【パリ時事】世界陸連は10日、出生時の性と自認する性が異なるトランスジェンダーやインターセックス(性分化疾患)の選手に関する規則の改定に向けた協議を始めたと発表した。検査が厳格化される可能性があり、コー会長は「この分野には一定の科学的進歩がある。明確な方針を確立し、女子カテゴリーにおいて平等な競技環境を維持する」とした。
現行の規則では、トランスジェンダーの選手が男性として思春期を過ごした場合、女子種目への出場は禁止。男性ホルモンのテストステロン値が基準値を上回る女子選手の参加制限もある。
コー会長はトランプ米大統領がトランスジェンダー選手の女子競技参加を禁止する大統領令に署名したことに賛同している。
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【松浦だいご(日本維新の会 秋田1区支部長)さんの投稿】
引用元 https://www.jiji.com/jc/article?k=2025021100294&g=spo
世界陸連、性別に関する規則の改定協議を開始
世界陸連が、トランスジェンダーやインターセックスの選手に関する規則の改定に向けた協議を開始したことが発表された。この問題は以前から議論されていたが、近年の科学的進歩を踏まえ、より明確な方針を確立する必要があるとの判断だという。
公平な競技環境の維持が目的
世界陸連のコー会長は、「女子カテゴリーにおいて平等な競技環境を維持する」ことを目的としており、検査の厳格化も視野に入れているという。現行ルールでは、男性として思春期を過ごしたトランスジェンダーの選手は、女子種目に出場することが禁止されている。また、テストステロン値が基準値を超える女子選手も競技参加に制限がある。
これらの規則は、女子スポーツの公平性を守るための措置とされている。生物学的な性の違いによって、身体的なアドバンテージが生じることがあるため、それを考慮しないまま競技を行えば、不公平が生じる可能性がある。そのため、世界陸連としても、明確なルールを設ける必要があるという立場を取っている。
過去の議論とトランスジェンダー選手の問題
この問題は以前から国際的に議論されてきた。特に、トランスジェンダー女性(生物学的には男性として生まれ、女性として性自認している選手)が女子競技に参加することに対して、多くの意見が分かれている。
例えば、米国では一部の州で、トランスジェンダー選手が女子競技に参加することを禁止する法律が制定されている。一方で、これに反対する団体もあり、性自認を尊重すべきだという声もある。しかし、問題は単なる人権問題ではなく、競技の公平性をどのように維持するかという点にある。
トランスジェンダー選手が男子競技から女子競技に転向した場合、身体的な強さや筋肉量の違いが、他の女性選手にとって大きなハンデとなることが指摘されている。特に、陸上競技のようなスピードやパワーを必要とする種目では、その影響が顕著に表れる。
科学的根拠とルールの見直し
コー会長は「この分野には一定の科学的進歩がある」と述べており、新たな研究結果を基にした規則の改定が行われる可能性がある。
現在の医学的見解では、テストステロン値が運動能力に大きな影響を与えることが分かっている。そのため、世界陸連では、女子選手のテストステロン値に制限を設けている。この基準を厳格化することで、競技の公平性をさらに保つ狙いがあると考えられる。
しかし、テストステロン値だけが問題なのかという点も議論されている。例えば、思春期に男性ホルモンの影響を受けた体は、筋肉量や骨格の違いを生むため、単にホルモンレベルを下げるだけでは完全に公平にはならないという意見もある。
女子スポーツの未来を守るために
女子スポーツは、長年にわたる努力の結果、ようやく男性スポーツと同等に評価されるようになってきた。しかし、ここで性別の枠組みが曖昧になれば、女性選手が本来持っている競技の機会や公平性が損なわれる可能性がある。
実際に、トランスジェンダー選手の参加によって、女子競技の表彰台が生物学的に男性として生まれた選手によって独占されるケースも出てきている。このような事態が続けば、女性選手が不利な立場に置かれ、スポーツの意義そのものが揺らぐことになる。
そのため、世界陸連の今回の動きは、女子スポーツの未来を守るための一歩と考えられる。もちろん、トランスジェンダー選手の権利を尊重することも重要だが、それ以上に、競技の公平性を保つことがスポーツの基本である。
まとめ
世界陸連が進める性別に関する規則の改定は、女子スポーツの公平性を維持するために必要な措置といえる。生物学的な違いを考慮しないまま競技を行えば、他の選手に不利益をもたらす可能性があるため、科学的根拠に基づいたルールの見直しは避けられない。
今後、世界陸連がどのような決定を下すのか、そして各国のスポーツ団体がそれにどう対応するのかが注目される。女子スポーツの未来を守るためにも、公平性を維持するための議論を続けるべきだろう。
執筆:編集部A