日本学生支援機構を通じた奨学金のうち、留学生向けを除いた▽給付型と貸与型の奨学金▽高等教育の修学支援新制度の授業料等減免――の対象者は、これまで日本国籍保有者や永住者、特別永住者などに限られていた。

 4月からは、日本で働く外国人労働者の配偶者と未成年の子が取得できる在留資格「家族滞在」の学生も対象とする。日本の小学校から高校までを卒業し、大学卒業後も日本で働き、定着する意思があることが要件となる。文科省は、対象となり得る外国人学生を年間約200人と見込む。

 国内では、人手不足で労働力を外国人に頼る動きが加速している。厚生労働省によると、国内の外国人労働者は昨年10月末時点で、過去最多の204万8675人に上った。これに伴い、「家族滞在」も増え、出入国在留管理庁の統計で、昨年6月末で約24万5000人と10年間で倍増した。

 外国人の子供の進学機会の確保を巡っては、昨年5月の自民党・外国人労働者等特別委員会が、「家族滞在」の子供への人権に配慮し、奨学金制度を拡充する必要性を提言。各地の支援団体も、外国人労働者の子供は親の就労環境から経済的に困窮しやすいとして、文科省に対象拡充を要望していた。支援者の一人は「外国人学生は将来の日本を支える一員。対象拡充は大きな一歩だが、高校進学時など更に対象が広がることが望ましい」としている。