先週、厚労省より2024年の自殺者について「小中高生の自殺は527名、統計において過去最多だった」と発表され、SNSでも話題となりました。昨年の自殺対策白書には「10代の死因1位は自殺」という記載もあったことから、
「子供の死因1位が自殺なんてG7で日本だけ」
「だから日本はダメなんだ」
と、いわゆる日本サゲ界隈が嘆いていたんですが、こうした統計には、その国の医療、公衆衛生、治安レベルが上がって病気やケガ、犯罪で亡くなる人が減ると、相対的に自殺の順位が上がるという背景もあります。
つまり他国と単純に比較できるモノでもなく、まさに情報リテラシーが求められる場面、なんですが……子供が減っているのに自殺が増えているのは事実であり、対処が必要なのは間違いありません。私も辛い思いをしている子からギリギリの相談を受けることがあります。
いじめ問題がいつまでも前進しないのは、学校現場へのオーダーが「いじめ問題を解決せよ」というひどく雑な丸投げだからです。この問題には、
①いじめの防止
②いじめによる自殺の防止
という全く異なる2つの要素がありますが、①なんて私が生まれるずっと前から、未だ大人の世界でも起きている、解決できないに等しい難問です。だからと言って学校の先生が、
「いじめは無くせない」
なんて口にしたら、それこそ大炎上でしょう。そういう発言を「世間」は絶対に許しません。
人手不足の教育現場に①②の同時解決を求め、もちろん①は成功せず、その結果また子供が亡くなる、この繰り返し……もういい加減、やるべきことの「優先順位」を決めませんか?
どうすれば自殺を阻止できるのか
いじめは恐らく根絶できない、あるいは根絶まで相当時間のかかる問題であり、その間に命を絶ってしまう子供がいるのなら、優先すべきはその子の命を守ることです。①の優先度はもっともっと下げ、②に全振りすべきでは?
私は全国の学校を訪問していますが、いじめが極端に少ない私学の中高には、共通して「いじめ発覚=即退学」という厳しい校則があります。つまり「いじめは起きうる」という前提で運営されているのです。
保護者もそれを承諾の上で子供を入学させ、実際にいじめ加害で退学処分となる生徒もいるのですが、人命は救える。①は達成できないが②は成功するのです。
「それは追い出し先(公立校)があるから出来るんだ」と言われますが、実は公立校にもいじめ加害者を「出席停止」にする特別措置が認められています。
教育を受ける権利との兼ね合いから、その措置はペナルティではなく、他の子供たちへの教育が妨害されることを回避する建付けになっており、これは文科省も認めている「いじめ対処法」です。
無論その手続きや認定には厳しい基準が設けられていますが、一時的な緊急避難であれ被害者の命が守れるのであれば、どれだけ煩雑でもやる意味はあるでしょう。ただ私の知る限り、いじめ対応でこの措置が実行されたケースは殆どありません(ゼロではないですが、もの凄く少ないです)。
暴力、窃盗、ネット中傷、金銭要求……いじめの多くはド真ん中の違法行為。学校だから、教育だからと躊躇した結果、何ら非の無い誰かが死ぬなんて、理不尽極まりない話です。
公立校もいじめ被害者の命を守る仕組みを持っているんですから、それらをもっと活用できるよう、行政が現場を後押しする仕組みを作って欲しいのです。
子供にもやれることがある
もしこの記事を児童生徒の世代が読んでくれていたら、是非お願いしたいことがあります。いじめの被害者はたいていコミュニティ内での情報が断絶され、誰が味方かもわからない孤立状態に置かれています。
そういった子に、匿名のSNSで良いですから「わたしは味方」「俺は嫌いじゃない」とコッソリ伝えて欲しいのです。その子はそれだけで気持ちが少し楽になります。解決はしませんが、せめて大人が動き出すまでの時間稼ぎにはなります。やれることはあるのです。
そして、死ぬほど辛い思いをしている若い方へ。TBSの安住アナが大事なことを言っていました。是非「安住 逃げて」というキーワードでネットニュースを検索してみて下さい。
10代の「寄り道」なんて一瞬で取り返せるし、むしろ寄り道ですらないです。
[全文は引用元へ…]
【ツイッター速報?BreakingNewsさんの投稿】
引用元 https://forzastyle.com/articles/-/73698
