外国籍であることを理由に千葉市が生活保護申請を却下したのは違法だとして、同市に住むガーナ国籍のシアウ・ジョンソン・クワクさん（33）が生活保護の開始を求めた訴訟の控訴審の第1回口頭弁論が11日、東京高裁（松井英隆裁判長）であり、即日結審した。
原告側は「生命の危険に脅かされる外国人を行政が放置するならそれを正すのが司法の責任だ」と訴えた。
ジョンソンさんは肺炎で入院中のため代理人弁護士が陳述書を代読。
「持病により2日に1回の透析を3回連続でできないと死んでしまうが、ガーナに透析が受けられる病院はほとんどない。自分で働けるようになるまでの間、生活保護を認めてほしい」と語った。
被告の千葉市側は「生活保護法が保障対象とする『国民』は、日本国籍を有する者を意味することは明らかだ」と主張した。
ジョンソンさんは2015年に来日し、食品会社で働いたが19年に末期腎不全と診断された。
在留資格は療養目的の「特定活動」に変更され、就労が禁止に。
21年に千葉市に生活保護を申請したものの却下されていた。
今年1月の千葉地裁判決は「外国人に生活保護法に基づく受給権はない」と最高裁判例を踏襲し、ジョンソンさんの訴えを退けた。控訴審の判決言い渡しは8月6日。
◆先月から入院 原告のジョンソンさん「一審と同じ結果に…心配」
第1回口頭弁論前日のジョンソンさん。入院中で出廷できず、「地裁判決と同じにならないか不安だ」と話した＝県内で（支援団体提供）
「千葉地裁判決と同じ結果にならないか心配です」。原告のシアウ・ジョンソン・クワクさんは支援団体を通じてこうコメントした。
一審の後も、千葉市内のアパートに1人で暮らす。
就労が禁じられているが、「社会とのつながりを持ちたい」と、近くの福祉施設で配膳や清掃のボランティアをしてきた。
母国のガーナ大使館には、千葉市に生活保護を申請する前から何度も相談や支援要請をしている。
ただ、代理人の及川智志弁護士によると、まともな返事は来ていないという。
訴訟について報じられると、心配した県内外の人らからそれまで以上に物資や寄付金が届くようになった。
ジョンソンさんは、体調が許す限りお礼状を書いて感謝を伝えている。
しかし5月中旬、人工透析中に体調不良を訴え、肺炎と診断された。病状は落ち着いてきたが、今も入院中だ。
一審は、「生活保護法上の権利」としての生活保護だけではなく、旧厚生省の1954年の通達に基づいて一定の外国人に認められている「人道的な措置」としての生活保護についても司法判断を問う初のケースだった。しかし、「そもそも（法律上訴訟で争うことができる）行政庁の『処分』には当たらない」と、訴えは門前払いされた。
及川弁護士は、一審判決は、ジョンソンさんが人工透析を受け始めた時期を誤るなど「証拠書類を読めば分かる基本的な事実認定もできていない。原告の極めて厳しい健康と生活の問題を直視していない」と批判。
「今は支援者の善意に支えられているが、万が一途絶えてしまったら生きていけない。ジョンソンさんを見殺しにしてしまうのか、そのことが問われている」と強調した。（加藤豊大）
みんなのコメント
- 及川弁護士、ガーナ大使館には支援要請しているが「まともな返事は来ていない」 じゃぁ何で日本がまともな返事しなきゃならんのよ
- 外務省経由で大使館に照会すれば、すぐに片付きそうな予感。 政府の姿勢次第じゃないのかな
- 自国で治療できるのなら 自国に 帰って 治療 してくれ 日本には ナマポ めあてで 来たんだろ
- そこまでして生活保護に集るつもりなんだな。 おそらくガーナにはそんな仕組みがないかもしれない。 ところで兄弟がいる設定はどうなったのかしら。 フェイクだったの？それとも面倒見きれないと拒否されたのかしら
- ハエが集るように岸田日本に寄ってくる
- 働けるまで生活保護って 透析までやってて、更に悪どい寄生目的の途上国外国人が また働き出すわけないだろ。 永遠に生活保護寄生だろ
- 透析が必要な体が働ける様になる訳ねーだろ
- 何で難民申請認可ならない外国人や家族に重病で 居座ってるの疑問に思えます
- 「働けるまで生活保護を」＝未来永劫
- 一般に透析なら2〜3週間おきですから、今の移動手段を考慮すれば、手続きにかかる時間を差し引いても、計画的に行えば帰国後に引き続き透析に行っても間に合うと思うのです。(母国の病院の対応がどうかはわかりませんが)
- どうせ働く気は無いだろう
難民ではないのに、難民申請を繰り返す人間もそうだけど、じゃ、日本人がガーナに住んでいて
逆の立場だったとき、そうやって助けてくれるんですか？
日本以外なら、そもそも今の段階もないはず。
日本は打ち出の小槌ではありません。
すべて国民（法人税他も含めて）の税金ですよ。