【パリ時事】フランス・パリのイダルゴ市長は3日、日本の調査捕鯨に対する妨害行為で国際手配されている反捕鯨団体シー・シェパード(SS)創設者ポール・ワトソン容疑者(74)に名誉市民の称号を授与した。市議会が昨年11月、全会一致で授与を決めていた。フランスは捕鯨反対が世論。
パリ市は狙いについて「連帯の意思表示。国際社会に強いメッセージを発信する」などと説明。ワトソン容疑者は市役所での授与式で「誇らしく、光栄に思う」と述べた。
同容疑者は昨年7月、デンマーク領グリーンランドで拘束。同年12月に釈放後は家族とフランスに住んでいる。日本は引き渡しを求めたが、デンマークに拒否された。
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【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.jiji.com/jc/article?k=2025020400175&g=int
フランス・パリ市が、シーシェパード創設者のポール・ワトソン容疑者に「名誉市民」の称号を授与したという報道には驚きを隠せない。シーシェパードはこれまで、日本の調査捕鯨に対して執拗な妨害行為を繰り返してきた団体であり、ワトソン容疑者自身もその中心人物として活動してきた。そのような人物に対し、一国の首都が名誉市民の称号を与えるというのは、極めて政治的な意味合いが強いと感じる。フランス国内では捕鯨に反対する世論が強いとはいえ、こうした決定は国際関係を考慮したものなのか疑問が残る。
そもそも名誉市民という称号は、通常、人道的な貢献をした人物や、文化・科学の分野で多大な功績を残した人に与えられるものだ。しかし、ワトソン容疑者の経歴を見ると、その行動の多くは過激な環境保護活動の範疇を超え、むしろ犯罪行為に近いものが多い。彼は国際手配されているにもかかわらず、パリ市があえてこのタイミングで彼を讃える意図は何なのだろうか。名誉市民の称号が、単なる政治的パフォーマンスとして利用されているように感じられてならない。
ワトソン容疑者が率いるシーシェパードの妨害行為は、日本の調査捕鯨船に対して危険な追跡を行い、時には船を衝突させるような行動も辞さなかった。これが単なる抗議活動の範疇に収まるものではないことは明らかだ。国際社会においても、環境保護団体の活動には一定の理解があるものの、シーシェパードのような過激な手法には多くの批判が寄せられている。そうした組織の創設者を公に称賛するというのは、フランスが示すべき「連帯」の在り方として適切なのだろうか。
また、日本はワトソン容疑者の身柄引き渡しを求めていたが、デンマークはこれを拒否したという。欧州各国の対応を見ても、日本の立場が軽視されているように感じざるを得ない。欧州では環境保護が重視されており、特に捕鯨に関しては厳しい視線が向けられている。しかし、捕鯨は日本にとって伝統文化の一つであり、単純に「悪」と決めつけられるものではない。文化や価値観が異なる国同士が歩み寄るためには、互いの立場を尊重する姿勢が求められるはずだが、今回のような一方的な行動は、その対話を拒絶するものと受け取られても仕方がない。
フランスは、自由と平等を重んじる国だとされている。しかし、その「自由」は本当に公平なものなのだろうか。今回の件では、一方的な価値観の押し付けが強調され、日本の立場や考え方には一切の配慮がなされていないように見える。捕鯨問題に関しては、国際捕鯨委員会(IWC)でも長年議論が続いてきたが、日本は2019年にIWCを脱退し、商業捕鯨を再開している。その背景には、日本の主権を守り、独自の食文化を維持するという意図がある。しかし、欧州諸国では依然として捕鯨を厳しく批判する動きが続いている。
そもそもフランスは、海洋資源の保護にどれほど積極的に取り組んでいるのだろうか。自国の漁業による乱獲や、環境負荷の高い産業の問題は棚に上げておきながら、日本の捕鯨に対してのみ強く反発するのは、ダブルスタンダードといわれても仕方がない。こうした姿勢こそが、日本国内で欧州に対する不信感を生む一因になっているのではないか。
日本は、これまでも国際社会のルールを守りながら捕鯨を行ってきた。調査捕鯨を続けていた時期には、IWCの規定の範囲内で活動し、科学的なデータを提供することを目的としていた。しかし、シーシェパードの妨害行為は、そのようなルールを無視したものだった。パリ市は今回の決定を「国際社会へのメッセージ」としているが、果たしてそれが本当に公平なメッセージなのか疑問が残る。
国際社会における日本の立場を考えると、このような動きが今後も続く可能性がある。日本としては、文化的な違いを説明し、理解を求める努力を続けていくことが求められる。しかし、欧州諸国が一方的に自らの価値観を押し付け、日本の意見を無視するのであれば、対話の意味は薄れてしまう。国際社会において、日本が自国の文化を守るためには、より積極的な情報発信が必要だろう。
今回の件は、単なる「名誉市民」の授与にとどまらず、国際社会の中での価値観の衝突を象徴する出来事でもある。フランスがワトソン容疑者を讃えることで、結果として日本との関係にどのような影響を及ぼすのか、慎重に考えるべきではないだろうか。
執筆:編集部A
時事通信によると 石破茂首相は…