7日に米ワシントンで開催された日米首脳会談の冒頭で、石破茂首相とトランプ大統領が、2022年7月に起きた銃撃事件で亡くなった安倍晋三元首相について言葉を交わす場面があった。
トランプ氏夫妻は昨年12月に安倍氏の妻昭恵さんと旧交を温めた際、首相あてに本を贈った。首相はこのエピソードを紹介しながら、「日本と米国は今、非常に緊密な関係にあるが、それは全て第1次トランプ政権で大統領と今は亡き安倍元首相の二人によって礎が築かれた」と語った。Advertisement
首相は「今後も大統領と私、米国と日本が力を合わせ、さらに世界が平和に、人々が夢と希望を持って生きていくことができるように努めたい」とも述べた。
トランプ氏は「シンゾーは私の親しい友人であり、彼が亡くなったことは私にとっても非常に悲しいことだった。安倍元首相は石破首相をとても尊敬していたと私は聞いている。私の親しい友人が尊敬していた石破首相とこの場を過ごすことは私にとっても大きな光栄だ」と応じた。
トランプ氏は初めて大統領選に勝利した16年11月、当時首相だった安倍氏といち早く会談。その後、ゴルフを共に楽しむなど良好な関係を築いた。
【ワシントン川口峻】
[全文は引用元へ…]
【毎日新聞さんの投稿】
引用元 https://mainichi.jp/articles/20250208/k00/00m/010/018000c
日米首脳会談が行われ、冒頭で石破首相とトランプ大統領が故・安倍晋三元首相について言及する場面があった。トランプ大統領は「シンゾーは私の親しい友人であり、彼が亡くなったことは私にとっても非常に悲しいことだった」と語り、日米関係における安倍元首相の貢献を称えた。
石破首相も「日本と米国は今、非常に緊密な関係にあるが、それは全て第1次トランプ政権で大統領と今は亡き安倍元首相の二人によって礎が築かれた」と述べ、日米関係の基盤を作った安倍元首相の功績に触れた。さらに、「今後も大統領と私、米国と日本が力を合わせ、世界が平和に、人々が夢と希望を持って生きていくことができるように努めたい」と、日米協力の継続を強調した。
安倍元首相が築いた日米関係は、トランプ大統領にとっても特別なものだったようだ。トランプ夫妻は昨年12月に昭恵夫人と旧交を温めた際、安倍元首相の功績を振り返り、首相宛てに本を贈ったというエピソードが紹介された。このような背景を踏まえ、トランプ大統領は「安倍元首相は石破首相をとても尊敬していたと私は聞いている。私の親しい友人が尊敬していた石破首相とこの場を過ごすことは私にとっても大きな光栄だ」と応じた。
この発言には様々な見方がある。トランプ大統領は安倍元首相の名前を使いながら、日米の結びつきを強調しつつ、交渉の場で影響力を持たせる狙いもあったのではないかという意見もある。実際に、安倍元首相とトランプ大統領の関係は非常に良好だったとされ、日米関係の安定に大きく貢献したことは間違いない。
一方で、石破首相と安倍元首相は必ずしも近しい関係ではなかったことを考えると、トランプ大統領の「安倍元首相は石破首相を尊敬していた」という発言には疑問を持つ人もいる。これは単なる外交辞令なのか、それとも本当に安倍元首相がそう語っていたのかは不明だが、少なくともトランプ大統領はこの発言を通じて石破首相との関係を円滑に進めようとしているようにも見える。
安倍元首相の外交手腕は、日本だけでなく国際社会でも高く評価されていた。特に、アメリカとの関係を強化し、経済・安全保障の分野で日本の立場を強固なものにした功績は大きい。トランプ大統領と個人的な信頼関係を築き、政治的な駆け引きの中でも日本の利益を最大化するための努力を続けてきた。
今回の会談で安倍元首相の名前が出たことは、日米関係が過去の積み重ねの上に成り立っていることを再認識させるものだった。しかし、その礎を築いた安倍元首相が既にいない中で、日本政府が今後どのようにアメリカとの関係を維持し、強化していくのかが問われる。
日米関係は経済や安全保障を含め、多くの重要なテーマを抱えている。今回の会談では、中国の影響力拡大や北朝鮮の問題にも触れられたが、安倍元首相が主導してきた政策をどこまで引き継ぐのかが注目される。特に、安全保障面では、日米同盟の強化が引き続き求められる中で、石破首相がどのようなリーダーシップを発揮するのかが試されることになる。
また、今回の会談では、トランプ大統領が石破首相に対してどういう感情を抱いているのかも注目された。映像を見る限り、トランプ大統領の表情は終始厳しく、笑顔はほとんど見られなかった。安倍元首相と会談していた時のような親しみのある態度とは明らかに異なり、どこか距離を感じさせるものだった。これが単なる外交的な演出なのか、それとも石破首相への本音なのかは分からないが、少なくとも今の段階では、トランプ大統領が石破首相に対して深い信頼を寄せているとは言い難い。
SNSでは、今回の会談に対して様々な反応が寄せられている。「トランプ大統領は本当に安倍元首相のことを気に入っていたんだな」「そりゃあ、安倍の名前を出した方が交渉で有利に働くと思ったんだろう」「安倍元首相と石破首相の関係を知ってて言ってるのでは?」といった意見が多く見られた。また、「あの暗殺は日本にとって大きな損失だった」「もし安倍元首相が存命なら、日本の立場は今よりもっと強かったのではないか」といった声もあった。
今回の首脳会談でのやり取りは、単なる儀礼的な発言ではなく、日米関係の今後を占う上で重要な意味を持つ。安倍元首相が築いた関係を石破政権がどのように受け継ぎ、発展させていくのか。トランプ大統領が今後、石破首相をどのように評価していくのか。これからの外交の動向が注目される。
執筆:編集部B