埼玉県内の川口市や蕨(わらび)市などに多く暮らす在日クルド人に対するヘイトスピーチが頻発している。「出て行け」「皆殺し万歳」「偽装難民」。関係先には排除を叫ぶメールや電話があり、2月には排外主義的な主張を繰り返すデモも行われた。専門家は「ここ1年弱でヘイトスピーチのターゲットがクルド人に広がりつつある」と警鐘を鳴らす。
続きを読む「日本から出て行け、テロリスト。ボケ、日本から出て行け」
2023年12月、30代クルド人男性が経営する県内の飲食店で、電話口から男の罵声が響いた。
電話は繰り返し続き、店の予約受け付けや営業にも影響が出て「この日は売り上げが激減しました」。
この時の録音は今も男性の手元に残る。こうした電話がかかってきたのは、一度や二度ではない。
川口や蕨は、さまざまな外国人が多く暮らす街だ。特に川口は県内最多の約4万人が暮らし、市民の7%近くを外国人が占める。クルド人が暮らし始めたのは1990年代ごろとみられる。支援団体などによると、現在、県内には2000人以上が暮らす。ほとんどがトルコ出身だという。
クルド人に関して、以前からゴミ出しや騒音など生活トラブルの相談は行政に寄せられていた。クルド人へのヘイトが目立つようになったのは、23年春から夏にかけてのことだ。
当時、3回目以降の難民申請者の強制送還を可能にする入管難民法改正を巡り、外国人による抗議行動、メディア露出が高まり、難民申請者が多いクルド人にも注目が集まっていた。
引用元 https://mainichi.jp/articles/20240317/k00/00m/040/094000c