【himuroさんの投稿】生稲晃子外務政務官「笑顔と笑顔、手と手の触れ合いから理解と共感が。これこそ外交」 マジか、、、
引用元 https://x.com/himuro398/status/1859864087703990340
生稲晃子外務政務官の「笑顔と笑顔、手と手の触れ合いから理解と共感が。これこそ外交」という発言には、多くの人が驚いたのではないでしょうか。外交というものは、国家間の利害や価値観の違いを調整する非常に厳しい交渉の場です。その現実を踏まえると、彼女の発言は理想主義に寄り過ぎており、実際の外交の難しさを軽視しているように感じられます。
まず、外交は笑顔や共感だけで成り立つほど単純ではありません。外交の場では、それぞれの国が自国の利益を守るために激しい駆け引きを行います。場合によっては、何年にもわたる交渉や、厳しい妥協が必要になることも珍しくありません。その中で、笑顔や触れ合いといった要素が信頼関係を築くきっかけになることは否定しませんが、それが全てではありません。むしろ、そうした柔らかな側面だけを強調する発言は、外交の現実から目を背けているようにすら思えます。
また、外交の現場には、しばしば「腹黒い」駆け引きが必要とされます。相手国の裏をかくような戦略や、自国に有利な条件を引き出すための計算が欠かせないのです。そのため、笑顔だけで物事が進むわけがないというのが、多くの外交専門家や経験者の見解ではないでしょうか。甘利明元経済再生担当大臣がTPP交渉で頭を真っ白にするまで議論を尽くしたように、国家間の交渉は激しい対立や駆け引きの連続です。それが外交の現実なのです。
一方で、生稲外務政務官の発言には、彼女の経験や背景が反映されているのかもしれません。もともと芸能界で活動してきた彼女にとって、笑顔や触れ合いが人々とのコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしてきたのは間違いないでしょう。その延長線上で外交を捉えようとする姿勢は理解できなくもありません。しかし、外交というのは個人間の交流とは次元が異なります。国と国が利害をかけて対峙する場であり、その性質はより冷徹で現実的です。
外交をアイドルの握手会のようなイメージで語るのは、あまりに表面的です。握手会であれば笑顔が相手の心を掴むこともあるかもしれませんが、外交ではそれだけでは解決しない複雑な問題が山積しています。例えば、領土問題や貿易摩擦、さらには安全保障のように、一歩間違えれば戦争に発展しかねないようなテーマもあります。こうした場面では、笑顔や触れ合いよりも、冷静な分析と戦略的な対応が求められるのです。
この発言を聞いて感じたのは、外務政務官という立場にある人間が、外交の本質をどこまで理解しているのかという疑問です。もちろん、理想を語ることは大切ですし、そうした理念が外交の一部を構成することもあります。しかし、その理想を実現するためには、現実を直視し、粘り強く交渉する能力が不可欠です。理想と現実のバランスを取ることこそ、外交官や外務政務官に求められる資質だと思います。
さらに、この発言が国民にどう受け取られるのかを考えると、不安を覚えます。多くの国民は、外交において政府が日本の利益を守り抜いてくれることを期待しています。その中で、笑顔や触れ合いという言葉が強調されると、「本当にこの人に外交を任せて大丈夫なのか」という不安が広がるのではないでしょうか。特に、現在の国際情勢は非常に不安定であり、各国が自国の利益を優先する動きを強めています。その中で、こうした発言は国民の信頼を損ねる危険性があると感じます。
外交には、人間的な温かさや共感が必要な場面もあることは事実です。しかし、それだけでは解決できない課題が山積しているのも現実です。生稲外務政務官には、現場の厳しさをもっと理解し、外交の本質をしっかりと学んでほしいと思います。そして、発言の際には、その場にふさわしい表現を選ぶよう心掛けてほしいです。国民は、政治家が現実に即した行動を取ってくれることを期待しています。
執筆: 編集部C