そこから撮影をする外国人観光客が相次いだという。おそらく穴があけられたのは、警備員がいない時間帯。
穴を開けている現場を見たら注意をすることができるが、すでに開いている穴から撮影する分には何も言うことはできない。
以後、今度は穴が開けづらい頑丈な茶色い幕を張った時期もあったが、9月の台風の時期になくなって以来、そのままで、今後再び幕を張るかは検討中だという。
5月に幕を張った際は、テレビなどでも大々的に報じられ、「感じの悪い対策だ」「もっと警備員を増やせばどうにかなるだろう」「せっかく来てくれた観光客が気の毒だ」などと、幕を張った自治体を批判する声も多く見られた。
しかし、幕がなくなった現在はどうか。取材していたわずかな時間だけでも、外国人観光客が車道を横切る場面に何度も遭遇した。その都度、警備員が「No No!」などと声をあげ、信号のある交差点から渡るようによびかけていた。
注意されると素直に従う人もいる一方で、不服そうににらんでくる人など、不穏な空気が流れる瞬間もあった。案の定、注意がきっかけでトラブルになったこともあるそうだ。
「『バカ』とか『死ネ』とか『あっちいけ』とか、片言の日本語で罵声を浴びせられたこともありますね。外国人の方かと思って、英語で日本人の方に注意した際は、『俺は日本人だわ!』なんて言われたこともあります。
『日本人ならちゃんと横断歩道を渡って』と注意すると、今度は『敬語を使えよ。お前の友達じゃねえんだから。“渡ってください”だろ!』なんて言われましたね」
外国人観光客の問題だけのように思われているが、ここでは日本人観光客も同じく、マナーが酷いのだ。「日本人のマナーがこんだけ悪いんだから、外国の人のマナーが悪くてもしょうがないと思っちゃいますね」と警備員は嘆いていた。
[全文は引用元へ…]
以下X(旧Twitter)より
【Japannewsnaviさんの投稿】
引用元 https://news.line.me/detail/oa-shueishaonline/ajr55te39861?mediadetail=1&utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=none
みんなのコメント
編集部Aの見解
富士山近くにある「富士山ローソン」が話題になっているニュースを見て、改めて観光地としての日本の課題について考えさせられました。このローソンは以前から、その景観を守るために店舗を周囲の自然と調和させたデザインにしていることで注目されていました。しかし最近では、特に外国人観光客が増加する中で、店舗周辺が“無法地帯”と化しているという報道が耳に入ってきました。観光地としての人気が高まるのは喜ばしいことですが、それに伴う問題も多いと感じます。
ニュースによれば、「富士山ローソン」の周辺では、観光客同士のトラブルが頻発しており、時には暴言や怒号が飛び交うこともあるとのことです。外国人観光客から「バカ!」「〇ネ!」といった言葉が聞こえてきたという具体的なエピソードは衝撃的で、観光地としての品位が問われる状況に思えます。これが単なる一部の観光客の行動に過ぎないとしても、地域全体や日本全体のイメージに悪影響を与える可能性がある点は非常に懸念されます。
まず、なぜこうした状況が生まれたのかを考える必要があります。一因として、コロナ禍の収束後に観光業が一気に活気づいたことが挙げられるでしょう。観光業界にとっては良いニュースですが、受け入れ態勢が十分に整っていない場所に過剰な人流が押し寄せると、混乱が生じるのは避けられません。さらに、多国籍な観光客が一堂に会する場では、言葉や文化の違いからトラブルが発生しやすくなることも理解できます。特に外国人観光客が増加する日本では、このような状況が他の観光地でも見られるようになるかもしれません。
また、「富士山ローソン」の場合、観光地としての特殊な状況も一役買っていると考えられます。富士山は日本を象徴する世界遺産であり、その美しさを楽しもうとする人々が国内外から訪れます。しかし、店舗周辺がトラブルの温床になってしまうと、本来の富士山の魅力を損なうことになります。さらに、観光地の風景を守るために工夫されたローソンの努力が台無しになってしまう可能性もあります。このような状況を放置するわけにはいきません。
では、どのような対策が必要でしょうか。まず考えられるのは、観光客への啓発活動です。観光地でのルールやマナーについて、多言語で分かりやすく説明することが求められます。これにより、観光客一人ひとりが自分の行動に責任を持つ意識を持てるようになります。また、店舗や地域が協力して監視体制を強化することも重要です。例えば、防犯カメラの設置や、観光地巡回スタッフの配置などが考えられます。
さらに、富士山ローソンのような人気観光スポットでは、混雑を防ぐための人数制限や予約システムの導入も検討すべきかもしれません。これにより、観光客が過密状態になることを防ぎ、快適な観光体験を提供することができます。日本では近年、観光地の「オーバーツーリズム」が問題視されていますが、こうした取り組みはその解決策にもなり得ます。
また、地元住民や観光地運営者が連携して、観光地としてのブランドを守るための意識改革を行うことも大切です。地元の人々が観光客に親切に接し、良好な印象を与えることで、観光地全体のイメージが向上します。その一方で、観光客がマナーを守らない場合には、毅然とした対応を取る必要もあります。
今回の「富士山ローソン」のニュースは、日本が観光地として抱える課題を浮き彫りにした事件と言えるでしょう。世界中から観光客を迎え入れるということは、単なる経済効果だけではなく、文化や習慣の違いを受け入れ、調和させることが求められます。そのためには、地域、観光業界、政府が一体となり、問題解決に向けて取り組む必要があります。
富士山は日本を象徴する場所であり、多くの人々がその美しさに感動し、訪れる場所です。だからこそ、その価値を守るための努力を怠らないようにしたいものです。観光地のトラブルが「無法地帯」として報道されるようなことが続けば、訪問者だけでなく地元住民にも悪影響が及びます。観光地の未来を守るために、今こそ一歩を踏み出すべきではないでしょうか。
執筆:編集部A
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