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「少なくとも私が知る農村地帯で、価格の上昇が収入に反映されたコメ農家は誰もいません。買い取り価格が多少は上がっても、等級の判定で評価が下がり、収入は横ばいなのです。私が『全く儲かっていないんですか!?』と驚くと、『儲かっていたら誰もコメ農家を辞めないよ』と言われました。コメ農家の人たちが集まると、『一体、誰が高騰で儲けているんだ?』の話で持ちきりです。『地元のJAすら儲かっていない』ことは確かで、その先は見当も付きません」
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【ツイッター速報さんの投稿】
引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/b207df0b7811cab30f73ccae9d6f31a301d0bd80?page=1
コメの高騰は農家の利益につながっていない現実
コメの価格が高騰していると言われる一方で、コメ農家の収入は改善していないという現実が浮かび上がっている。ネット上では「コメが高騰するなら農家が儲かるのは当然」といった意見も見られるが、実際に農家の懐が潤っているかというと、そうではないようだ。農水大臣の発言も、農家の実態を反映したものではないことが指摘されている。
新潟県のコメ農家に詳しい関係者によれば、「買い取り価格が多少上がったとしても、等級の判定で評価が下がるため収入は横ばい」というのが実情だという。つまり、市場価格が上がっても農家の手取りにはほとんど影響がないということだ。もし本当に儲かるのであれば、コメ農家を辞める人が増えるはずがない。
では、一体誰がコメの高騰で利益を得ているのだろうか。農家が儲かっていないとすれば、卸売業者や流通業者が中間マージンを得ている可能性が高い。しかし、関係者の話では「地元のJAですら儲かっていない」とのこと。となると、流通過程のどこかで価格が引き上げられ、消費者が支払う価格と農家が受け取る価格の間に大きなギャップが生じていると考えられる。
なぜ農家は儲からないのか
コメ農家の収入が増えない理由はいくつか考えられる。その一つが、JAや卸売業者による「等級判定」の影響だ。農家はコメを出荷する際、品質によって等級を決められる。収穫したコメが1等米であれば高い値段で買い取られるが、2等や3等になると価格が下がる。そのため、どれだけ市場価格が上がっても、等級が下がれば収入は増えない。最近では気候変動の影響もあり、高温障害などで等級が下がるケースが増えている。
また、農家がコメを出荷する際には様々なコストがかかる。肥料代、農機具の維持費、燃料費、人件費など、経費が増えれば手元に残る利益は少なくなる。特に最近では、肥料や燃料の価格が高騰しており、農家の経営を圧迫している。
さらに、消費者が購入するコメの価格が上がっても、それが直接農家の収入増につながるわけではない。小売店で販売されるコメの価格には、輸送費や包装費、小売店の利益などが含まれている。農家がJAや卸売業者にコメを売る時点での価格と、消費者が支払う価格の間には大きな開きがあるのだ。
日本のコメ農業の厳しい現実
日本のコメ農家は高齢化が進み、後継者不足が深刻な問題となっている。若い世代が農業を継ぎたくても、収入が安定しないため、他の職業を選ぶケースが多い。その結果、農家の数が減り、耕作放棄地が増加している。もし農家が適正な価格でコメを売ることができ、安定した収入を得られるようになれば、状況は改善するかもしれない。しかし、現状では農家の負担ばかりが増え、経営が成り立たないケースも少なくない。
また、日本の食生活の変化もコメ農家にとっては大きな問題だ。かつては主食として毎日のように食べられていたコメだが、近年はパンやパスタなどの消費が増え、一人当たりのコメ消費量は減少している。消費が減れば、当然ながらコメの需要も減るため、農家の経営はさらに厳しくなる。
解決策はあるのか
この問題を解決するには、まず農家が適正な利益を得られる仕組みを作る必要がある。そのためには、流通の透明化が重要だ。現在、農家がコメを出荷してから消費者に届くまでの間に、多くの中間業者が介在している。そのため、消費者が支払う価格と農家が受け取る価格の差が大きくなっている。この流通過程を見直し、農家が直接消費者に販売できるような仕組みを作ることが求められる。
また、コメの付加価値を高めることも重要だ。例えば、無農薬や有機栽培のコメは一般的なコメよりも高価格で取引される。農家がこうした高品質のコメを生産し、直接販売することで、より多くの利益を得ることができるかもしれない。
政府の支援も欠かせない。日本の農業政策は補助金頼みの部分が大きく、根本的な解決にはなっていない。コメ農家が持続可能な経営を続けられるような制度を整えることが必要だ。例えば、農機具の導入支援や、輸出の拡大など、農家がより利益を得られる仕組みを作ることが求められる。
まとめ
コメの価格が高騰していると言われるが、実際には農家の収入にはほとんど反映されていない。等級判定や流通コストの影響で、農家の手元に残る利益は少なく、経営の厳しさは変わらない。
このままでは、農家の高齢化や後継者不足がさらに進み、日本のコメ産業自体が衰退してしまう可能性もある。農家が適正な利益を得られる仕組みを作るためには、流通の透明化や付加価値の向上、政府の支援が必要だ。
コメ農業を守ることは、日本の食文化を守ることにもつながる。このままでは、日本の農業がますます厳しくなるばかりだ。農家の声をもっと反映させた政策が求められている。
執筆:編集部A