中国政府は4日、米国からの輸入品に対する報復関税を課すと発表した。
米国原産の石炭と液化天然ガスに15%、原油、農業機械、ピックアップトラックに10%の追加関税をそれぞれ課す。発動は10日からとしている。【北京・松倉佑輔】
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【毎日新聞ニュースさんの投稿】
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中国がアメリカへの報復関税を発動することを発表した。米国から輸入される石炭や液化天然ガス(LNG)、原油、農業機械、ピックアップトラックに対し、10日から追加関税を課すという。具体的には、石炭とLNGに15%、原油や農業機械、ピックアップトラックには10%の関税が上乗せされる。米中間の貿易摩擦が再び激化する可能性が高まり、国際経済にも影響を与えることが懸念される。
この報復関税の背景には、アメリカが中国製品に対して新たな関税を課したことがある。バイデン政権は、中国の経済的な影響力を抑えるために、さまざまな規制を強化してきた。特にハイテク産業や軍事技術の分野では、中国への輸出規制が厳しくなっている。これに対抗する形で、中国側も関税という形で応戦し、アメリカへの圧力を強めようとしている。
今回の関税対象を見ると、中国がエネルギー分野に重点を置いていることがわかる。アメリカからの石炭、LNG、原油といった資源は、中国にとって重要な輸入品である。それにもかかわらず、あえて関税を課すというのは、中国側が自国のエネルギー政策に自信を持っている証拠かもしれない。中国は近年、ロシアや中東との関係を深め、エネルギー供給の多様化を進めている。今回の措置は、アメリカからの依存度を下げる狙いがあるとも考えられる。
また、農業機械に関税をかけるというのも興味深い。アメリカの農業は輸出に依存する部分が大きく、中国はアメリカ産の農産物の主要な輸入先の一つだ。農業機械の関税が上がることで、アメリカの農業生産にも影響が出る可能性がある。過去にも、中国がアメリカの大豆や豚肉に関税を課した際、アメリカの農家に大きな打撃を与えたことがあった。今回の関税措置も、アメリカの農業界にとっては痛手になるはずだ。
中国の狙いとしては、アメリカ国内の産業界や農業界に圧力をかけることで、バイデン政権に譲歩を迫ることにあるのだろう。アメリカは今年大統領選挙を控えており、経済政策が重要な争点となる。農業やエネルギー産業は共和党の支持基盤でもあり、中国がそこを狙って揺さぶりをかけている可能性がある。
しかし、この貿易摩擦は単なる経済戦争にとどまらない。米中関係は台湾問題や南シナ海の軍事的緊張、ハイテク産業の覇権争いなど、複数の要因で悪化している。今回の関税措置も、経済制裁の一環として行われているが、その背景にはより深刻な対立がある。特に、中国は自国の製造業を強化し、アメリカの影響を受けない経済圏を作ろうとしている。これに対し、アメリカは中国の経済的拡大を警戒し、牽制し続けている。
この対立が長引けば、世界経済全体にも悪影響を与えることは避けられない。アメリカと中国は世界最大の経済大国であり、その二国間関係が悪化すれば、貿易や投資に影響を及ぼす。特に、関税がエネルギー分野に及ぶことで、石油やLNGの価格変動が起こる可能性がある。エネルギー価格の上昇は、製造業や輸送業にも波及し、インフレを引き起こす要因にもなりかねない。
また、日本への影響も無視できない。日本はアメリカとの貿易関係が深い一方で、中国とも経済的なつながりが強い。今回の米中対立が激化すれば、日本企業にも影響が及ぶ可能性が高い。例えば、中国がアメリカ以外の国からエネルギーを調達するようになれば、エネルギー市場のバランスが変わり、日本の輸入コストにも影響が出るかもしれない。また、中国の経済成長が鈍化すれば、日本の輸出産業にも悪影響を与える可能性がある。
今後の展開として、アメリカが追加の制裁を発表する可能性もある。バイデン政権は中国に対して厳しい姿勢を取ることが多く、関税の応酬がエスカレートする可能性は十分にある。一方で、経済的なダメージを考えれば、両国がどこかで妥協する可能性もある。しかし、過去の貿易戦争を見る限り、簡単に解決するとは考えにくい。
結局のところ、今回の関税措置は米中関係の悪化を象徴するものであり、単なる貿易問題ではなく、より大きな政治的対立の一部として考えるべきだろう。エネルギーや農業といった重要な分野に影響が及ぶ以上、これからの動向を注意深く見守る必要がある。
執筆:編集部A
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