田原 中国はどうでしたか。
舛添 長らく国際政治の構造変化を研究してきましたが、歴史に照らせば、アメリカの一極支配が終わり、次に中国が天下を取ることは十分あり得ると考えています。
今回、4年ぶりに中国を訪れましたが、中国は毎年約5%ずつ、ここ4年間の累積で20%、成長しており、年々、日本と差が開いてきています。現時点で日本は完全に中国に負けていると感じました。
田原 どの点でそう感じましたか。
舛添 特に先端技術の普及においてです。
中国では、スマートフォン1台あれば何でもできてしまいます。
例えば、街なかの大衆食堂では、スマホで予約から注文、決済まで完了します。コロナ禍で日本の都市部でもスマホによる注文や決済というのは増えましたが、中国はものすごいスピードで普及しています。現金を使う場面もありません。料理も以前と比較して安くておいしく、地方部でもデジタル化が浸透している。こうなると、日本はなかなか厳しいなと思いました。
EV(電気自動車)市場も自動運転も進んでいます。人々が乗る車やカーナビなどのシステムは、日本をはるかにしのぐ、世界の最先端モデルです。
田原 経団連も、中国の経済力はアメリカにだいぶ近づいていると考えているようですね。
(…続きは引用元)
国際政治学者、前東京都知事。1948年、福岡県生まれ。1971年、東京大学法学部政治学科卒業。パリ、ジュネーブ、ミュンヘンでヨーロッパ外交史を研究。東京大学教養学部政治学助教授を経て政界へ。2001年参議院議員(自民党)に初当選後、厚生労働大臣(安倍内閣、福田内閣、麻生内閣)、東京都知事を歴任。『都知事失格』『ヒトラーの正体』『ムッソリーニの正体』『スターリンの正体』(すべて小学館)、『プーチンの復讐と第三次世界大戦序曲』(集英社)、『現代史を知れば世界がわかる』(SBクリエイティブ)など著書多数。
田原総一朗(たはら・そういちろう)
1934年、滋賀県生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学卒業後、岩波映画製作所や東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、1977年からフリー。テレビ朝日系「朝まで生テレビ!」などでテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。1998年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ「ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)」受賞。「朝まで生テレビ!」「激論!クロスファイア」の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数。近著に『さらば総理』(朝日新聞出版)、『人生は天国か、それとも地獄か』(佐藤優氏との共著、白秋社)、『全身ジャーナリスト』(集英社)など。2023年1月、YouTube「田原総一朗チャンネル」を開設。
引用元 https://diamond.jp/articles/-/343592