外国人から見た日本人の印象は、勤勉で真面目な一方、シャイだといわれています。実際に日本を訪れた外国人は、どのように感じているのでしょうか。初めて日本へやってきたスウェーデン人女性は、約1か月間滞在するそうです。日本人に対して抱いた印象とは。
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ワーケーションしながら日本に1か月滞在
スウェーデン出身のアリスさん。日本で教師として働いているスウェーデン人の友人に会うため、初めて日本を訪れました。
アリスさんは現在、ドイツを拠点に建築関係などの仕事を請け負っています。しかし、海外に長期滞在しながら仕事をすることも多く、日本へ来る前はアメリカにいました。今回は日本に1か月間滞在し、ワーケーションを楽しむ予定です。
「日本には、とくにプランを立てずに来ました。友人が住んでいる茨城や、東京を回っています」
そんなアリスさんには、行ってみたいところがあるそうです。それは、アート集団・チームラボが手がけたミュージアム。ほかにも、雪のある地域へ行ってスキーも楽しみたいそうです。
「余計にそう思うのかもしれません」
スーパーマーケットを利用するなど、すっかり日本での生活になじんでいるアリスさん。そのなかで、日本人に対してある印象を抱いたようです。
「日本の人々は、みんな自分のテリトリーに入っている印象を受けました。隣り合った人とちょっとした会話があったり、目が合ったりすることがないというか……」
総合旅行サイト「エクスペディア・ジャパン」が世界23か国を対象に行った「フライト内コミュニケーション」に関する国際比較調査によると、「機内で隣の知らない人に話しかける」割合ランキングにおいて、日本は15%で最下位でした。
また、「頭上の棚に荷物を入れるのを手伝う」「機内で他人に旅行のおすすめを教えてあげる」などの行為をしたことがあるかについても、「したことがある」と回答した割合について、日本人はどれも世界一低い結果に。これは機内に限った質問ではありますが、日常生活においても、隣の知らない人に対して積極的に話しかける日本人はそれほど多くないでしょう。
アリスさんは、「日本に来る前はアメリカにいたので、余計にそう思うのかもしれません。日本ではクローズな空気を感じました」と、コミュニケーションの少なさが少し寂しく、残念に感じたようです。
滞在中になるべく多くの日本人と交流し、仲良くなれると良いですね。
[全文は引用元へ…]
【ツイッター速報さんの投稿】
引用元 https://hint-pot.jp/archives/248486
外国人が日本に来て感じる印象の一つに、「日本人はクローズな雰囲気がある」というものがある。今回、日本に1か月滞在するスウェーデン人の女性が、日本人とのコミュニケーションの少なさに驚いたという話を聞いて、改めて日本の文化の特徴について考えさせられた。
確かに、日本では知らない人と気軽に話す文化があまりない。例えば、電車やバスの中、レストランやカフェでも、隣に座っている人と会話をすることはほとんどない。欧米では、ちょっとした雑談をすることが普通であり、それが日常の一部になっているのかもしれない。しかし、日本では「他人のテリトリーを尊重する」という考え方が根付いているため、無理に話しかけることが少ないのだろう。
これは決して冷たいわけではなく、日本人のマナーの一つとも言える。相手に迷惑をかけないように、静かに過ごすことが礼儀とされている。特に都会では、忙しい人が多く、一人の時間を大切にする文化があるため、あえて積極的に話しかけないのかもしれない。
また、日本では「親しい人との交流を大切にする」傾向が強い。家族や友人、職場の同僚とは深く付き合うが、見ず知らずの人とは距離を保つことが多い。これは、日本社会の特性とも言えるだろう。
一方で、日本人のシャイな性格が影響している可能性もある。英語が苦手な人が多いため、外国人に話しかけるのをためらうこともあるだろう。もし話しかけても、言葉が通じなかったらどうしよう、失礼になったらどうしようと考えすぎてしまい、結果的に距離を取ることになる。
外国人にとっては、この距離感が「クローズな空気」と感じられるのかもしれない。特に、アメリカなどのフレンドリーな文化に慣れている人にとって、日本の静かで礼儀正しい雰囲気は、少し寂しく感じることもあるだろう。
日本人にとっては、他人との距離感を大切にすることが普通だが、これが「閉鎖的」と捉えられるのは少し複雑な気持ちになる。日本では、相手に敬意を払うことが重要であり、それが「必要以上に話しかけない」という形で表れることが多い。
それでも、日本に長く滞在する外国人の中には、日本人と打ち解けることができる人もいる。そのためには、まず日本の文化を理解し、自分から積極的に話しかける努力も必要なのかもしれない。日本人は、一度打ち解けるととても親しみやすく、助け合いの精神を持っている人が多い。だからこそ、最初の壁をどう乗り越えるかが重要なのだろう。
また、日本の社交の場では「共通の話題」があると打ち解けやすい。例えば、趣味や仕事の話、旅行の話などをきっかけに会話を始めると、日本人も安心して話せることが多い。外国人が日本の文化やアニメ、スポーツなどに興味を持っていると、そこから自然に会話が生まれることもある。
一方で、日本人ももう少し積極的に外国人と交流する機会を増やしてもいいかもしれない。日本は今、インバウンド需要が拡大し、多くの外国人観光客が訪れている。彼らが日本をより楽しむためには、日本人とのコミュニケーションも大切になる。言葉が通じなくても、簡単なジェスチャーや笑顔だけでも、相手に「歓迎している」という気持ちは伝わるはずだ。
最近では、観光地で英語の案内をするボランティアも増えてきた。こうした活動を通じて、外国人と日本人の交流が生まれ、相互理解が深まることはとても良いことだろう。特に地方では、外国人観光客との交流が少ないため、こうした活動が広がれば、日本の印象もさらに良くなるかもしれない。
もちろん、日本の文化を変える必要はない。日本人の礼儀正しさや控えめな性格は、日本ならではの良さでもある。ただ、少しだけでも外国人に対してフレンドリーな態度を心がけることで、日本の魅力をもっと伝えられるのではないかと思う。
日本に来た外国人が「日本人は親切だった」と感じられるような環境を作ることは、今後の観光業にもプラスになる。ちょっとした挨拶や、道を尋ねられたときの対応など、小さなことが積み重なって、日本の印象を作るのだろう。
今回のスウェーデン人女性の意見は、日本の文化を見直す良い機会かもしれない。日本人としては普通のことでも、外国人には違って見えることがある。こうした意見を参考にしながら、日本人と外国人の距離を少しずつ縮めていくことが、これからの時代には必要なのかもしれない。
執筆:編集部A