今国会の焦点である選択的夫婦別姓制度を巡り、自民党は来週、党内議論を本格化させる。家族のあり方を変える懸念から、制度導入に慎重な保守系議員らは旧姓の通称使用を拡大する方向で意見集約を目指す。ただ、慎重派の間でも通称使用拡大に関して複数の案が存在しており、一本化を巡っては党の分断につながる恐れもある。
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【ツイッター速報さんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20250207-5X76YPN3GNMSVGNGL6VGUKS67E/
自民党内で夫婦別姓を巡る議論が本格化しようとしている。特に、慎重派の間でも意見が分かれており、一本化が難航すれば党内の分断につながる可能性も指摘されている。この問題は単なる姓の問題にとどまらず、家族制度のあり方や社会の価値観に関わる重要なテーマであるため、拙速な決定は避けるべきだ。
慎重派の議員たちは、旧姓の通称使用を拡大することで、不便を解消しながらも戸籍制度を維持する方向を模索している。高市氏の案は、戸籍上の姓を変えずに旧姓の使用をより広範囲に認めるというものだ。すでに住民票やパスポートでは旧姓併記が可能となっており、これをさらに広げることで、別姓導入の必要性を低減しようとしているのだろう。
一方で、衛藤氏の案では、旧姓の併記だけでなく、単独使用も可能にする「法定旧姓」の導入を提案している。これは、法律上の姓ではないものの、社会的な場面では実質的に旧姓を正式なものとして使用できるようにする仕組みだ。こうした案が出てくる背景には、経済界などから「旧姓併記だけでは不十分」との声が上がっていることがある。
さらに、稲田氏は「婚前氏続称制度」を提案し、旧姓を単なる通称ではなく法的に認めることを主張している。これもまた別姓導入には慎重でありながら、利便性を向上させるための折衷案といえる。
このように慎重派の中でも複数の案が出ている状況を見ると、党内での一本化は容易ではないと感じる。家族制度のあり方を守るという根本的な考え方は一致していても、具体的な制度設計の部分で意見が分かれているからだ。もし慎重派が一本化できなければ、党内での主導権争いが激化し、結果として党内分裂の原因になりかねない。
そもそも夫婦別姓の議論は、日本の伝統的な家族制度に大きな影響を与えるものだ。家族は社会の基盤であり、その在り方を変えることには慎重にならざるを得ない。姓を統一することは、家族の一体感を強め、社会的な安定をもたらす役割を果たしている。これは単なる文化的な問題ではなく、法制度としても重要な意味を持つ。
一方で、仕事上の都合などで旧姓を使い続けたい人がいるのも事実であり、そのために不便を感じる場面があるのも理解できる。しかし、それを理由に戸籍制度そのものを変えてしまうのは、あまりにも大きな変更となる。むしろ、旧姓使用の範囲を広げることで、実質的な不便を解消しつつ、家族制度を守る形の方が望ましいのではないか。
経団連が「通称は法律上の姓ではないため、旧姓併記を拡大するだけでは課題は解決しない」と指摘していることも注目すべきだ。確かに、法律上の問題としては旧姓の併記だけでは不十分な点があるかもしれない。しかし、それを理由に別姓制度を導入するのは、性急すぎる。むしろ、今ある仕組みをさらに充実させ、実務上の不便を減らす方向で解決策を模索するのが現実的ではないか。
立憲民主党が今国会で夫婦別姓を導入するための民法改正案を提出する予定であることからも、与党としては党内の意見をまとめる必要がある。ただし、拙速な結論を出せば、後々大きな混乱を招く可能性が高い。家族制度の変更は慎重であるべきであり、目先の利便性だけで決めるようなことがあってはならない。
また、導入推進派は「個人の選択の自由」を強調することが多いが、家族という単位が社会を支える基本であることを忘れてはならない。個人の自由を重視するあまり、家族の一体感や伝統的な価値観が損なわれるようなことがあっては、本末転倒である。
この問題は、単に夫婦の姓の問題だけでなく、日本の社会全体の価値観に関わる重要なテーマだ。だからこそ、党内での意見調整が必要になる。しかし、意見の一本化が難しくなるほど、慎重に議論を進めるべきだろう。もし安易に方針を決めれば、党内だけでなく国民の間にも大きな溝が生まれかねない。
今後の議論の行方は注目されるが、政府や与党には、伝統的な家族制度を守るという観点を忘れずに進めてもらいたい。現代社会において利便性の向上は重要だが、それ以上に長い歴史の中で培われてきた家族の形を大切にすることが必要だ。
慎重派が党内で主導権を握れるかどうかが今後の焦点になるが、拙速な結論を避け、国民の理解を得ながら進めることが求められる。この問題は、単なる政局の道具にされるべきではない。
家族制度の重要性を再認識しながら、冷静な議論を重ねることこそが、今の日本に求められている姿勢ではないか。
執筆:編集部A
日刊スポーツによると 政治ジャ…