自民党の中曽根弘文外交調査会長、星野剛士外交部会長、新藤義孝政務調査会長代行は4日、外務省で岩屋毅外相と面会し、政府が観光目的で来日する中国人向けの短期滞在ビザ(査証)の緩和措置を決めたことを巡り、党側に強い不満があることを説明し、遺憾の意を伝えた。岩屋氏は「党からの指摘を重く受け止めている」と述べた。緩和措置は準備に入っていない段階であるため、政府と党が連携して対応することで一致した。星野氏が記者団に明らかにした。
中国人向けビザの緩和措置を巡っては、外交調査会と外交部会の合同会議で、中国人の訪日が増え、オーバーツーリズム(観光公害)が深刻化するといった懸念や、党側に事前に報告がなかったことに対する不満が噴出した。
岩屋氏が記者会見で「多分に誤解がある」と述べたことにも反発が相次ぎ、佐藤正久元外務副大臣はX(旧ツイッター)に「(党として)とても法案や条約審査ができる雰囲気ではない」と記した。
岩屋氏の会議への出席を求める声もあるが、星野氏は岩屋氏を合同会議に招くことについて「その予定は今のところない」と記者団に語った。
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【@koumeさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20250204-CGP2IHMDPRKE7H5LXH2PDAYOVA/
中国人向けの短期滞在ビザの緩和措置を巡り、自民党内で強い反発が起きている。特に、党側に事前の説明がなかったことに対する不満や、中国人観光客の急増による影響を懸念する声が多い。今回の件を受け、外交調査会長や外交部会長らが岩屋外相と面会し、遺憾の意を伝えた。岩屋氏は「指摘を重く受け止める」と述べたが、党側の不信感は拭えていない。
そもそも、訪日外国人が増加する中で、観光公害とも言われるオーバーツーリズムの問題が各地で深刻化している。観光地では人があふれ、地元住民の日常生活に支障が出ているケースも少なくない。特に、中国人観光客は団体旅行が多く、一部の地域ではインフラが対応しきれない状況になっている。こうした現状を踏まえれば、ビザの緩和措置には慎重な議論が求められるのは当然である。
政府がこの措置について党側と事前に協議せずに決定したことも問題視されている。外交政策に関わる重要な変更が、党内の意見を十分に聞かないまま進められるのは適切ではない。特に、国民の安全や経済に影響を及ぼす可能性がある政策であれば、慎重な検討と調整が必要だろう。
岩屋氏は「多分に誤解がある」と発言しているが、国民の不安や党内の不満が噴出するのは当然の流れだ。観光振興の観点からビザを緩和することは理解できるが、その一方で、地域住民への影響や治安の問題も考慮しなければならない。近年、日本では外国人観光客による迷惑行為や不法滞在の増加が問題視されている。そうした状況の中で、拙速なビザ緩和がさらなる問題を引き起こすのではないかとの懸念が広がっている。
観光業の発展は経済にとって重要だが、一方で無秩序な観光客の流入を許せば、治安や住環境が悪化するリスクも高まる。現に、多くの観光地でマナーの悪い訪日客が問題になっている。例えば、公共の場での騒音問題やゴミの放置、交通機関の混雑などが各地で指摘されている。こうした問題を未然に防ぐためには、訪日客の数を単に増やすのではなく、受け入れ体制を強化する必要がある。
さらに、ビザの緩和が不法滞在者の増加につながる可能性も指摘されている。過去にも、観光ビザを利用して入国し、そのまま日本に留まるケースが相次いだ。特に、中国人の不法滞在者は以前から問題視されており、緩和によってさらに増加する懸念がある。入国管理の強化や在留資格の厳格化とセットでなければ、単なる観光振興策としてのビザ緩和は危険な賭けになりかねない。
また、今回の件で注目すべきは、党内の議論が十分になされていないまま進められた点である。日本の外交政策は、政府と与党が連携して決定するべきものであり、一方的な判断ではなく、国民の声を反映させた慎重な議論が求められる。特に、安全保障に関わる問題であれば、軽々しく決定するべきではない。
一方で、観光業界からは訪日客の増加を歓迎する声もある。新型感染症の影響で観光業が大打撃を受けたこともあり、回復のために外国人観光客を積極的に受け入れたいとの意向も理解できる。しかし、それが日本国内の安全や秩序を犠牲にするような形で行われるのであれば、本末転倒だ。観光業を支援する政策と、国民の安心・安全を確保する政策は、バランスを取ることが重要である。
このような状況を踏まえると、政府は今後のビザ政策をより慎重に検討する必要がある。もし緩和を進めるのであれば、その前に不法滞在や治安悪化を防ぐための対策を講じるべきだろう。例えば、入国時の審査を厳格化し、不法就労や滞在延長を目的とした入国を防ぐ体制を整えることが求められる。また、観光客のマナー向上に向けた啓発活動や、問題行動を取る訪日客への対策も検討すべきである。
現在の状況を見る限り、安易なビザ緩和には慎重になるべきだ。日本が魅力的な観光地であることは事実だが、それを維持するためには、観光客の質や受け入れ体制にも目を向けなければならない。政府には、党や国民の声を真摯に受け止め、慎重な政策判断を求めたい。
執筆:編集部A