野菜の価格高騰が続く中、愛知県田原市で、畑からキャベツおよそ800玉が盗まれていたことが分かりました。大切に育ててきた農家も憤りを隠せません。
■日本有数の産地で…収穫目前のキャベツ狙う?
キャベツが大量に盗まれているのが見つかったのは田原市内にある畑で、2月5日朝、畑の持ち主の家族が訪れたところ、収穫しようとしていたキャベツが盗まれていることに気づきました。
被害のあった農家によりますと、盗まれたのはおよそ800玉(出荷額20万円相当)で、重さはあわせて1トンになるといいます。 農家は無断で畑に侵入しないよう、周囲にロープを張っていましたが、犯人はロープを外して、犯行に及んだとみられています。
2024年から続く天候不良のため生育が悪く、畑には大きさの不揃いなキャベツが並びます。そのため、大きくなったものから収穫していましたが、ようやく出荷できるようになったキャベツばかりを盗まれてしまったといいます。
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■「人のやることじゃない」農家から怒りの声
田原市で今回被害にあった畑は、2024年にも同様の被害に遭っていました。 被害に遭った農家は取材に対し、「肥料や農薬も高いなか『やられた』という気持ち」と憤りを隠せません。
事件を知った別のキャベツ農家も…。 別のキャベツ農家: 「人のやることじゃないよね。今年も悪天候で玉の生育もよくなかったし、せっかく出せるようになってからね。カラスとか鳥害とかは対策しとるけども、人が持っていくというのは考えてないよ」 農家は被害届を提出し、警察は売却目的の窃盗事件とみて捜査しています。
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【野口健さんの投稿】
引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/e2ac1ef0c8b505f195f7323f8fca6630a9452139
愛知県田原市で、出荷直前のキャベツ約800玉が盗まれるという衝撃的な事件が発生した。農家の方々が苦労して育て上げた作物が、一瞬にして奪われるというのは、あまりにも理不尽だ。しかも、今年は天候不良の影響で野菜の生育が悪く、市場価格も高騰している状況にある。その中での大量窃盗は、農家の経済的なダメージをさらに深刻なものにしている。
キャベツ800玉というと、重量にして約1トンにもなる。これは家庭菜園で育てるレベルの話ではなく、大規模な農業の現場でこそ生産できる量だ。その大量のキャベツを運び出すには、それなりの車両と人手が必要になる。つまり、犯行は計画的であり、個人の単独犯ではなく組織的な犯行の可能性が高いのではないかと考えざるを得ない。
そもそも、日本の農業はすでに厳しい状況にある。天候不良による生育不良だけでなく、肥料や農薬の価格高騰、人手不足、燃料費の上昇など、農家の負担は増すばかりだ。そんな中で、せっかく育てた作物を盗まれるというのは、農家にとっては耐え難い出来事だろう。ましてや、被害額は20万円相当に上るという。決して軽視できる被害額ではなく、生活を圧迫するレベルの損失だ。
また、この畑では2024年にも同様の被害が発生していたという。つまり、狙われやすい地域や農家があるということだ。こうした農作物窃盗事件は、日本全国で発生しており、特に市場価値が高騰している野菜や果物が狙われやすい。最近では高級果物やブランド牛などの盗難も問題になっているが、今回は一般的な野菜であるキャベツが大量に盗まれた。
農家が自衛のために防犯対策を強化するのは当然だが、根本的な解決にはならない。畑の周りにロープを張るなどの対策を講じていたにもかかわらず、犯人はそれを無視して侵入している。防犯カメラやセンサーを設置するという方法もあるが、それには費用がかかる。すでにコスト増に苦しむ農家にとって、さらに負担を強いることになりかねない。
では、どうすればこうした犯罪を防げるのか。まず、警察の捜査強化は必須だ。今回の事件ではすでに被害届が提出されており、売却目的の窃盗として捜査が進められている。農作物窃盗は単なる「盗み」ではなく、農家の生活を脅かす重大な犯罪であるため、厳罰化も視野に入れるべきだ。
また、盗まれたキャベツはどこに流れているのかも問題だ。市場に出回る農作物には、出荷元や生産者の情報が記されていることが多いが、こうした盗品はそうしたルートを通さずに闇市場や非正規のルートで流通している可能性がある。これを防ぐためにも、農作物の流通経路を明確にし、不正取引を防ぐ仕組みを強化するべきだろう。
一方で、一般消費者の意識改革も重要だ。市場より極端に安い価格で販売されている農産物には、何らかの不正が関与している可能性がある。安さだけを求めるのではなく、「なぜこんなに安いのか?」と疑問を持ち、正規ルートで販売されているものを購入する意識を持つことが大切だ。
また、今回のような事件が続けば、農家が意欲を失うことも懸念される。農業はただでさえ過酷な仕事だ。天候に左右され、重労働であり、経済的なリスクも大きい。それでも農家は「美味しい野菜を届けたい」「日本の食を支えたい」という思いで働いている。その努力が、一部の心ない窃盗犯によって踏みにじられるのは許されることではない。
今回の事件を受けて、被害に遭った農家は「人のやることじゃない」と憤っていたが、本当にその通りだ。誰がどう考えても、これが許される行為ではない。苦労して育てた作物を盗むという行為は、単なる窃盗以上に、農家の心を踏みにじる行為でもある。
また、こうした事件が続くと、最終的に消費者にも影響が及ぶ。農作物の盗難が増えれば、農家はさらなるコストをかけて防犯対策をしなければならなくなる。その分、価格に転嫁される可能性があり、結果的に野菜の価格がさらに高騰することになる。つまり、この問題は農家だけの問題ではなく、社会全体の問題なのだ。
政府や自治体も、こうした農作物窃盗の対策に本腰を入れるべき時ではないか。農業を守ることは、日本の食文化を守ることでもある。外国産の農作物に依存するのではなく、日本の農業を支え続けるためにも、農家が安心して働ける環境を整えることが必要だ。
今回の事件は氷山の一角に過ぎない。今後も、こうした犯罪が続くようであれば、日本の農業自体が衰退してしまう危険性すらある。食の安全を守るためにも、犯罪の抑止策を強化し、農作物窃盗を根絶する必要がある。
野菜はスーパーに並ぶまでに、多くの人々の努力と時間がかかっている。農家の方々の労力を無視し、簡単に盗み出すような行為は、決して許されるべきではない。
執筆:編集部A
BBCによると[翻訳] 日本の…