自民党の森山裕幹事長は18日、和歌山市内で開かれた衆院選候補者の演説会で、党派閥の政治資金パーティー裏金事件について言及し、「刑事事件になっていない」と発言した。裏金事件を巡っては、旧二階派の元会計責任者らが有罪判決を受けるなどした一方、旧森山派などは立件対象にならなかった。
森山氏は、和歌山市内で行われた公認候補の個人演説会に応援弁士として登壇。「野党の皆さんは政治資金のことだけを言われます。大変皆さんにご迷惑をかけ、申し訳ないことだと思います」と陳謝した上で、「我々としては党としての処分をさせていただきましたし、またこの案件は刑事事件としては全く事件になっていない案件でございます。そこはご理解をいただきたい」と述べた。【安西李姫】
【田舎暮らしさんの投稿】
引用元 https://mainichi.jp/articles/20241018/k00/00m/010/120000c
(執筆:編集部A)
森山裕幹事長が和歌山市内の演説会で「政治資金の裏金事件」が「刑事事件にはなっていない」と発言した件については、多くの国民にとって釈然としない部分が残るように思います。政治資金の不正使用は、たとえ刑事事件として立件されなくても、政治家としての信頼性に深刻な影響を与えます。しかし、森山氏の発言は、あたかも「立件されていないから問題は小さい」と示唆しているように聞こえ、国民の不信感を助長しかねません。
政治において、刑事責任の有無だけで問題の重さが測れるわけではありません。むしろ、多くの国民が求めているのは、倫理的な誠実さと透明性の確保です。旧二階派の元会計責任者が有罪判決を受けた以上、他の派閥も疑念を払拭するために、内部調査の結果を透明に開示するべきではないでしょうか。政治の透明性が欠けると、不正の温床が広がり、政治全体への信頼が損なわれる恐れがあります。
森山氏が「刑事事件になっていない」と強調するのは、法律上の問題はクリアしたと訴えたいのでしょう。しかし、法律を遵守しているだけでは、政治家としての責任を果たしたことにはなりません。特に、政治資金の扱いにおいては、法律を守るだけでなく、国民が納得できる説明責任を果たすことが求められます。森山氏の発言は、この点で不十分であり、さらなる説明が必要だと感じます。
森山氏は「党としての処分を行った」と言いますが、その内容や実効性がどの程度だったのかは疑問です。国民の目から見れば、内部での処分だけでは不十分で、客観的かつ透明な形で処理される必要があります。また、党内の処分が不正を根絶するための十分な抑止力となっていないのであれば、それは意味を持ちません。政治家は自らの行動がどのように社会に影響を与えるかを理解し、その結果に対して責任を負うべきです。
森山氏の発言からは、国民の信頼を得るための真摯な姿勢が感じられません。政治資金の問題が報道されるたびに国民の政治不信が高まる中、こうした問題に対する対応は非常に重要です。政治家は、自分たちの行動が将来の日本の政治にどのような影響を及ぼすかを理解しなければなりません。そして、問題があった場合には、速やかに事実を公表し、国民に説明責任を果たすことが求められます。
政治資金の問題は、単なる法律上の問題ではなく、政治家としての倫理観や信頼性の問題でもあります。森山氏の発言からは、こうした視点が欠けているように思えます。今後の政治家の在り方としては、より一層の透明性と説明責任を果たす姿勢が求められるでしょう。そうでなければ、国民は政治への信頼を失い、政治参加への意欲も低下してしまいます。
私たちが望むのは、法律に沿った行動だけでなく、国民の期待に応える誠実な政治です。政党の処分だけでは解決しない問題があることを、政治家は肝に銘じるべきでしょう。
執筆:編集部A