政界随一の鉄道好きとして知られる自民党の石破茂元幹事長は、リニア中央新幹線に一家言を持つ論客だ。リニアに需要はあるのか、国の融資を使う理由は十分説明されているのか、地方の鉄道は置き去りではないか――。石破氏が抱く疑問は尽きない。そして、こうも漏らした。「鉄オタとしてさ、リニアほどつまらないものはない」
【聞き手・原田啓之、佐久間一輝】
リニアの議論「熟していない」
――リニアのトンネルは静岡県北部の南アルプスを通るため、そこを水源とする大井川の流量が減少する懸念があります。静岡工区の着工に反対してきた県知事の川勝平太氏が、職業差別と取れる問題発言の後に辞職しましたが、リニアに対する川勝氏の姿勢をどう見ましたか。
◆川勝氏と議論したことはないが、絶対にリニアに反対ってことではなかったのではないかな。工事で大井川の水が枯れちゃうんじゃないか、農業用水はどうなるのか、といった疑問にきちんと納得いくように答えてちょうだい、ということではなかったでしょうか。ただ、今度の辞職は実に唐突というか、がっかり。(失言は)あまり適切な発言とは思えないので、辞め方は残念です。
――26日投開票の知事選では、有力な候補者が相次いでリニア推進を掲げています。
◆静岡工区をどうすべきかについてはいろんな世論調査があり、質問の仕方によって全然答えが違う。(県民の)反対が多いとか賛成が多いとか一概には言えない。ただ、水源の問題は本当に大丈夫か、きちんと答える義務が施工者側のJR東海にはあります。
――静岡県民からは、リニアをつくったところで県内に駅ができるわけでもなくメリットがあまりない、という声が聞こえます。
◆「うちに何のメリットがあるんだ」と言い出したら、いろんな計画が成り立たなくなっちゃいます。(続きは引用元)
引用元 https://mainichi.jp/articles/20240510/k00/00m/010/063000c
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