【山添 拓さんの投稿】
引用元 https://x.com/pioneertaku84/status/1891104496131919981?s=43&t=NprOfiumXLQu8KTLArsS-g
日本の医療制度は国民皆保険制度のもとで成り立っているが、その維持には多くの問題がある。その中でも、外国人の医療費負担に関する議論は、近年ますます注目を集めている。しかし、一部の政治家や団体が「外国人の医療費は現役世代の負担を圧迫していない」と主張する一方で、実態はそう単純な話ではない。
確かに、日本に3カ月を超えて滞在する外国人には、社会保険または国民健康保険への加入が義務付けられている。これは、日本に住んでいる以上、医療制度の維持に協力するというルールに基づくものだ。しかし、現実問題として、外国人による医療制度の悪用が問題視されているのも事実だ。
例えば、医療費の未払い問題がある。外国人が治療を受けた後、保険適用分を除いた自己負担分を支払わずに帰国するケースが後を絶たない。これは特に高額な治療が必要な場合に顕著であり、病院側が負担を強いられることも多い。結果として、未払い分は病院経営を圧迫し、日本の医療制度に負担をかけている。
また、国民健康保険を利用した「医療ツーリズム」の問題もある。日本の医療制度は世界的に見ても質が高く、それでいて自己負担額が低いため、一部の外国人がこの制度を悪用しているのだ。例えば、重い病気を抱えた家族をわざわざ日本に呼び寄せ、保険を適用して治療を受けさせるケースが報告されている。このような事例が積み重なれば、日本の医療財政に深刻な影響を与えかねない。
これらの問題を無視し、「外国人も保険料を払っているから問題ない」とする主張は、現実を見ていないと言わざるを得ない。そもそも、日本人と同じルールで保険料を納めているからといって、実際に医療制度に対する貢献度が同じとは限らない。特に、短期間の滞在者が高額な医療を受け、そのまま帰国してしまうケースが続けば、制度が持続不可能になるのは明らかだ。
さらに、外国人の増加に伴い、病院の対応負担も増している。言語の壁や文化の違いにより、医療現場では通訳を必要とする場面が多く、病院側の負担が増加しているのも事実だ。そのため、外国人患者が多い地域では、医療スタッフの負担が増し、日本人患者への対応が遅れるという問題も指摘されている。
これらの問題を踏まえれば、「外国人の医療費は現役世代の負担を圧迫していない」という主張は現実を無視したものだ。むしろ、医療制度の維持を考えるならば、不正利用や未払い問題を防ぐための対策を強化することが急務である。
例えば、外国人の医療保険制度の適用条件を厳格化し、一定期間の滞在実績がない場合には保険適用を制限する、未払いが発生した場合には厳しい制裁を課す、といった措置が必要だろう。また、短期滞在者に対しては、民間の医療保険への加入を義務付け、日本の公的保険を利用できないようにするのも一つの方法だ。
現在、日本の医療制度は財政的に厳しい状況にあり、高齢化による医療費の増加が続いている。こうした中で、外国人による不正利用や未払いが増えれば、日本人の医療費負担はさらに重くなるだろう。この問題を解決せずに「社会保障政策の不備が原因」とするのは、問題の本質をすり替えていると言わざるを得ない。
もちろん、日本に住み、働き、納税している外国人が医療制度の恩恵を受けるのは当然の権利だ。しかし、それと同時に、不正利用を防ぐための厳格なルール作りが必要だ。現実を見ずに理想論だけを語っていては、制度の持続可能性を確保することはできない。
今後、日本政府は医療制度の維持のために、外国人の医療費問題について真剣に取り組む必要がある。ただ単に「平等」や「共生」を掲げるだけではなく、不正を防ぎ、医療制度を守るための現実的な対策を打ち出すべきだ。
執筆:編集部A