【パリ=三井美奈】国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の赤根智子所長は7日、トランプ米大統領がICC職員への制裁に向けた大統領令に署名したのを受けて声明を出し、国際社会に「法廷を守るために結束」するよう訴えた。ICC加盟国のうち79カ国・地域も同日、大統領令を非難する共同声明を出した。
赤根氏は声明で、米国の制裁の動きに「深い遺憾」を表明。ICCの機能不全を狙った攻撃のひとつだとみなし、「こうした脅迫や威嚇は、法の支配に基づく国際秩序への重大な攻撃となる」と批判した。国際法廷の独立性を損なうだけでなく、何百万人もの残虐行為の犠牲者から希望を奪う行為だとも記した。
79カ国・地域の共同声明には、英独仏を始めとする欧州諸国、南アフリカやブラジルといったグローバルサウス(南半球を中心とした新興・途上国)などが加わった。制裁が発動されれば、ICCによる現地捜査ができなくなる恐れがあると指摘。「最も深刻な犯罪が裁かれないまま放置される危険がある」と懸念を示している。
ICCには全152カ国・地域が加盟。加盟国の日本やハンガリー、イタリア、ウクライナは共同声明に署名していない。
トランプ氏の大統領令は、ICCの決定や捜査に関与した者への制裁発動を可能にする内容。米国内の資産凍結や米国への渡航制限を想定している。
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【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20250208-SGKSBYQO7ZIUXCXAN3EROEX7B4/
国際刑事裁判所(ICC)を巡る問題が再び注目を集めている。トランプ前大統領がICC職員への制裁を可能にする大統領令に署名したことで、ICC側は強く反発し、79カ国が共同声明を発表した。しかし、日本はこの声明に参加しなかった。この一連の動きは、国際社会の分断を象徴しているように思える。
ICCは戦争犯罪や人道に対する罪を裁くための国際機関だが、米国はそもそもICCに加盟しておらず、その権限を認めていない。特に、アメリカ軍が海外で行った軍事行動についてICCが捜査を進めようとしたことが、今回の制裁措置に至った大きな理由とされている。トランプ氏はICCの動きを「アメリカの主権への侵害」とみなし、強硬な対応を取ったわけだ。
一方で、ICC側は「法の支配を守るための組織であり、政治的圧力に屈してはならない」と主張している。赤根所長は、トランプ氏の制裁がICCの独立性を損なうだけでなく、戦争犯罪の被害者にとっての「正義を求める機会を奪う行為」だと非難した。この意見には多くの加盟国が賛同し、特に欧州諸国を中心にICC支持の声が強まっている。
しかし、日本がこの共同声明に署名しなかったことには、いくつかの理由が考えられる。第一に、日本は伝統的にアメリカとの同盟関係を最優先に考えており、トランプ政権に対してあからさまな反対姿勢を示すことを避けた可能性が高い。第二に、日本自身がICCの活動にどこまで積極的に関与すべきか、まだ明確な方針を持っていない可能性もある。
ICCの問題は、単なる国際法の議論ではなく、各国の外交政策や安全保障戦略と密接に絡み合っている。例えば、ICCは過去にイスラエルのパレスチナ問題についても捜査を行おうとしたが、アメリカとイスラエルはこれに強く反発した。このように、ICCの捜査対象がどの国に向けられるかによって、国際政治の力学が大きく変わる。
トランプ氏の政策には賛否両論があるが、アメリカの立場としては、自国の軍人が外国の裁判所で裁かれることを絶対に許さないという一貫した姿勢がある。これは共和党政権だけでなく、民主党政権下でも基本的に変わらない立場だ。そのため、バイデン政権に移行した後も、ICCとの関係が劇的に改善するとは考えにくい。
では、日本はこの問題についてどう対応すべきなのか。日本はICCに加盟しているものの、これまでの関与は限定的だった。今回の共同声明に署名しなかったことは、アメリカとの関係を考慮した現実的な判断とも言える。しかし、国際的な法の支配を重視する立場からすれば、日本がICCを支持する姿勢を明確に打ち出さなかったことは、一部の国々から批判を受ける可能性もある。
日本はこれまで、国際秩序を守る立場を取ることが多かったが、実際にはアメリカとの関係を優先する場面が多かった。今回の件でも、明確な立場を示さなかったことで、「日本は結局どちらの側にもつかない」という印象を与えたかもしれない。これが将来的に日本の外交戦略にとってプラスになるのかどうかは、慎重に見極める必要がある。
ICCの問題は、単なる法律の議論ではなく、国際政治のパワーバランスにも影響を与える。特に、アメリカ、中国、ロシアといった大国がどのような対応を取るかによって、ICCの今後の立ち位置も変わってくるだろう。
アメリカが制裁を発動すれば、ICCの活動は大きく制限される可能性がある。特に、現地捜査ができなくなると、戦争犯罪の証拠収集が難しくなり、ICCの実効性が大きく損なわれる。これは、国際法の観点からすれば大きな問題だが、一方で「大国の意思に逆らえば潰される」という現実を示しているとも言える。
日本としては、ICCの重要性を認めつつも、アメリカとの同盟関係を損なわないように慎重に立ち回る必要がある。今回の件をきっかけに、日本の国際法政策や外交戦略がどのように変化していくのか、注目する必要があるだろう。
この問題は、今後も国際社会で議論が続くことが予想される。日本はどのような立場を取るのか、そしてアメリカがどのような動きを見せるのか、引き続き注視していく必要がある。
執筆:編集部A
以下,Xより 【WikiLea…