こども家庭庁という組織は本当に必要なのだろうか。
昨年末に閣議決定された同庁の2025年度予算案は、前年度比約2兆円増の7兆3270億円にもなるという。
子ども食堂は今年度、全国で1万866カ所になった。増加傾向にあるそうで、全国の公立中学校の数よりも多くなっている。子ども食堂が増えたと聞けばいいニュースと一瞬勘違いしそうになるかもしれないが、つまりは貧困状態にある子どもが依然として多く存在する、という実態の裏返しに他ならない。子どもの9人に1人が貧困状態にあるとされている現状で、この国は本当に先進国と言えるのだろうか。子どもの飢餓、貧困に手を差し伸べている多くは民間の善意であり、篤志家の皆さんである。そのおかげで飢えから救われている子どもも多いわけだが、この役所の予算の10分の1程度でほとんどの子どもを救えるのではないだろうか。
昨年の出生数は減りに減って70万人を割り込む見通しだ。このニュースは衝撃だった。日本の総人口は1年間で56万人も減ってしまった。それなりの規模の自治体が丸ごとなくなってしまったような数字だ。
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【himuroさんの投稿】
引用元 https://mainichi.jp/articles/20250202/ddm/012/070/013000c
こども家庭庁という組織が本当に必要なのか、その効果はどうなのかと考えさせられる。2025年度の予算案は7兆3270億円と、前年度から約2兆円の増額となった。しかし、その巨額な予算が少子化対策や子どもの福祉向上にどこまで寄与しているのか、実態を冷静に見つめる必要がある。
まず、子ども食堂の数が全国で1万866カ所に増え、公立中学校の数を超えたという事実は一見すると前向きなニュースに思える。しかし、これは裏を返せば、貧困状態にある子どもが依然として多いことの証明でもある。本来、行政が解決すべき問題を民間の善意に頼る状況が続いている。こども家庭庁の莫大な予算の一部でも、より効果的に活用できれば、民間に依存することなく、多くの子どもを支援できるのではないか。
また、少子化の現状を考えると、こども家庭庁の施策が抜本的な対策になっているのか疑問が残る。昨年の出生数は70万人を割り込み、日本の総人口は1年間で56万人も減少した。これはもはや「危機」と言える状況であり、単なる補助金のばらまきでは解決できない問題だ。結婚や出産、子育ての負担を軽減するための具体的な制度設計が求められる。
こども家庭庁の主な役割は、子どもの貧困対策や児童福祉の向上、少子化対策の推進など多岐にわたるが、実際に効果が出ているのか検証が必要だ。予算だけが膨らみ、実際の成果が見えないのでは意味がない。行政が新たな機関を設立し、組織を拡大すればするほど、予算の多くが運営費や人件費に消えてしまう懸念もある。
本当に少子化対策を進めるのであれば、まずは結婚・出産・子育てを支える環境を整えることが必要だ。例えば、以下のような対策が求められる。
現在の少子化対策は、単に子育て支援の名目で予算を増やすだけでは根本的な解決にはつながらない。若い世代が結婚や出産に前向きになれるような環境を作らなければ、いくらお金を投じても効果は限定的だ。
一方で、こども家庭庁の取り組みの中には評価できるものもある。例えば、児童虐待対策の強化や、障害を持つ子どもへの支援拡充などは、必要不可欠な施策だ。これらの分野では、今後も継続して支援を強化する必要がある。ただし、それと同時に、予算の使い方が本当に適切なのかを監視することも重要だ。
日本は世界的に見ても少子化が深刻な国の一つであり、根本的な対策が急務である。政府が本気で少子化を食い止めたいなら、まずは効果の薄い施策を見直し、予算を本当に必要な分野に集中させるべきだ。
こども家庭庁の予算増額が、単なる役所の肥大化にならないように、今後の施策の透明性を確保し、実際の効果をしっかりと検証していく必要がある。予算の使い道が不透明なままでは、いくら増額しても意味がない。
国民としても、こども家庭庁の存在意義を問い続ける必要がある。行政の機能が本当に国民のためになっているのか、少子化対策が実効性を伴っているのかを、厳しく見守っていかなければならない。
執筆:編集部A