いじめによる子供の自殺が過去最多となったというニュースを目にし、強い衝撃を受けた。厚生労働省の発表によれば、2024年の小中高生の自殺者は527人に上り、統計上で過去最多となったという。これは単なる数字の問題ではなく、一人ひとりの命が失われたという深刻な事態である。
子供の自殺が増加する背景にはさまざまな要因があるが、中でも「いじめ問題」は根本的な課題として長年解決されないまま続いている。いじめは昔からある問題であり、大人の世界でも同様のことが起こっている以上、完全に根絶することは難しい。しかし、それによって命を絶ってしまう子供がいるという事実に目を向けるなら、私たちはこの問題への対処方法を改めて考えなければならない。
特に、日本の教育現場におけるいじめ対策は、明確な方向性が定まらないまま「いじめ問題を解決せよ」という漠然とした命令が現場に押し付けられている印象を受ける。現実的に考えて、いじめを完全になくすことは難しい。それならば、まずは「いじめによる自殺を防ぐ」ことに全力を注ぐべきではないか。
私立の中高などでは「いじめ発覚=即退学」という厳格なルールを設ける学校もある。このような学校では、いじめが起きることを前提にしつつ、加害者を排除することで被害者を守る仕組みができている。一方で、公立校では加害者を処罰することが難しく、「出席停止」などの措置もほとんど実行されていない。教育を受ける権利との兼ね合いから、いじめをした側を簡単に排除することが難しいという現実があるのだろう。しかし、それによって被害者が追い詰められ、最悪の場合、自ら命を絶つ選択をしてしまうのでは本末転倒だ。
いじめにはさまざまな形があり、暴力、窃盗、ネット中傷、金銭要求など、その多くは明らかに犯罪行為である。それにも関わらず、「学校内の出来事」として処理されることが多く、警察が介入することはほとんどない。これが企業の中で起こったとしたら、明確に犯罪として扱われるはずなのに、なぜ学校という環境では特別扱いされるのか。その矛盾こそが、いじめをなくせない最大の理由の一つではないかと思う。
日本の社会は「加害者に甘すぎる」と感じることが多い。いじめ加害者は、教師から厳しく指導されることはあっても、実際に大きなペナルティを受けることは少ない。一方で、被害者の方が不登校になったり、転校を余儀なくされたりと、より深刻な影響を受けることが多い。このような理不尽な状況を放置していては、いじめによる自殺は減るどころか増える一方だろう。
学校現場でいじめが発覚した場合、もっと毅然とした対応が取れる仕組みを整えるべきだ。例えば、一定の基準を満たしたいじめ行為については、学校ではなく警察が介入する仕組みを導入することも検討すべきではないか。加害者に対して法的な責任を明確にし、軽い気持ちでいじめができないような環境を作ることが重要だ。
また、被害者が孤立しないような支援の仕組みも必要である。いじめを受けている子供は、周囲とのコミュニケーションを断たれることが多く、相談する相手もいないまま苦しみ続けることが多い。最近ではSNSなどを通じて支援を受けることも可能になっているが、まだまだ十分とは言えない。もっと身近なところで、誰かが「大丈夫だよ」「君の味方だよ」と声をかけられる環境を作ることが求められる。
子供たち自身も、いじめが許されない行為であることをしっかりと理解する必要がある。特に、「いじめの被害者に寄り添うことができる人」を増やすことが重要だ。いじめが発覚したとき、周囲が黙認するのではなく、誰かが「それはおかしい」と声を上げることができれば、被害者が孤立することを防ぐことができる。
いじめをなくすことは簡単ではない。しかし、いじめによる自殺を防ぐことはできるはずだ。そのためには、加害者に対する厳格な対応と、被害者を守る具体的な支援策を整備することが必要だ。
学校は教育機関であると同時に、生徒の安全を守る場でもある。いじめが発覚した際、単なる「指導」や「注意」で済ませるのではなく、より具体的な対応を取るべきだ。加害者を出席停止にする、被害者を安全な場所へ避難させる、警察と連携して法的措置を講じるなど、現場の教師だけに負担を押し付けるのではなく、社会全体で取り組むべき問題だと考える。
最後に、いじめに苦しんでいる子供たちへ。今の状況が永遠に続くわけではない。今はとても辛いかもしれないが、どうか一人で抱え込まないでほしい。誰かに相談することで、状況は変わるかもしれない。学校が辛いなら、別の道もある。人生は長い。今の環境がすべてではないことを、どうか忘れないでほしい。
執筆:編集部A
以下,Xより 【Elon Mu…