中国系企業による日本の森林、水源地、農地などの買収が問題視されている。ジャーナリストの櫻井よしこさんは「中国企業は民間企業の形であっても中国共産党の支配下にある。日本の安全保障のために、国土や海を中国に奪われない法整備を実現しなければならない」という――。
※本稿は、櫻井よしこ『異形の敵 中国』(新潮社)の一部を再編集したものです。
この数週間、つい視線が向かう地図がある。太平洋を挟んで、右に南北米大陸、左にユーラシア大陸があり、核保有国を赤く塗った地図だ。ロシア、中国、北朝鮮を中心にユーラシア大陸は赤く染まり、北米は米国が赤い色に染まっている。そのまん中、太平洋の左端にポツンとわが国日本が心細げに浮かんでいる。今、世界で一番危険な地域は大西洋・欧州ではなく、太平洋・アジアであり、わが国周辺なのだと実感する。
続きを読むウクライナへのロシアの侵略戦争で私たちは日々の戦況報告に気をとられ、世界のパワー・バランスの大変化で日本がどれ程危険な立場にあるかに気がつきにくい。ぼんやりしているわが国には断固とした国防への気概も備えもない。考えは甘く、制度は緩い。
引用元 https://president.jp/articles/-/75328