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【岸田総理】「ずっと俺のターン!」…補選惨敗なのに「岸田おろし」が起こらない驚くべき「カラクリ」

 空前の円安で、ゴールデンウィークは「節約旅」がトレンド入り。国民が物価高にあえぐなか、裏金問題の真相究明すらしようとしない自民党に、補選で「ノー」が突きつけられた。ところが……。

「ゼロ打ち」惨敗の衝撃

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 「島根1区においては、これまでの選挙を上回る圧倒的な運動量でありましたけれど、非常に逆風が強かった」  自民党が唯一、候補者を擁立した島根1区の惨敗を受け、幹事長の茂木敏充は党本部でこう語った。午後8時の投票終了直後、開票率0%で立憲民主党候補・亀井亜紀子の当確が報じられた。  自民党中堅議員が言う。  「事前調査で厳しい数字が出ていたとはいえ、岸田(文雄)総理が投票前日にも現地入りしたのに、『ゼロ打ち』で惨敗は衝撃が大きい。茂木さんも自身の責任を回避するために、『裏金問題』の逆風が強かったと強調したのでしょう」  かくして3補選は下馬評通り、自民党の全敗で終わった。  「岸田総理では次の選挙は戦えない」「一刻も早く新しい選挙の顔を」  自民党の若手議員からはこんな声があがる。  新聞各紙が行った世論調査でも、「政権交代を望む」という意見が軒並み50%を超えている。もはや岸田政権が国民の信を失っているのは明白だ。  しかし、不思議と党内には本格的な「岸田おろし」につながる気配はない。永田町には妙な凪の雰囲気が漂っている。

岸田の必殺「解散ちらつかせ」作戦

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 実は岸田はこうなるように布石を打っていた。補選から遡ること3日、最側近である幹事長代理の木原誠二が党会合で突如、こう切り出した。  「今、自民党は非常に厳しい状況だ。政権交代が起こってもおかしくない」  この発言に永田町は騒然となった。  「岸田さんがもはや木原さんの進言も聞かなくなったのではないかとの憶測を呼んだのです。このままでは岸田さんが暴走してやけっぱち解散を打ちかねない。そこで木原さんが党会合で危機を煽り、岸田さんに思いとどまらせようとしているのではないか、と」(元安倍派若手議員)  さらに党本部は岸田と茂木の連名で、所属の国会議員に年4回支給する「支部政党交付金」について、7月分の支給時期を同月末から6月に前倒しすると通知した。しかも「パーティー収入の減少などを鑑みた」として支給額を増額させた。  「これは総理からの『6月解散7月選挙に備えよ』というメッセージではないか」(二階派若手議員)  しかし、こうして議員たちに解散があるのではないかと思わせることこそが、岸田の手なのだ。  総理を批判して刺激しすぎると、本当に解散を打ちかねない。そして自公が過半数を失う─こう思わせることで、「岸田おろし」を封じ込め、党内に萎縮ムードを作り出そうというわけだ。

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 もちろん岸田とて、今の状況で解散を打つほど愚かではない。あくまで解散はちらつかせるだけ。皆が慌てているあいだに、党内のライバルの動きを見て、弱体化させることに勤しんできた。

財布の紐を握って「茂木封じ」

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 現在、岸田にとってもっとも目障りなのは、幹事長の茂木だ。  「政治資金規正法の改正について、岸田さんは渡米前に自民党の改正案をまとめるよう指示を出していた。にもかかわらず岸田さんが渡米すると、取りまとめの動きに急ブレーキがかかった。結果、自民党は公明党からも『独自案がないのはおかしい』と非難されるハメに。これは茂木さんがわざとサボタージュしたためと言われています」(自民党幹部)  茂木はこのように、ことあるごとに岸田の足を引っ張ろうと小細工をしかけてきた。総裁選への意欲も隠そうとしない。  そこで岸田は茂木の首に鈴をつけることにした。  「23日の党総務会で、政治資金収支報告書の記載漏れの処分を受けた元二階派の林幹雄さんの後任として、岸田さんは信頼している山本有二さんを経理局長に任命しました。経理局長は幹事長から政策活動費などをはじめとしたカネの使い道の指示を受け、差配するポスト。茂木さんは元自派閥で前復興相の渡辺博道さんを推しましたが、岸田さんがこれを却下して、山本さんにしました。  今後、茂木さんのカネの使い道はすべて岸田さんの耳に入るわけで、茂木さんは動きづらくなりました」(自民党議員秘書)  すでに茂木の足場となるはずだった茂木派は解消が決まっている。そこで元安倍派の若手議員らと会食を繰り返しているが、党内支持はまったく広がっていない。茂木に誘われたという安倍派の若手議員が言う。  「茂木さんは自分の話ばかりで、こちらが話をしても途中で遮って、一方的にまくし立ててきた。そういうのが続いて、もうこちらから話すのはやめた。正直がっかりした。  茂木さんは後ろ盾になっていた麻生太郎さんからも見切りをつけられたと言われている。もはや総裁選に出られないんじゃないか」  「週刊現代」2024年5月11日号より 後編記事「岸田総理が考える『史上最低の総裁再選戦略』ーー支持率が上がらないなら、ライバルを蹴落とせばいいじゃない」につづく。

週刊現代(講談社)

引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/dcc980bd531425873cd3432404cc34417ac9e036?page=2

みんなのコメント

  • 今回の衆院3補選で不戦敗を含め自民党は惨敗に終わった。党内では「岸田首相が顔では勝てない」との声はあるものの、有力なポスト岸田も不在で、「岸田降ろし」の動きは進んでいない。あれだけ大勢の議員がいるのに、リーダーシップを取れる「ポスト岸田」の人材がいないのも情けない状況である。このまま自民党がまやかし程度の改革や今後自己都合の保身政治を変えていかない限り、国民の信頼回復はあり得ない。
  • 自民党とは、経団連と連携した政治団体と見ると良いと思います。これは、組合組織連合と立民や国民民主、創価と公明党といった関係と同様と考えれば良いでしょう。自民、そして企業や業界団体とは、二人三脚の関係にあります。 岸田おろしが起こるとするなら、企業などが彼に背を向けた時でしょう。岸田氏は企業との関係に一切踏み込んでいません。自民と企業との関係は続きます。流れに変化が起きるのは、自民の支持母体の大企業次第と思います。
  • 若手議員が行動を起こさない時点で終わってます。 それと全ての問題の要因ではないでしょうが、世襲議員が多くなった弊害は確かに至る所に出ていますね。 気骨が無い・苦労知らずで他人=国民の気持ちが分からない… 岸田さんに限らず、今の自民党に何を期待しても無駄と言う状態ですが、さりとて頼りになる野党も存在しないとなるとね。
  • さすがに「ずっと俺のターン!」とは思ってなさそう。 そう思っているなら当人なりに有効だと思う策を矢継ぎ早に実行するでしょう? この首相は周りを見て、耐えられなくなると小出しに的外れな策を弄しているだけに見える。 なんとか「任期いっぱいまで党総裁と首相の座を確保する」のが目的で、全ての辛言や批判/不利な情報は、無視するかスリ替えて躱すことしか考えていないように見える。 自分でも「鈍感でなければやってられない」と周りに言ったとか言わなかったとか? そういうのを、降ろす手段がないのが、腹立たしい。
  • こういう事案がある以上、不信任が通らず解散権が「伝家の宝刀」なんてほぼ総理の権利みたいになっている状態すら修正する必要がありますね。大多数の国民が支持していないのに辞めさせられないなんてどこの独裁国家ですか?外国ならクーデターものです。
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