講談社が17日に発売した漫画雑誌「モーニング」に掲載されている人気作品「社外取締役 島耕作」の中で、名護市辺野古の新基地建設に抗議する側が、日当をもらっていると表現するシーンが描かれていた。X(旧ツイッター)では「根拠を示すべき」「デマだ」などと指摘するコメントとともに広く拡散されている。
抗議活動する沖縄平和運動センターの山城博治さんは、市民が日当をもらっているなどの事実を否定し「工事が始まってもう10年。もし日当をもらっていたら今ごろ豪邸が建っている。県民愚弄(ぐろう)もはなはだしい。作者に抗議したい」と話した。本紙取材でもそのような事実は確認されていない。
作者は弘兼憲史さん。画業50周年として、今回のモーニングは島耕作が表紙になっている。漫画では、主人公の島耕作らが飲食をしながら辺野古の埋め立て現場を見渡す場面が描かれている。登場人物の女性が辺野古の埋め立て工事について説明するシーンで「抗議する側もアルバイトでやっている人がたくさんいますよ。私も一日いくらの日当で雇われたことがありました」と説明している。
漫画はフィクションで、実在の人物や団体名とは関係ないとしているものの、「辺野古埋め立て地」や「普天間飛行場」など具体的な固有名詞が出てきており、名護市辺野古の新基地建設現場を描いていることは明らかだ。
ノンフィクションライターの安田浩一さんは「反対運動が金で動いているという言説はさんざん出回った手あかにまみれたデマで、その後もずっと否定され続けている。影響力がある商業媒体に掲載されることで、さらにデマが広がる。本当に悪質だ。各地で市民運動に取り組んでいる人たちへの冒とくだ」と強く批判した。琉球新報社は講談社に対して見解を求めている。
【Tokyo.Tweetさんの投稿】今週発売のモーニング『社外取締役 島耕作』で「米軍の辺野古埋め立て工事、抗議する側もアルバイトが沢山いますよ、私も日当で雇われことがあります」⇒ 左翼さん激オコ ⇒ 在日3世の豊璋さん「日当貰ってた人たち知ってますよ」
引用元 https://ryukyushimpo.jp/news/national/entry-3568484.html
「島耕作」漫画の描写は現実か?日当問題に向き合う視点
講談社の「モーニング」に掲載された「社外取締役 島耕作」の描写が大きな波紋を呼んでいます。辺野古基地建設反対派の活動に「日当が支払われている」という設定が物議を醸し、多くの批判と疑問を呼んでいます。これが単なるフィクションの表現なのか、それとも現実を反映したものなのか、多くの議論が巻き起こっています。
抗議活動に「日当が支払われている」という主張は長年議論されてきましたが、公的にはその事実は否定されています。一方で、沖縄基地反対運動に対する批判的な立場からは「実際に金銭が支払われている」と信じる声も存在します。こうした主張は、特に保守的な立場を取る層で支持されがちです。実際、噂として多くの人が「活動には何らかの経済的動機がある」と考えているのも事実です。
沖縄平和運動センターの山城博治氏は、この描写について「事実無根」と反論しています。彼は「10年間にわたり工事が続いているのに、もし日当があれば豪邸が建っている」と皮肉を交えながら、このような誤解がどれほど抗議運動の本質を損ねるかを訴えています。確かに、地元住民や支持者の中には、信念や未来への希望を持って活動に参加する人が多く存在します。したがって、全体を「日当目当ての活動」とするのは不適切です。
漫画はフィクションであっても、特定の事象を描写することで読者に誤解を与える可能性があります。ましてや、辺野古や普天間飛行場といった具体的な固有名詞を用いる場合、その影響は大きくなります。フィクションの枠を超えた現実社会への影響について、作家や出版社は十分に配慮すべきです。
表現の自由は大切ですが、それが特定の人々や活動への偏見や誤解を助長するものであってはなりません。作品を通じて伝えられるメッセージが誤解を生む場合、表現者はその責任を問われることになります。特に、社会的な影響力を持つ商業媒体がこのようなテーマを扱う場合、その描写が偏った見方を助長することへの懸念は避けられません。
「日当問題」は、一部の噂が独り歩きした結果かもしれません。しかし、現実にはこのような噂が根強く信じられている背景には、社会全体に広がる不信感や政治的不満が影響している可能性もあります。噂であっても、真実であると信じる人がいる限り、社会の分断は続くでしょう。
今回の騒動を通じて明らかになったのは、沖縄の基地問題がいかに複雑で、さまざまな立場が交錯しているかということです。問題の解決には、冷静な対話と相互理解が不可欠です。一方的な批判やレッテル貼りではなく、事実に基づいた議論が求められます。
執筆:編集部A
以下X(旧Twitter)より…