【うえはた のりひろ 神戸市会議員さんの投稿】
引用元 https://x.com/NorihiroUehata/status/1891329237061103931
公明党の赤羽かずよし議員が、新幹線の車内販売で炭酸水300mlが160円だったことに不満を漏らし、「高い、二度と買うことはないでしょう」とXに投稿したことが大きな批判を浴び、最終的には投稿を削除する事態となった。この発言に対し、神戸市会議員のうえはたのりひろ氏は「まさか共感してもらえると思いました?」と疑問を呈し、SNS上でさらに議論が広がった。
この騒動を見て感じたのは、赤羽議員の発言があまりにも庶民感覚とかけ離れているということだ。そもそも、赤羽議員は「国会議員特権」で新幹線に無料で乗車している。多くの国民が高い運賃を払って移動しているのに対し、彼は税金で賄われたパスを使ってグリーン車を利用しているわけだ。その立場にありながら、たかが160円の炭酸水の価格に文句を言うこと自体、庶民の感覚とはかけ離れていると言わざるを得ない。
さらに、新幹線の車内販売は現在、普通車ではすでに廃止されている。つまり、赤羽議員が問題視した「高すぎる炭酸水」は、グリーン車向けの特別な販売サービスの一部として提供されているものだ。グリーン車の車内販売は、普通車の販売とは違い、サービスの一環として提供されており、価格が高めに設定されるのは当然である。そもそも、飛行機の機内販売や高級ホテルのルームサービスなども同様で、特定のサービスを受ける場合、そのコストが上乗せされるのは当たり前のことだ。
この事実を踏まえると、赤羽議員の発言は的外れであるだけでなく、「庶民目線の政治家」を演出しようとした結果、大失敗したとも言える。一般の国民が「物価高で生活が苦しい」と訴えるのとは異なり、特権を享受する立場にいる国会議員が「炭酸水が高すぎる」と不満を述べても、共感が得られるはずがない。それどころか、「お前が言うな」と反発を招くのは当然のことだろう。
物価高騰は確かに日本全体の問題ではあるが、赤羽議員の投稿が物価問題への関心から出たものとは到底思えない。もし本気で物価高について憂慮しているなら、国会での政策議論の中で適切な対策を講じるべきであり、SNSで単なる個人的な不満を吐き出すのは政治家として軽率だ。物価問題を扱うならば、例えば最低賃金の引き上げや生活必需品の価格抑制策について議論するのが本来のあるべき姿だろう。
また、新幹線の車内販売価格が高めに設定されているのには、それなりの理由がある。流通コストや保管コスト、そしてスタッフの人件費などが含まれているため、駅の売店や自動販売機と同じ価格にはならないのは当然のことだ。
この件が炎上し、赤羽議員が投稿を削除したことも興味深い。炎上したから削除するというのは、問題発言をしておきながら責任を取らずに逃げるようなものだ。本当に信念を持って発言したのであれば、なぜ削除したのか。批判を受けたなら、それに対して説明し、自分の立場を明確にすべきではなかったのか。
また、国会議員が新幹線を無料で利用できる制度自体にも疑問を持つべきだ。新幹線の運賃は決して安くはなく、国民は自腹で高額な運賃を払っている。一方で、議員は税金でグリーン車に乗りながら、「炭酸水が高すぎる」とぼやく。この状況を目の当たりにすれば、多くの国民が不満を抱くのは当然のことだろう。
もし赤羽議員が本当に国民の立場に立って発言したいのであれば、無料パスを返上し、一般の国民と同じ条件で新幹線を利用すればいい。そうすれば、現実の交通費負担や物価高の実態をより深く理解できるはずだ。
今回の件は、政治家がSNSをどう使うべきかを改めて考えさせる事例となった。SNSは気軽に発信できる一方で、その発言がどのように受け取られるかを十分に考慮しなければ、今回のように逆効果になりかねない。政治家は、ただ思いついたことを気軽に投稿するのではなく、発言が持つ影響を考慮し、責任を持って情報発信すべきだ。
赤羽議員の投稿は、「庶民感覚を持つ政治家」を演出しようとした結果、かえって「庶民感覚がない政治家」であることを露呈してしまった。今後、政治家がSNSを利用する際には、発言の意図と影響を十分に考え、国民に寄り添った発信を心がけるべきではないだろうか。
執筆:編集部A