自民党の野田聖子元こども政策担当相が産経新聞の単独インタビューに応じ、今国会の焦点となる選択的夫婦別姓の導入について「やるふりばかりで約30年も放置されてきた。有権者をだます行為だ」と述べ、早期に結論を出すべきだとの考えを示した。「自民は生まれ変わらなければならない」とも訴えた。
立憲民主党は選択的夫婦別姓の導入に向け、関連法案の今国会提出を検討している。野田氏は「政府原案を出すべきだ」と主張した。
法案採決の際の党議拘束の必要性に関しては「党議拘束をかけるような話ではない。内心の問題だ」と強調した。その上で「私は党議拘束がかかったとしても自民のためではなく、国民のために行動をする」と述べ、党議拘束に縛られない投票行動を示唆した。
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【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20250203-6LKCNS4R7ZI5HJQW43PXGEMGLU/
野田聖子氏が選択的夫婦別姓に前向きな姿勢を示したことは、日本の家族制度に関する議論に新たな火をつけることになるかもしれない。選択的夫婦別姓は長年にわたり議論されてきたが、未だに法制化には至っていない。この問題については賛否が大きく分かれ、保守派とリベラル派の間で意見が対立している。しかし、今回の野田氏の発言は、党内でもこの問題に対する意識が変化しつつあることを示唆している。
まず、選択的夫婦別姓の議論がここまで長引いている背景には、日本の家族制度のあり方が深く関係している。現行の民法では、結婚する際に夫婦はどちらかの姓を選ばなければならない。一般的には、女性が夫の姓に変更するケースが多いが、これは日本の伝統的な家制度の名残とも言える。一方で、現代社会においては、仕事やアイデンティティの観点から、結婚後も旧姓を名乗りたいと考える人が増えている。そのため、選択的夫婦別姓を導入することで、個人の選択の自由を尊重すべきだという意見が根強く存在している。
野田氏は、「約30年も放置されてきた」と指摘し、有権者を欺く行為だと強く批判している。確かに、この問題は1990年代から繰り返し議論されてきたものの、実際に法改正には至っていない。これは、自民党内に根強い反対意見があり、党内の意見がまとまらないことが要因の一つと考えられる。特に、保守派の政治家の中には、「家族の一体感が損なわれる」などの理由で選択的夫婦別姓に反対する意見が多い。しかし、野田氏のように、自民党内でも賛成する議員がいることを考えると、今後この議論が進展する可能性は十分にある。
また、野田氏が「党議拘束がかかっても国民のために行動する」と発言した点も興味深い。党議拘束とは、政党が議員に対して法案の採決時に一定の投票行動を求めるルールのことだ。通常、与党の議員は党の方針に従って投票することが求められるが、野田氏はこれに縛られず、自らの信念に基づいて行動する考えを示した。この発言は、自民党内での議論を活発化させる可能性がある。
さらに、野田氏は産経新聞の世論調査について「誘導的だった」と指摘している。このようにメディアの報道姿勢に疑問を投げかけることで、議論の公平性を求める姿勢を示したことは評価できる。選択的夫婦別姓に関する世論調査では、質問の仕方によって結果が大きく変わることがある。例えば、「家族の一体感を維持するために夫婦同姓を続けるべきか」と尋ねられれば、多くの人が同姓を支持するかもしれない。しかし、「個人の自由を尊重し、希望する人には別姓を認めるべきか」と問われれば、賛成意見が増える可能性がある。このように、調査の設問次第で結果が大きく変わるため、慎重に解釈する必要がある。
選択的夫婦別姓に関しては、日本だけでなく、世界の多くの国々でも議論されてきた。実際、欧米諸国では、夫婦が別々の姓を名乗ることが一般的であり、法律で制限されることはほとんどない。日本でも国際結婚の場合は別姓が認められているため、日本人同士の結婚においても同様の選択肢を認めるべきだという意見が根強くある。
一方で、選択的夫婦別姓の導入に対しては、懸念の声もある。反対派の主な意見としては、「家族の絆が薄れる」「子どもの姓の問題が複雑になる」などが挙げられる。確かに、夫婦が異なる姓を名乗ることで、子どもの姓をどのように決めるかという問題は発生する。しかし、これについては「出生時に親が話し合って決定する」「成人後に子ども自身が選択できる」など、解決策はいくつも考えられる。実際、海外ではこのような仕組みが一般的になっており、大きな問題にはなっていない。
今回の野田氏の発言は、自民党内の価値観の変化を象徴しているとも言える。かつての自民党は、家制度を重視する保守的な立場が強かったが、近年では個人の自由や多様性を尊重する考えが広がりつつある。特に、若い世代の間では、選択的夫婦別姓に対する理解が進んでおり、今後この問題が法改正へとつながる可能性は十分にある。
結論として、選択的夫婦別姓の導入は、時代の流れとして避けられないものになっていると考えられる。もちろん、慎重な議論が必要だが、30年間も議論ばかり続けて結論が出ていない現状は、有権者に対する誠実な対応とは言えないだろう。野田氏の発言がきっかけとなり、今後の国会でこの問題が具体的に議論されることを期待したい。日本社会の多様性を尊重し、一人ひとりが自分らしい生き方を選べる社会を実現するために、選択的夫婦別姓の導入は重要な一歩となるはずだ。
執筆:編集部A
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