台湾国防部(国防省)は17日、中国の軍用機延べ41機が同日午前6時(日本時間同7時)までの24時間に台湾周辺で活動したと発表した。軍艦延べ9隻と公船1隻も確認した。
軍用機のうち延べ28機が台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線を越え、台湾の防空識別圏に進入した。
確認された軍用機は戦闘機「殲10」や早期警戒機「空警500」など。
国防部は、台湾軍が軍用機や艦船の運用により、厳密に監視し対処したとしている。(共同)
[全文は引用元へ…]
japannewsnavi
【産経ニュースさんの投稿】
japannewsnavi
引用元 https://www.sankei.com/article/20250217-VZNONTMWYZIB5HKOMGQVPP5OTE/
台湾周辺で中国軍の軍用機が41機も活動し、そのうち28機が台湾海峡の中間線を越えて進入したというニュースを見て、改めて台湾情勢の緊迫ぶりを感じた。軍艦9隻と公船1隻も確認されており、これは単なる威嚇ではなく、明らかに中国側の軍事的圧力を強める意図があるのではないかと思う。
そもそも台湾海峡の中間線は、長年にわたり「休戦ライン」として機能してきた。中国と台湾の間には正式な和平協定がないため、この中間線が事実上の境界となり、互いにこれを超えないことで軍事衝突を避けてきた。しかし、ここ最近、中国軍はこのラインを何度も越えるようになっており、今回も例外ではなかった。この行動が続けば、中間線は形骸化し、中国軍が台湾側の空域へ日常的に進入することが常態化するかもしれない。
今回確認された軍用機の中には、戦闘機「殲10」や早期警戒機「空警500」などが含まれている。特に「空警500」は、電子戦や情報収集に特化した機体であり、単なる示威行動以上の意図があるのではないかと考えられる。もし中国が台湾軍の防空システムの反応を探る目的でこれらの機体を投入しているとすれば、これは単なる挑発ではなく、将来的な作戦行動の準備の可能性もある。
台湾国防部は、軍用機や艦船の運用を通じて厳密に監視し、適切に対処したとしている。しかし、これが長期化すれば台湾側の防衛負担は増大し、経済的にも軍事的にも疲弊する可能性がある。中国側はその点を見越して、こうした圧力を継続しているのかもしれない。
なぜ中国はここまで台湾への軍事的圧力を強めているのか。その背景には、国内外の政治的な要因がある。まず、中国国内の視点で見ると、習近平政権は台湾統一を「歴史的な使命」として掲げており、特に国内の不満をそらすために台湾問題を利用することがある。経済の減速や失業率の上昇など、中国国内で不満が高まっているときに、台湾への圧力を強めることで国内の団結を促そうとしている可能性がある。
また、国際的な要因として、アメリカとの対立も大きく関係している。アメリカは台湾への軍事支援を強化しており、中国はそれに対抗する形で台湾周辺の軍事活動を活発化させている。最近では、アメリカが台湾への武器売却を決定し、軍事訓練の支援も行っている。こうした動きに対して、中国は「台湾独立勢力を支援する動きには断固反対する」との立場を取っている。そのため、台湾への軍事的圧力を高めることで、アメリカや台湾に対して「これ以上踏み込めば武力行使も辞さない」というメッセージを送っているのだろう。
しかし、台湾にとっては、こうした状況が続けば続くほど、安全保障上のリスクが高まる。たとえ戦争にならなくても、中国の軍事的圧力が日常化すれば、台湾の経済や社会に大きな影響を与えることになる。例えば、軍事的緊張が高まると、台湾への投資が減少し、企業の生産活動にも支障をきたす可能性がある。特に半導体産業など、台湾が世界的に重要な役割を果たしている分野に影響が出れば、国際経済にも波及するだろう。
こうした状況の中で、日本としても決して他人事ではない。日本は台湾と地理的に近く、もし台湾海峡での緊張がさらに高まれば、日本の安全保障にも大きな影響を及ぼす。特に、日本の離島地域は台湾有事の際には最前線となる可能性があり、自衛隊の対応が求められる場面も出てくるだろう。
また、経済面でも日本と台湾は深く結びついており、台湾の半導体産業が機能不全に陥れば、日本の製造業にも深刻な影響を与える。例えば、日本の自動車産業や電子機器メーカーは台湾からの半導体供給に大きく依存しており、台湾での混乱が日本経済全体に波及することは避けられない。
今後、中国がどのように動くのかは予測が難しいが、一つ確かなのは、台湾海峡の緊張が高まり続けているということだ。中国は圧力を強めることで、台湾側に「中国との統一を受け入れない限り、この緊張は続く」とのメッセージを送っている。しかし、台湾側も簡単に屈することはなく、アメリカや日本との連携を強化しながら独立の意思を示し続けている。
この状況が続く限り、台湾周辺での中国軍の動きは今後も活発化する可能性が高い。日本としても、台湾有事の際にどのように対応するのか、具体的な方針を考えておく必要がある。日米同盟の枠組みの中で、どこまで台湾支援に踏み込むのか、防衛体制をどう強化するのか、真剣に議論する時期に来ているのではないか。
台湾海峡の平和と安定は、日本にとっても極めて重要な問題だ。今後の中国の動向に注意を払いながら、台湾との関係をどのように維持し、安全保障をどう強化していくべきか、慎重に考えていく必要があると感じた。
執筆:japannewsnavi編集部A